著者 : 水野衛子
河南省延津には“花二娘”の言い伝えがある。花二娘はかれこれ三千年以上生きていて延津人の夢に現れて笑い話をせがむが、彼女を笑わせられない者は死んでしまうという。そのため人々はかならず笑い話を用意して眠る。そんな延津で、ある苦難を経験した父子がいた。喧嘩、離婚、裏切り、死ーすべてが笑い話になるわけではない人生で、“笑い”が持つ力とは何か。花二娘に運命を翻弄される延津人の物語からユーモアの本質を問う、中国最高峰の茅盾賞受賞作家の最新作。
ここ数年、中国のネットを騒がせた事件をまとめて、実はすべて一人の人物につながっていたとする小説である。旅先でコールガールになった女性、手抜き工事で崩落した橋の責任者、元省長夫人、美人局をする自警団などなど…。住む場所も身分も貧富もまったく違う見ず知らずの四人の男女が描く悲喜劇。彼らが織り成す荒唐無稽な阿鼻叫喚は、やじ馬にとってはこの上ない楽しみとなる。原タイトル「吃瓜時代的児女們」は、ネット時代に他人の騒ぎを見物して楽しむ人々を意味する。現代中国髄一のユーモア作家・劉震雲が辛辣な筆致で現代中国の問題をえぐり出す!
一介の農村婦人が国家を相手に事件を巻き起こす!独りっ子政策の行き詰まりや、保身に走る役人たちの滑稽さなど、現代中国の抱える問題点をユーモラスに描く、劉震雲の傑作長編小説。
台湾中部の山岳地帯に暮らす誇り高き狩猟民族・セデック族。1895年、日清戦争で清が敗れると、彼らの住む土地にも日本の統治は拡大。部族たちの平穏な生活は日々奪われていく。それから35年、部族の有志たちがついに立ち上がる。集落を統べる頭目、モーナ・ルダオは一族の尊厳を胸に秘め、仲間たちとともに日本軍に抗戦する。だが、蜂起軍は日本軍が誇る近代兵器の前に桜の花びらのように次々と散っていき…。台湾全土を席巻した稀代の歴史小説ーついに邦訳化!