著者 : 永嶋恵美
オフィスCATは、様々な事情で、 「別れたい」と願う女たちの依頼を 引き受けている。 代表のヒナコは、成功率100%の強奪屋で、 泥棒猫とも……。 そんな彼女の元に、子供の頃に別れさせ屋に 依頼したことがあった女性から、 バイト先の店長に惚れ、大学を辞めそうな勢いの 従姉を救いたいと依頼が……。 (「泥棒猫リターンズ」) ソーシャル・ゲームのオフ会で知り合い、つきあっていたカレシと別れたい。 (「回線上の幽霊(ゴースト)」) 二・五次元舞台のオーディションに受かった小劇団の同期。 彼とつきあっている危うい地下アイドル。 彼の為に、二人を別れさせたい。 (「初日の幕が上がるまで」) 様々な女性の苦難を救ってきたヒナコたちが 帰ってきた! 「あなたの恋人、強奪します」 「別れの夜には猫がいる」に続く、 痛快ミステリの第三弾が書下しで登場! 第一話 泥棒猫リターンズ 第二話 回線上の幽霊(ゴースト) 第三話 初日の幕が上がるまで
大崎梢 加納朋子 近藤史恵 篠田真由美 柴田よしき 永嶋恵美 新津きよみ 福田和代 松尾由美 松村比呂美 光原百合 冒険、ミステリー、人間ドラマ、恋愛…… 11人の人気女性作家が同じテーマに挑む短編小説集! 誰しも、自分だけの隠しごとを心の奥底に秘めているものーー。 実力と人気を兼ね備えた11人の女性作家たちがSNS上で語り合い、「隠す」を テーマに挑んだエンターテインメントの傑作! 多彩な物語すべてに、共通の「なにか」が隠されています。 (答えが掲載されている「あとがき」は、最後にお読みください) これが、本物の短編小説集。
優等生だがほかに取り立てて特徴のない男子高校生・開沢恭平は、日曜日に幼なじみの青柳菜加に呼びつけられ、一方的に相談された。渋谷の雑踏で母親から見捨てられた子どもを保護し、家まで送り届けたが、荒れ果てた無人の室内に危機を覚え、自宅に連れてきたという。昔から行動力だけが突出している菜加は、事の重大さをまったく認識していなかった。「誘拐罪。お前がやったことはれっきとした犯罪だ」--大人たちを頼らず事態の収拾を図るため、恭平たちの波瀾の一週間が幕を開ける!
あなたには、捨てたいモノ、ありますか? 9人の人気女性作家が豪華競作! 心揺さぶられる9つの物語。 連作ではなく、単発でしか描けない世界があるーー 9人の人気女性作家が、それぞれの持ち味を存分に発揮し、 今大変注目を集めている「捨てる」をテーマに豪華競作! 女性作家ならではの視点で、人の心の襞をすくいとり丁寧に紡がれた9篇は、 いずれも傑作ぞろい。 さまざまな女性たちの想いが交錯する珠玉の短編小説アンソロジー。 ミステリー、ファンタジー、恋愛、家族、ホラー・・・ ●小さな女の子がどうしても捨てられない宝物の中身 ●自殺した夫が愛した植物を、どのようにして捨てるか ●祖父が捨てきれずに遺したのは、拳銃!? ●母亡き後の実家を、女一人、どう捨て整理していくか ●ゴミ出しは午後11時59分までーー不思議なゴミ捨て場 ●捨てようと思いながら持ち続けたお守りを手放した途端… ●嵐の夜、トランプの罰ゲーム。次は誰がカードを捨てるのか… ●夢を捨てるのは簡単、でも現実は…。幸せな結婚生活のはずがーー ●近所の男が捨てようとした花には、ある秘密がーー
恋人を取られた女の元に現れたカレの同級生。彼女から、二人を別れさせる提案をされて…(「宵闇キャットファイト」)。勤務先の上司との別れ話がこじれてしまい「あなたの恋人、友だちのカレシ。強奪して差し上げます」という広告に飛びついた(「夜啼鳥と青い鳥」)。DV元夫から、子供を取り戻したい(「烏の鳴かぬ夜はあれど」)。女たちが抱える問題を“泥棒猫”ことヒナコが見事に解決!
暴力をふるうようになった恋人と別れたい(「泥棒猫貸します」)。人のものを何でも欲しがる女ともだちに取られた恋人、二人を別れさせたい(「九官鳥にご用心」)。さまざまな状況で、つらい目にあっている女たちの目に飛び込んできた「あなたの恋人、友達のカレシ、強奪して差し上げます」という怪しげな広告。依頼され、男たちを強奪していく“泥棒猫”こと皆実雛子の妙技と活躍を描く六篇の連作ミステリ。
ここは、猫まで多く住みついてしまう人情たっぷりの下町。大学病院医師の鳥羽裕太は、病院で事務をしている石倉夏海の甥を事故から救った。それ以来親しくしているのだが、夏海は面白おかしい出来事や予想外の展開を引き寄せる“体質”で、一緒にいると次々と事件や騒動がやってくる。考えるタイプの裕太と行動派の夏海。名コンビが町の謎を解決する!愉快な登場人物が彩る、ほのぼの連作ミステリー。
人気の女性作家9名が贈る書き下ろし短篇! 小説 柴田よしき・大崎梢・光原百合・福田和代・松村比呂美・近藤史恵・永嶋恵美・篠田真由美・新津きよみ。作家発! 『捨てる』小説集。
劇団員の夏帆は、住宅地図調査のアルバイトで小学生時代に住んでいた街を訪れた。同級生の家に招かれた彼女は、途中の夜道で通り魔に襲われてしまう。怪我は軽かったが、同じ頃、近くで女性が殺されていた!被害者は、ある過激な新興宗教の信者だったらしいのだが…。ありふれた住宅街に渦巻く疑惑、恐怖、殺意。日常に潜む悪意をえぐり出す傑作ミステリー。
劇団員の夏帆は、アルバイトをしながら日々の生計を立てている。一人暮らしの32歳。20代のころのように素直に夢を追うこともできず、かといって郷里には戻りたくない。アルバイトの住宅地図の調査に訪れた埼玉県のベッドタウンは、小学校の頃に一時期住んでいた街だった。夏帆は小学校の同級生と再会し、その夜、彼女の家に向かう途中で運悪く通り魔に遭遇してしまう…。「日常の些細な悪意」の連鎖が引き起こす長編サスペンス。
妊婦連続殺人犯の少年を担当することになった弁護士の夫・尚彦ー。その妻で現在妊娠5ヵ月めの美沙緒は、悪意のドミノが倒されたかのように始まった嫌がらせの連鎖に、恐怖を募らせていく。少年はなぜ妊婦を狙ったのか?信じていいのは誰なのか?女と女の果てしない暗闇を描き出す、緊迫の心理サスペンス。
ホームレスになってしまった「ボク」は、食料を探していた神社で、小学生の麻由から弁当を手渡される。巧妙な「餌付け」の結果生まれた共犯関係は、運命を加速度的に転落へと向かわせる。見せ掛けの善意に隠された嫉妬・嘲笑・打算が醜くこぼれ落ちるとき、人は自分を守れるのか!?驚愕の心理サスペンス。
「あの二人は、本当の夫婦ではありませんね…」ベテラン警部・藤之木秀夫の言葉に新米刑事の三尋由香里は驚いた。猪苗代湖畔で発生した心中事件の再捜査の過程で「AIZUマウントエクスプレス」に乗り換えた二人。退官間際の藤之木がその車中で偶然接触した老夫婦に対して感じた些細な違和感が、やがて猪苗代湖夫婦心中、北千住夫婦焼死事件と結びついていく。