著者 : 永良サチ
一緒に甲子園に行こうと約束した。精一杯応援をして、颯大にこの気持ちを伝えるんだ。それが私の夢だった。それなのにー。『野球は辞めた。高校ではやらないって決めたんだ』一緒に甲子園に行こうと約束した。甲子園で優勝して、里帆にこの気持ちを伝えるんだ。それが俺の夢だった。それなのにー。『私病気なんだ。余命一年って言われちゃった』
触れた人の気持ちがわかるという不思議な力をもった高1の莉津。そのせいで友達とトラブルになってから、いつもひとりぼっちだった。ある日、人気者の詩月に突然「俺の記憶を探して」と言われる。彼は唯一、莉津が感情を読み取れない人間だった。14歳までの記憶を失ったという彼と一緒に、記憶を探すことになった莉津。何の価値もないと思っていた自分を、ひたすら信じてくれる彼と行動するうちに、莉津はだんだん自由になっていく。一方で、記憶の真実に近づくにつれて、彼の悲しい過去が明らかになって…?自分を否定してしまうすべての人がちょっと自分を好きになる感動の青春小説。
双子の弟を事故で失って以来、自分を責め、心を閉ざしてきた小枝。高校の終業式のあと、大嫌いな街から逃げるように北海道の祖母の家へやってきた。そこで出逢ったのは“氷霰症候群(アイスヘイルシンドローム)”という奇病を患った同い年の俚斗。彼の体温は氷のように冷たく、触れた人を傷つけてしまうのだという。果てしない孤独を抱える彼から、少枝は優しい温もりをもらい、深く傷ついた心は徐々に癒えていく。しかしそんな中、彼の命の期限が迫っていることを知ってしまいー。悲しみの中で出逢ったふたりの、奇跡のような恋物語。
高2のあかりは、悩みもなく充実した毎日を送っていた。でもある日、一匹狼の同級生・翔也に「ここは現実じゃない。俺たち、死んだんだよ」と告げられる。徐々にあかりは、今いるのが“自分にとっての理想の世界”で、本当はクラスで孤立していたこと、息苦しさに耐えかねて屋上から飛び降りたことを思い出す。やがて、辛いだけだと思っていた現実にも、失いたくない大切なものがあると気付いてー。「やり直せるよ。何度だって。俺はお前の味方だ」蒼井に背中を押され、現実世界に戻ることを選んだあかり。そしてあかりの行動は、少しずつ変化を生み出していき…。悩んでもがいた先にみえる光に圧倒的感動!大人気作家の描く、新境地の青春小説。
高校生の美波は、学校でも親の前でもそつなく立ち回る“いい子”。そんな自分に自信を持っていたが、ある日、うまく優しくできずにいた義理の姉・海月を亡くしてしまう。「私は完璧な人間じゃない」-自分に失望し、高校最後の1年間、すべてに対し無気力になった美波。そんな彼女を見つけてすくいあげてくれたのは、学校でひときわ目立つ存在で、生前の海月をよく知る後輩・三鶴だった。過ちから目をそらさず向き合う美波に、三鶴は「俺は美波さんを優しくて素敵な人だと思ってます」と言ってくれて…。ふたりきりの屋上、朝焼けの犬吠埼。彼の隣ですごす時間に、鍵をかけた美波の心は少しずつとかされていき…。自分を好きになれない夜に寄り添う、感動の青春恋愛小説。
家でも学校でも自分の居場所はないと感じながら過ごしていた高2の響。そんなある日、スマホに見覚えのない電話番号から着信が。『響?』と二年七カ月ぶりに名前を呼んだのは、お互い想い合い、大切な時間を過ごした相手・旭だった。引っ越してしまい今は離れている旭。十四歳のころのお互いしか知らず、今のお互いの姿を知らないもどかしさがありつつも、ふたりの時計の針が再び動き出し…。お互いへの募る想いがどんどん強くなっていく。しかし、旭には命に関わる重大な秘密が隠されていた…。十四歳と十七歳の自分の中で揺れ動く二人の想いに涙が止まらない、感動の青春恋愛小説。
高1の汐里は、父と離婚してから忙しく働いている母を支えるため、自分のことは後回しでバイトに明け暮れる日々を送っていた。そんなある日、汐里が仲良くなったのは、クールでみんなから距離を置かれているけれど、ひそかに女子の人気を集める同級生・晃。一匹狼に見えて本当は優しい晃は、汐里の健気さに惹かれていく。彼は、辛いことがあると爪を噛む汐里の親指に「絆創膏がわり」と言って、スマイルマークを描いてくれた。そんな彼を汐里も好きになるけれど、実は晃が、汐里の父の再婚相手の息子だとわかり…?一番近くて遠い場所にいる、汐里と晃。それでもずっと一緒にいたいと願い、運命に立ち向かうふたりの姿に、温かい涙があふれる感動の恋愛小説!!
死にたがりの僕を変えたのは、太陽のように明るくて、ランプのように儚い彼女だったー。事故で両親を失って以来、無気力になっている悠生。海に飛び込もうとしたところを、クラスメイトの玲奈に止められる。なにかと絡んでくる玲奈を煙たがる悠生だが、ある一言から彼女に振り回されることに。「私、このランプの炎が消えたら死ぬ病気なの」それ以来、謎の記憶と玲奈が重なるようになる。「悠生くん、本当のことを思い出して」すべての真実を知った時、切なすぎる運命がふたりを待ち構えるー。ふたりの強い思いが起こす予想外の結末に、涙が止まらない!!
願いを叶えてくれる“幽霊高校生”の噂を聞いた5人の女子高生たちは、欲望のままに幽霊を呼び出してしまう。仲間はずれにされ、友達の鍵アカ付きSNSの中身を見たいと願う若菜…。キラキラした友達がうらやましくて、人生を交換したい亜美…。願いが叶って浮かれるのもつかの間、彼女たちに襲い掛かる恐怖とは?身近にひそむ闇にゾッとする、一気読み必至の学園ホラー、全5話。
余命3カ月と宣告された高1の海月は、心細さを埋めるため、帰り道に偶然会ったクラスの人気者・悠真に「朝まで一緒にいて」と懇願する。海月はそのことを忘れようとするが、海月の心の痛みに気づいた悠真は毎日話しかけてくるように。「俺は海月と一緒にいたい」とストレートに気持ちを伝えてくれる悠真に心を動かされた海月は、一秒でも長く前向きに生きることを決意して…。ふたりのまっすぐな愛に涙が止まらない、感動の青春恋愛小説!!「第3回野いちご大賞」大賞受賞作!!