著者 : 江川卓
ルージンの卑劣な工作により窮地に立たされたソーニャを弁護したラスコーリニコフは、その後ついに彼女に罪の告白を…。贖罪をうながすソーニャに、彼はつぶやく。「もしかすると、ぼくはまだ人間で、しらみではないのかもしれない…」。全三冊完結。
事件の衝撃から立直れないラスコーリニコフは、心配してくれる家族や友人にも、警戒と不信を抱き続ける。妹の婚約をめぐって悶着を起こし、殺人事件の捜査官と薄氷の渡り合いを繰広げる一方で、心の清らかなソーニャとの交流が次第に深まってゆく。
その年、ペテルブルグの夏は長く暑かった。大学もやめ、ぎりぎりの貧乏暮らしの青年に郷里の家族の期待と犠牲が重くのしかかる。この悲惨な境遇から脱出しようと、彼はある「計画」を決行するが…。世界文学に新しいページをひらいた傑作。
ルージンの卑劣な工作により窮地に立たされたソーニャを弁護したラスコーリニコフは、その後ついに彼女に罪の告白を…。贖罪をうながすソーニャに、彼はつぶやく。「もしかすると、ぼくはまだ人間で、しらみではないのかもしれない…」(全三冊完結)。
事件の衝撃から立直れないラスコーリニコフは、心配してくれる家族や友人にも、警戒と不信を抱き続ける。妹の婚約をめぐって悶着を起こし、殺人事件の捜査官と薄氷の渡り合いを繰広げる一方で、心の清らかなソーニャとの交流が次第に深まってゆく。
その年、ペテルブルグの夏は長く暑かった。大学もやめ、ぎりぎりの貧乏暮らしの青年に郷里の家族の期待と犠牲が重くのしかかる。この悲惨な境遇から脱出しようと、彼はある「計画」を決行するが…。世界文学に新しいページをひらいた傑作。
古代ギリシア、中国から現代まで、世界文学のすべてを集約。旧版を全面改訂、新項目1451を加えて全4711項目、多彩な情報を満載した四大付録。新編集の“便利な世界文学百科”。
凋落しつつある資産階級に生まれ、母の死後、モスクワの親戚宅に引き取られたユーリィ・ジバゴは医者を志していた。一方、ロシヤに帰化したフランス人の娘ラーラは母の愛人との泥沼の関係を断ち切り、新しい生活を築こうとしていた。やがて人人に第一次世界大戦とロシヤ革命の波が襲いかかるー。動乱の時代を背景に波瀾の運命が待ち受けるジバゴとラーラの青春を描く。
革命後の混乱を避け、ワルイキノへ逃れたジバゴ医師はラーラと宿命的な再会を果たす。身も心もラーラにのめり込んでいくジバゴだが、運命は二人を遠ざけていく。やがて全てに失望したジバゴはモスクワに隠棲し、〈ジバゴ詩編〉を残して狂気の内に死をを迎える。美しいラブ・ストーリーに様々なシンボルをちりばめ、普遍的な倫理と思想を織り込んだ20世紀最大の大河ロマン。
シベリア=西ヨーロッパ・パイプライン開通式を目前に控えた1983年12月、極寒の収容所から3人の囚人が脱走した。この事件はやがて凍土帯の少数民族の暴動へと発展する。クレムリンは軍を投入し事態の収拾に全力を傾けるが、脱走犯の足取りさえ掴めない。一方、現地に派遣された民警の女性検事アンナは捜査を進めるに従い、意外な真相に近付いていく。亡命作家が描く迫真のサスペンス。