著者 : 池田信雄
昏乱昏乱
「世界は崩潰するような気がします。それとも自ら滅さずにいられないのは自然のほうでしょうか」峡谷の山村を往診で経めぐる医者とそれに付き従う息子、ふたりが出会う患者たちはそれぞれが暗い混沌をかかえていたー。静謐な狂気が果てしなく渦巻く暗黒の巨匠ベルンハルトの長篇。
凍凍
雪と氷に閉ざされた僻村に隠遁する老画家の調査をひそかに依頼された若き研修医の戦慄と絶望の27日間ーすべてが底なき深みへ崩れおちて凍りつく。世界文学の極北をきわめたトーマス・ベルンハルトの比類なき傑作。
消去[新装合本]消去[新装合本]
2004年に上下本として刊行され、圧倒的な評価と支持を受けながら、長らく品切れにしていた、オーストリアの作家トーマス・ベルンハルトの代表的長編小説『消去』を、ここに一巻にして新たに刊行。主人公フランツーヨーゼフ・ムーラウが両親と兄の死を告げる電報を受け取るローマの章「電報」と、主人公が葬儀のために訪れる故郷ヴォルフスエックを描く章「遺書」からなる本書は、反復と間接話法を多用した独特の文体で、読者を圧倒する。ベケットの再来、あるいは文学界のグレン・グールドと評価されるベルンハルトとは、いったい誰なのか。 ※2004年、シリーズ《lettres》の上下本として刊行し、圧倒的な評価と支持を受けながら、長らく品切れにしていた、ドイツ語圏の最重要作家ベルンハルトの主著を、ここに一巻にして新たに刊行。
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