著者 : 池田真紀子
カルト教団で生まれ、育ち、そして働きに出されたぼくはけっきょく集団自殺から取り残された。ぼくら生き残り、サバイバーを、国は保護してくれている。だが、その数はだんだん減り、ついにぼくが唯一のサバイバーとなったとき…。鬼才か、異才か、天才か『ファイト・クラブ』で全世界を驚嘆させた怪物がいままた新世紀に叩きつける超過激小説。
十カ月前、暖かな陽射しが降り注ぎ、木の枝には新芽が膨らみはじめていた春の日、妹のフラニーは、自宅アパートで死体となって発見された。暴行を受け、ダクトテープで口をふさがれ、むきだしの足首と手首を縛られて…妹のコンピューターに残された不完全な日記を読んだ私は、彼女を死に追いやったのは音楽教授マイケル・Mだと確信する。その類い稀な魅力でフラニーを虜にしたMは、性的奴隷と化した彼女にあらゆる行為を強いていたらしい。妹はMにどんなことをされたのか?その行為がエスカレートして、死に結びついたのか?日記に書かれていない空白の日々に、いったい何が起きたのだろう?押し寄せる疑問に答えを見出すべく、私は自分を餌に、Mに接近する。それが、私自身を、いままで知る術もなかった世界へと誘うことになるとは想像もせずに。恐怖、屈辱、服従の果てに待つ官能の世界。そしてその先は?過激な描写がモラルを破壊し尽くす、衝撃の問題作。
発端は女だった。富豪の老人を夫に持つ美女ノーラ。彼女が青年チャドにうずきを覚えたときから、悲劇は始まった。二人の関係を知った夫は、自らの死を偽装して保険金を手に入れる計画に、彼らを巻き込もうとしたのだ。三つ巴の化かし合いは、いつしか予想だにしない展開を迎えることにー。人種の坩堝ホノルルを舞台に、クールな笑いと色気と騙りで読者を煙にまく新世代犯罪小説。
ひとつ頼みがある。力いっぱい俺を殴ってくれータイラーの一言がすべての始まりだった。映写技師の仕事をする彼との出会いは、平凡な会社員として暮らしてきたぼくの生活を一変させた。週末の夜、密かに素手の格闘を楽しむうち、二人で作ったファイト・クラブはみるみるその規模を拡大し、過激な暴力は果てしなくエスカレートしてゆく。その行く手に待ち受けていたものは?熱い注目を浴びる、全米大ヒット映画の原作。
仕事も恋愛もうまくいかない中年男ディガーは、不思議な白昼夢の中で“魂の案内人”と出会い、万物を支配する驚くべき原理を教えられるが…。『聖なる予言』をしのぐ自伝的スピリチュアル小説。
平凡な会社員だったぼくは、タイラーという奇妙な男と出会う。意気投合したぼくらは過激な悪戯を繰り返し、ストリートファイトの愛好会ファイト・クラブを創設したのをきっかけに果てしなくエスカレートする暴力の渦に巻き込まれていった…。期待の新鋭が現代のヴァイオレンスを描く衝撃のデビュー作。