著者 : 河村真紀子
全世界で5000万人を動員したシルビア・クリステル主演の大ヒット映画『エマニエル夫人』から半世紀、新たに映画化! 2025年1月10日、日本公開! 20世紀を代表する官能文学の「無削除完全版」がついに刊行! 1969年、二見書房は『エマニエル夫人』を翻訳出版したが、内容が猥褻にあたるとの理由で警視庁より発行禁止処分を受けた。 しかし、当時の社長堀内俊宏の機転で猥褻表現にあたる箇所を担当官から聞きだし、きわどい表現を修正してふたたび発売、50万部を超える大ベストセラーになった。 『新訳 エマニエル夫人』は、当時削除修正しなければならなかった原作を未削除で新たに読みやすい日本語にした完全版! パリから夫の赴任先であるタイのバンコクに向かうエマニエル。飛行機内で見知らぬ男性客と思いもかけず、みだらな行為をすることに……。バンコクに着いたエマニエルはビジネスマンの妻として、幸福ではあるが平穏すぎる日常にどこか退屈さを感じていた。そんなある日、エマニエルは知人の紹介で「性の儀式」を受け入れていくことになる……。
撮る大人たち、撮られる子供たち・・・・・・。 人生はドラマでも商品でもない! わが子をYouTubeで公開する母親。 SNSネイティヴの子供たちの未来をまだ誰も知らない。 若い頃、テレビのリアリティ・ショーに夢中になったメラニーは、母となり、子供たちをYouTubeで公開するようになり、何百万人もの視聴者を獲得する。しかし6歳になった娘が失踪。誘拐が疑われ、脅迫状も届く。金目当て? 成功者への嫉妬? ペドフィル? 彼女と同世代の警察官クララが事件を精査し始める。ネット社会に翻弄される人間たち、キッズインフルエンサーのその後の人生、実に考えさせられる問題作。タイトルは、母親の「うちでは子供が王様なんです」から。
バカンスで1カ月間バリ島に滞在した主人公は、帰国が1週間後にせまったある日、年老いた治療師のもとを訪れる。ところが突然「あなたは不幸な人ですね」と言われ…。老治療師と主人公の対話によって、人がいかに“思い込み”に支配されているかが明らかになっていく。思い通りの人生を生きるために大切なこととは?フランスのベストセラー、待望の文庫化。
母と娘のあいだには、甘くも美しくもない秘密があるー気鋭の作家が冴えた筆致で綴る、毒と悪意と、それでも消えぬ愛に彩られた女たちの物語。華麗にして不様、繊細にして無神経、痛々しくも軽やかな19色の母娘模様をご覧あれ。
わたしは21歳まで男性に触れられたことがなかった。処女だった。一生ずっと、喜びも痛みも経験できない気がしていた。身体が疼いていた。でも、わたしは醜い。わたしの醜さは、まさに悲劇だ。ある時、わたしはモデル募集の奇妙な新聞広告を見つけた。醜さは「特徴」なんだろうか?でも、もし採用されれば、生まれて初めてだれかの強い視線を浴びられる。心を決めて、わたしは受話器を手に取った。こうして、わたしは40歳前後のカメラマン、ジョアキム・ケレルマンと出会った。彼の背は低く、肌は疲れ、髪は薄くなり始めている。それでも、わたしは彼を愛するように…。
わたしはパリ郊外のパラダイス団地でママと二人暮らし。パパは家族を捨てて故郷のモロッコで再婚した。ママは清掃員の仕事をしてるけど、フランス語がうまくないし、バカな上司のせいでほんと苦労してるんだ。よく泣いてる。わたしも高校に友だちはいないし、おしゃれなんてするお金もない。でもでも、落ち込んでたってしかたない。きっといいことがあるんだと信じていたら、わたしの前にひとりのニキビづら男子が現われた。最初はアホで無神経でイヤなやつだと思ったんだけどな…フランス暴動で話題となった郊外に住む移民たちの生活をポジティブに、ユーモアたっぷりに描く珠玉のデビュー作。
純粋さゆえの破壊的な生を鮮烈に描く、“第二のサガン”、十七歳のデビュー作。わたしの名はシャルレーヌ、十九歳。夜になると静寂と孤独が支配するこの独房での生活も、まもなく二年になる。幼いころからわたしは、いつも何かを恐れていた。学校でも周囲にうまくなじめず孤独だった。生きるのがつらく、喉の奥に何か詰まっているみたいで、息をするのも苦しかった。そんなある日、サラが目の前に現われた。はじめて自分を理解してくれる存在に出会い、わたしは幸せだった。だが、やがて何かが狂いだす。失われた友情を取り戻そうとすればするほど、サラの冷酷さはエスカレートした。そして、長くつらい日々の末、わたしはある決心を固めるが…。傷ついてもなお突き進まずにはいられぬ思春期を描き、全仏を騒然とさせた衝撃作。