著者 : 河野万里子
1961年4月12日、人類で初めて宇宙へ行ったユーリー・ガガーリン。その偉業は国を挙げて讃えられ、多くの人々に影響を与えた。着陸したヴォストーク号を発見した農家の女性。ガガーリンの大ファンの男性。フランスのジャーナリスト。最愛の妻…。強大な国家を背負い7年後に事故死した英雄と、彼に人生を変えられた人々の悲喜こもごもを描く、連作短編小説集。
50歳を目前にして、美貌のかげりと老いを自覚する元高級娼婦のレア。恋人である25歳の青年シェリの突然の結婚話に驚き、表向きは祝福して別れを決心しつつも、心穏やかではいられない…。香り立つような恋愛の空気感と細やかな心理描写で綴る、「恋愛の達人」コレットの最高傑作。
劇団四季ファミリーミュージカル原作 銀色のつばさのカモメ、ケンガーは、ハンブルクのとあるバルコニーに墜落する。そこには1匹の黒い猫がいた。名前はゾルバ。瀕死のカモメは、これから産み落とす卵をこの猫に託す。そして、3つの厳粛な誓いをゾルバに立てさせるのだった──。 この春、劇団四季の26年ぶりの新作ファミリーミュージカルとなった本書は、〈8歳から88歳までの若者のための小説〉とうたわれる、愛と感動と勇気の世界的ベストセラー。より若い読者にも親しんでもらえるよう、このたび、小学校高学年以上で学習する漢字には新たにルビを振った。 「勇気をもって一歩ふみだすこと、全力で挑戦すること、そして、自分とは違っている者を認め、尊重し、愛することを教えてくれるゾルバとフォルトゥナータたちの物語が、これからもたくさんの方々の心に届きますように」(「訳者あとがき」より)
猫のゾルバが誓った三つの約束、でもその約束をまもるには、大いなる知恵とまわりのみんなの協力が必要だった…。ヨーロッパで大ベストセラーとなった愛と感動の物語。
時は1940年、フランス中部の農村。戦時下という特殊な状況で、普通なら決してあり得ない出会いがあった。パリを脱出してきた上流社会のスノッブな四人組と、彼らを泊める羽目となった若き農夫とその母親。村の知恵おくれの青年や隣人一家も巻き込み、のびやかな田園風景の中で繰り広げられた泣き笑いの末に待っていた、想像を絶する結末とは…。
クリスマス・イヴまであと三日。南カリフォルニアの老人ホームにいる孤独な老婦人ふたり。一方だけが善と信仰と希望とを今でも信じている。そうして自分の子どもたちに電話をかけさえすれば、見知らぬ旅人「ストレンジャー」に対する思いやりが存在することを証明できると思っている。ところが、信じられないようなことが起こって、ふたりの人生観は根底から揺さぶられることに…。
ロングアイランド・シティにある私の事務所からは、マンハッタンのきらびやかな夜景が一望できる。だが反対に、持込まれる仕事は血なまぐさい死体つきだ。敵は私を中年女だと軽く見ているが、そのへんのタフ・ガイに腕力で負けていては、私立探偵はつとまらない。そして今日も、高級将校の死体がひとつー。