著者 : 海道龍一朗
時は一五五五年、甲斐の武田晴信と越後の長尾景虎が北信濃の覇権を巡り、川中島で相対していた。だがその戦いは、悪名高き忍者・加藤段蔵によって仕組まれたものだった。遡ること半年前、千賀地服部の惣領の座を狙う服部正成は、病に伏す実父・服部半三を欺き、兄二人の死の真相を知る段蔵を亡き者にせんと動き出していた。一方、段蔵は信濃国に入り、武田晴信に取り入ろうと画策し…。ページをめくる手が止まらない、疾風怒涛の戦国エンターテインメント、シリーズ第2弾。
惡忍・加藤段蔵を亡き者にせんとする服部正成は、段蔵の師父・甲山白雲斎を刺客として放つが、越後長尾家の忍び・軒猿もその命を狙っていた。甲斐武田家に潜り込んだ段蔵を巡り、服部正成、甲山白雲斎、雑賀孫一、風魔小太郎ら、それぞれの思惑が複雑に絡み合い、やがて壮絶な戦いの火蓋が切って落とされる。スピーディーな展開に時を忘れる、一気読み必至の戦国エンターテインメント、シリーズ第2弾。
戦国の世を自由奔放に駆け抜けた最強にして悪名高き孤高の忍者、加藤段蔵。伊賀・甲賀を挑発し、加賀一向一揆と構える越前朝倉義景に取り入ったかと思えば、越後の長尾景虎に罠を仕掛ける。やがて段蔵の身に迫る千賀地服部、雑賀衆、長尾の忍び軒猿らの影ー。その包囲網をかいくぐり段蔵が果たさんとする真の目的とは!?読み始めたら止まらない、痛快怒涛の戦国エンターテインメント、シリーズ第1弾。
乱世の梟雄と呼ばれた戦国大名・北條早雲。弱冠21歳での駿河下向から小田原城の奪取まで、波乱万丈な青春の日々を息もつかせぬ展開で一気に読ませる、従来の早雲像を覆す傑作歴史長編。(解説/縄田一男)
室町時代。能楽師・世阿弥元清は齢十二で才能と美貌を将軍・足利義満に見初められ、寵愛を後ろ盾に能楽を完成させていく。しかし義満の死後、彼の運命は暗転する…。その他、世阿弥が奥義書を託した金春禅竹。純禅を追究した一休宗純。侘茶の祖・村田珠光、美に取り憑かれた四人の男たちを描く傑作歴史小説。
いったい何を、どれほど失えば、この身は一人前の武士になれるというのでありましょうやー武田信玄から「わが両眼の如き」とまで信頼されるようになった昌幸は、北條綱成、本多忠勝ら名だたる武将たちと槍を合わせ、功を挙げていく。しかし突然の信玄の死により、情勢は一変。そして織田軍との、運命の長篠の合戦が迫りつつあった…。かつてない激闘の中、昌幸が慟哭とともに得た覚悟と信念とは。
庶民の「申楽」を、「能」という幽玄の域にまで高めた世阿弥。金春禅竹はその娘婿となり、義父とは別の座を率いながらも、指導を受けて深く結びついていった。そして義父の最期のとき、奥義が記された伝書が遺される。世阿弥が禅竹に伝えようとした秘法とは…表題作『花鏡』のほか、能楽を大成した世阿弥を描く『風花』/闇に生きた禅師、一休宗純を描く『闇鴉』/侘茶の祖、村田珠光を描いた『詫茶』。求道にかけた互いの宿命が交錯する連作歴史小説。
時は慶長、大坂の陣。眼下には大地を埋め尽くさんばかりに徳川勢の旗幟がはためく。真田幸村は己の造った出丸に立ち、苛烈な戦場を見据えていた。身に纒うは朱一色の戦装束。狙うは家康の首級ただひとつ。武士に生まれし者の宿命、見事に命の華を咲かせ、武名の芳香を遺そうぞーたったふたつの戦にすべてを賭けた、稀代の智将の壮烈な生きざまを、濃密かつ流麗な筆致で描ききる戦国歴史巨編。
三代にして関八州に覇を成す。始祖以来の悲願達成のため伊豆、相模を制し、武蔵国を攻略する北條家。だが父氏綱が生涯をかけて落とした江戸城と河越城が今、奪われようとしていたー。のちに名将として畏敬された三代目惣領「氷龍」氏康と、彼を支え続けた盟友「焔虎」綱成の固い絆ができるまでを活写する!
河越城の周りには、関東の諸勢力が参加する八万五千の北條包囲軍。守る綱成の兵はたった三千。綱成を助けるか、城を残すかー。氏康の苦悩は頂点に達する。北條氏を関八州の覇者へと押し上げ、新旧の勢力交代を鮮烈に印象づけた乾坤一擲の戦い「河越夜戦」を、微細かつ大胆に加筆した。戦国史ファン必読!
群雄割拠の戦国時代、ついに上洛を果たした信長。天下布武を掲げた彼の者の心中は、我欲への依怙か天下静謐かー。信長の行状と真意を探るべく、剣聖上泉伊勢守の下に集められた五人のはみ出し者たちは、互いに牽制と信頼を繰り返しながらその異能を開花させていく。乱世を生きた若者たちの青春活劇開幕。
新陰流の使い手、豪商の長男坊、陰陽師家の香道師、役の行者の末裔、男装の女剣士。朝廷の命運までも左右する信長とは、果たして何者なのか?その答えを探し続ける五人は、疋壇城近くで於市御寮人が実兄・信長へあてた密状を入手する。海道作品ならではの、典雅な世界観と豪快な剣戟場面に胸が躍る。
戦乱の世、上州の小領主の次男として生まれながら、武人としてより兵法者としての道を選び、「剣聖」となった漢がいたーー。剣の修行に明け暮れていた少年は、過酷な立切仕合を経て出会った老齢の師から「己の陰を斬る」ための陰流を皆伝される。だが己自身の奥義はまだ見つからない。大型歴史巨編開幕! (講談社文庫) 剣聖 剣士の真髄とは心刀身一如なり。 時は戦国、孤高の兵法者として道を究めた漢(おとこ)の「剣」と「心」と「修行」を描いた圧巻巨編! 戦乱の世、上州の小領主の次男として生まれながら、武人としてより兵法者としての道を選び、「剣聖」となった漢がいたーー。剣の修行に明け暮れていた少年は、過酷な立切仕合を経て出会った老齢の師から「己の陰を斬る」ための陰流を皆伝される。だが己自身の奥義はまだ見つからない。大型歴史巨編開幕! ※本書は、2005年11月に新潮文庫より刊行されたものを上下に分冊しました。 序の舞 降 臨 A.D.1508. Province Kouzuke,The Castle "KAMIIZUMI". 其の壱 邂 逅 A.D.1563. Province Ise,The Chateau "KIRIYAMA". 其の弐 南 都 A.D.1563. Province Yamato,Primary Capital "NARA". 其の参 鹿 島 A.D.1521. Province Hitachi,The Shrine "KASHIMA". 其の四 立 切 A.D.1524. Province Hitachi,The Shrine "KASHIMA". 其の伍 皆 伝 A.D.1530. Province Kouzuke,The Castle "KAMIIZUMI". 其の六 水 月 A.D.1545. Province Yamato,Primary Capital "NARA".
伊豆、相模の両国を治め、さらに武蔵国を攻略する北條氏。いま、その根城・河越城は、関東の諸勢力八万五千の大軍に囲まれていた。城を守るのは、焔虎の異名をとる猛将・北條綱成だったが、味方はわずかに三千。北條家三代目の惣領として氷龍と仰がれる北條氏康は、これを救うのか、見捨てるのか。氏康、綱成の絆と北條氏を関八州の覇者へと導いた乾坤一擲の戦い。
「信長とは、何者か!?」異能の若者五人が、帝の密勅を受け、権謀術数渦巻く乱世を疾り出す!あのデビュー作『真剣』から一年。注目の著者が新たに描いた歴史冒険活劇!怒涛のごとく書き下ろし1200枚。
永正五年(1508)、上野国赤城山の麓で生を享けた男子は、兵法修行に出た常陸国鹿島で神道流を学び、地元上泉に戻り陰流を伝授される。戦国乱世を一武将として戦うが、甲斐の武田信玄に降伏。しかし仕官を固辞し、自ら興した兵法新陰流を広める旅に出る-。上泉伊勢守信綱、兵法新陰流々祖。「生きて真剣の先に見る無刀の境地」とは。透徹した魂で兵法を極めた男の物語。