著者 : 清水義範
「現役偶然、一浪当然」といわれる大学受験。津吹淳一は、現役で共通一次に挑戦、私立も二、三受けてみたが、予想どおり全部失敗。いよいよ浪人生活へ。通い始めた予備校で、仲間もできた。同じ高校のバンカラ片山。おかま言葉の大道寺。ロリコン趣味の気弱な吉沢。なぜかヘンな奴ばかりでユーウツな毎日だ。文壇随一の奇才が描く、哀しくもおかしい青春群像、第一弾。
タイムスリップした過去は、あの3億円事件の直前だった。犯人からカローラを奪うことは可能か?レトロも魅力の「3億の郷愁」に、作家になる覚悟を決め上京した青年のドタバタを描いて懐しい「灰色のノートから1 2」と新たに書き下ろした「作品から見る私の少年・青年時代」を加えた異色小説集。
ピントが外れている文章こそ正解!問題を読まないでも答はわかる。国語が苦手な受験生に家庭教師が伝授する解答術は意表を突く秘技。国語教育と受験技術に対する鋭い諷刺を優しい心で包み、知的な爆笑を引き起こすアイデアにあふれたとてつもない小説集。吉川英治文学新人賞受賞作。
読者はパスティーシュという言葉を知っているか?これはフランス語で模倣作品という意味である。じつは作者清水義範はこの言葉を知らなかった。知らずにパスティーシュしてしまったのだ。鬼才野坂昭如をして「とんでもない小説」と言わしめた、とんでもないパスティーシュの作品の数々、じっくりとお楽しみを。(講談社文庫) 読者はパスティーシュという言葉を知っているか?これはフランス語で模倣作品という意味である。じつは作者清水義範はこの言葉を知らなかった。知らずにパスティーシュしてしまったのだ。鬼才野坂昭如をして「とんでもない小説」と言わしめた、とんでもないパスティーシュの作品の数々、じっくりとお楽しみを。
津吹淳一、19歳。花の1浪予備校生。10月ともなると、心臓がしめつけられるような気分だった。浪人仲間の吉沢や大道寺らは、それぞれ問題をかかえて動揺していた。淳一は、失恋の痛手から立ち直ったと思ったら、またしても女の子から手紙がきて大動揺!?さらに悪いことに、津吹家の両親が冷たい戦争を…。勉強ひと筋の浪人といえども、人生にはいろいろ問題がある。ガンバレ、津吹淳一!『学問ノススメ《挫折編》』に続き、爆笑とペーソスの青春まっただなか《奮闘編》!