著者 : 渕上痩平
リボルバーは彼を狙って確かに発砲された。しかし、それは空包の筈だった…。夜間公演の余興を一転して惨劇に変えた恐るべき罠。誰が、何故、どのように仕組んだのか。夫婦揃って演奏会場を訪れていたロデリック・アレン主任警部が不可解な事件に挑む。シリーズ長編第十五作を初邦訳!
屋敷に満ちる憎悪と悪意。ファラデー一族を次々と血祭りに上げる姿なき殺人鬼の正体とは…。“アルバート・キャンピオン”シリーズの長編第四作、原書刊行から92年の時を経て遂に完訳!
科学捜査と緻密なロジックで事件を解決。名探偵ソーンダイク博士。古典期から黄金時代まで活躍を続けた名探偵の軌跡を追う決定版全集。傑作揃いの短篇集『パズル・ロック』『魔法の小箱』を収録。
「あらゆる時代を通じて最も偉大な科学的探偵」ソーンダイク博士シリーズの全中短篇を新訳、初出誌等から貴重な挿絵・図版を収載した決定版全集。第二巻は、ソーンダイク博士の初登場作として執筆され、後に長篇に改稿された単行本未収録の中篇「ニュー・イン三十一番地」、イングランド南西端、ウルフ・ロック灯台周辺の海域を舞台にした倒叙物「死者の手」をはじめ、短篇集『大いなる肖像画の謎』(1918)から「パーシヴァル・ブランドの替え玉」他の2篇、さらにヒエログリフの印影に隠された謎を解く宝探し暗号小説「青いスカラベ」、証拠に付着した埃の顕微鏡検査から強盗殺人犯を追及する「ニュージャージー・スフィンクス」、干し草の焼け跡で発見された頭蓋骨の謎に挑む「火葬の積み薪」など、第一次大戦後に再開されたシリーズ7篇をまとめた短篇集『ソーンダイク博士の事件簿』(1923)を収録。付録エッセー「探偵小説の技法」、「『ソーンダイク博士の著名事件』まえがき」。
「あらゆる時代わ通じて最も偉大な科学的探偵」ソーンダイク博士シリーズの中短篇全42作品を完全新訳、初出誌等から貴重な挿絵・図版を収載した決定版全集。第一巻は、密室トリックで有名な「アルミニウムの短剣」など8篇を収めた記念すべき第一短篇集『ジョン・ソーンダイクの事件記録』(1909)と、「オスカー・ブロドスキー事件」をはじめとする、犯人視点で語られた犯行が探偵の捜査と推理により解明される過程を描く“倒叙”形式の発明で、ミステリ史に不滅の輝きを放つ『歌う骨』(1912)。里程標的短篇集リスト“クイーンの定員”にも選ばれた二冊を収録。付録エッセー「ソーンダイク博士をご紹介」。
助けを求める若い女性の叫び声に、帰宅途中の弁護士アンスティが駆けつけると、そこには男女が激しく組み合う姿が。男は逃走、脇腹を刺された女性を運び込んだ近くの邸では、主人が宝石コレクションの陳列室で殺害されていた。事件は単純な強盗殺人に思われたが、被害者の弟ローレンス卿は警察の捜査に納得せず、ソーンダイク博士の出馬を要請する。本格推理に冒険的要素を加えた黄金時代ミステリ。
深夜、電話の音でアリスンは目が覚めた。それは伯父フェリックスの急死を知らせる内線電話だった。死因は心臓発作とされたが、翌朝訪れた陸軍情報部の大佐は、伯父が軍のために戦地用暗号を開発していたと言う。その後、人里離れた山中のコテージで一人暮しを始めたアリスンの周囲で次々に怪しい出来事が…。暗号の謎とサスペンスが融合したマクロイ円熟期の傑作。
ある夜、自宅近くのたばこ屋でウィリングが見かけた男は、「私はベイジル・ウィリング博士だ」と名乗ると、タクシーで走り去った。驚いたウィリングは男の後を追ってパーティー開催中の家に乗り込むが、その目の前で殺人事件が…。被害者は死に際に「鳴く鳥がいなかった」という謎の言葉を残していた。発端の意外性と謎解きの興味、サスペンス横溢の本格ミステリ。
「ウィロウ・スプリングには行くな」匿名の電話の警告を無視して、フリーダは婚約者の実家へ向かったが、到着早々、何者かが彼女の部屋を荒らす事件が起きる。不穏な空気の中、隣人の上院議員邸で開かれたパーティーでついに殺人事件が…。検事局顧問の精神科医ウィリング博士は、一連の事件にはポルターガイストの行動の特徴が見られると指摘する。本格ミステリの巨匠マクロイの初期傑作。