著者 : 畔柳和代
不死の妖精たちが暮らすバージーの森に、ある日突然赤ん坊が迷いこんだ!クロースと名付けられたその子どもはすくすくと成長するが、人間たちの厳しい暮らしぶりを見て森を出ることを決意。子どもたちに夢を与えるため、玩具作りを始めたクロースだが、世界には人間に嫌がらせをする怪物が跋扈していて…。『オズの魔法使い』の作者が子どもたちのために書いたクリスマス・プレゼント。Star Classics名作新訳コレクション。
幸せな結婚を果たした級友ジュデ ィに、彼女の育った孤児院の運営を任されることになったサリー・マクブライド。何不自由ない家庭で育ったサリーにはとても抱えきれない重荷だが、ジュディや恋人の政治家、嘱託医にユーモアたっぷりの愚痴を手紙に書いて送るうち、少しずつ院長の責務に喜びを見出していくーー。『あしながおじさん』に勝るとも劣らない、愛と感動の結末が待つ名作。
十歳にして両親を亡くし、親戚に引きとられたメアリ。顔色も悪く愛想のない彼女を唯一楽しませたのは、隠されるように存在する庭園だった。世話役のマーサの弟で、大自然のなかで育ったディコンに導かれ、庭園と同様にその存在が隠されていたいとこのコリンとともに、メアリは庭の手入れを始めるのだがーー。三人の子どもに訪れた、美しい奇蹟を描く児童文学の永遠の名作を新訳。
暗い冬の日、ひとりの少女が父親と霧の立ちこめるロンドンの寄宿制女学校にたどり着いた。少女セーラは最愛の父親と離れることを悲しむが、校長のミス・ミンチンは裕福な子女の入学を手放しで喜ぶ。ある日、父親が全財産を失い亡くなったという知らせが入る。孤児となったセーラは、召使いとしてこき使われるようになるが…。苦境に負けない少女を描く永遠の名作、待望の新訳!
人類がいなくなった海辺で、スノーマンは夢うつつを漂っている。思い出すのは、文明があったころの社会。スノーマンがまだジミーという名前だった少年時代。高校でめぐりあった親友クレイクとかわした会話。最愛の人オリクスとのひとときー。誰がこんな世界を望んでいたのだろうか。そして、自分はなにをしてしまったのだろうか。カナダを代表する作家マーガレット・アトウットが透徹した視点で描き出す、ありうるかもしれない未来の物語。
獣が女に変わり、女が獣になっていく。奥さまはカミツキガメに変身し、美女に変身中の忠犬は、オペラスターになる夢を抱いて家を出るー奇想の女王が描く、愛と不可思議に満ちた現代のピカレスク変身譚。
ラブ・ストーリーを読みながら西洋思想のおさらいができる、すこぶるユニークな小説。恋人との出会いから別れまでさまざまな愛の局面を、プラトン、モンテーニュ、ニーチェなど「知の定番」と戯れつつ考察する俊英の処女作。
大学紛争後の荒廃したキャンパスで、英文学科教授ケイト・ファンスラーと地方検事補リード・アマーストの婚約披露パーティーが開かれた。その席上、社会人学部の廃止を強硬に主張していたカドリップ教授が倒れ、エレベータの不可解な事故も手伝って教授は息をひきとった。だが、調査がすすむにつれて、「事故」は次第に殺人の様相を帯びてくる。そして、あらゆる証拠があからさまにケイトの方を指さしている…。プロフェッサー探偵ケイトの人気を決定づけた魅力編。