著者 : 白倉由美
夜明けと白と屍の病夜明けと白と屍の病
その感染症に罹患した者は、身体全体が白くなる。肌も髪も睫毛も、瞳孔さえも。そしてアンデッド(「死なない身体」)に変化するー何処に行けば君を見失わずにいられるのだろう?逃れられない罪を償うにはどうしたらいいのだろう?マジックリアリズムのように絡み合った世界を歩むための物語。
僕らの惜春僕らの惜春
80年代ー僕も時代も思春期だった。アメリカとソビエトは冷戦状態にあり、ドイツには壁があった。僕も時代も緊張していたし、成熟には程遠かった。そんな時に出逢ったのが、君だった。君から教えてもらったのは、僕になにが欠けているのかということだった。君が求めているものをさしだすために、僕がなにをすべきか、僕はようやく考えることができたんだ。その時、世界が僕をふりむいた。青い春が散り、僕は君の手をとって歩きはじめる。遠い記憶をたどりながら語られる、昨日みた夢のような甘く切ない恋愛小説。
夏の教室夏の教室
僕達に、生まれてからの記憶はない。左眼のバーコード、ドッグタグ、十六歳。それだけが、僕のアイデンティティ。何をしても自由、モノに溢れたこの街では十七歳になると、みんな消えてしまう。一花の十七歳のバースデイまで、あと一週間。壁に囲まれた永遠に真夏のこの世界から、僕は彼女を連れて逃げられるのだろうか。“十七歳の儀式”を通じて描かれる、美しくも残酷な思春期の寓話。「教室」シリーズ、待望の完全版。
PREV1NEXT