著者 : 白川紺子
成都(せいと)随一の高級旅館、張家楼(ちょうかろう)。 主人は成都屈指の豪商、張家の末息子・エン(※)圭(えんけい)である。 すこぶる病弱なエン圭は、23歳になる今まで幾度となく生死の境をさまよった。 風が吹いては寝込み、雨が降っては寝込む。とにかく体が弱いのである。 ある日、久しぶりに体調がよく市をそぞろ歩いていると、 売卜者(占い師)のような男から突然声をかけられる。 いわく、エン圭は幽鬼、妖魅のたぐいを引き寄せる体質で、そのために不調が出るのだと。 半信半疑のエン圭だが、彼にお祓いをしてもらうと、確かに調子がいい。 それを知ったエン圭の父親は、どういうわけか、売卜者の娘を嫁にもらえと言いだした! 戸惑うエン圭をよそに結婚話は進み、いよいよ娘はやってきた。 ーーそう、色とりどりに輝く雲に乗り、空の上から。 天女とみまがう美しい少女はエン圭に歩みよると、 「人間の花婿なんて今時、流行らないわ」と言い放つ。 どうやら彼女は「人」ではないらしい……。 果たしてこの夫婦、一体どうなる!? ※王へんに宛
ついに完結! 大ヒット『後宮の烏』シリーズ、『下鴨アンティーク』シリーズの著者がおくる 「家」が語るご近所事件簿、第5巻。 <椿屋敷>と呼ばれる一軒家に住む香澄(かすみ)と柊一(しゅういち)は、ワケあって結婚した"偽夫婦"であるーーとはいうものの。 香澄が柊一への気持ちを自覚したことで、ついに……。もちろん柊一も、ずいぶん前から香澄のことを憎からず想っているのだ。 町の相談役である柊一のもとには今日も今日とて客人が絶えない。 松江の紅白椿、七変化椿、もうひとつの椿屋敷……!? 三者三様の夫婦のあり方にふれ、ふたりも"二人の"関係を見つめなおしーー。 第一話 二匹のねずみ 第二話 神さまの花 第三話 椿屋敷の若夫婦 すみれ荘にてー真昼の星ー すみれ荘にてー廣田くんの受難ー すみれ荘にてー三人寄ればー 小春日和 仲良し夫婦に訪れる、じんわり染みる……大団円!
『後宮の烏』の著者が描く和風アリスファンタジー! 「早くわたしを見つけて」 禁忌の庭に住む少女と、優しすぎる探偵が解く、切ない秘密。 「庭には誰も立ち入らないこと」--光一の亡父が遺した言葉だ。 広大な大名庭園『望城園』を敷地内に持つ、江戸時代に藩主の別邸として使われた三日月邸。光一はそこで探偵事務所を開業した。 ある日、事務所を訪れた不思議な少女・咲は『半分この約束』の謎を解いてほしいと依頼する。彼女に連れられ庭に踏み入った光一は、植物の名を冠した人々と、存在するはずのない城を見る。
「梟」が残した羽根に、自らの行く末を重ねる寿雪。 先代の戒めに反し夜明宮は孤独から遠ざかるも、寿雪自身は真に虚しさから逃れることが出来ずにいた。 烏妃の元には、今宵も訪問者が絶えない。泊鶴宮での怪異は、やがて烏漣娘娘への信仰を脅かす『八真教』へと通じて……? 他方、高峻は烏妃を「烏」から解放する一筋の光明を見出し、半信半疑ながらも寿雪と共にあることを決めた。 それぞれの過去が少しずつ明らかになり、真実はなおも遠いーー。それでも確かに進んでいく、たとえ禁忌に触れることになろうとも……。 真の‟救い"は光であり、葛藤……。 数多の謎が繋がり、導く……歴史が再び動き出すーー シリーズ累計30万部突破!! 圧倒的中華幻想譚、第三弾。
“椿屋敷”と呼ばれる一軒家に住む香澄と柊一は、ワケあって結婚した、仲良しだけど“偽夫婦”だ。しかし最近ますます、偽とも言い切れない感情が育まれているような。町の相談役である柊一のもとには今日も今日とて客人が絶えない。夕立のたび夏椿をもらいに現れる老婦人。柊一、担当編集・二本松、晶紀、男三人の一夜…。緑深まる夏の椿屋敷が見守る、第4巻。
圧倒的中華幻想譚、衝撃のシリーズ第2巻! 後宮の奥深く、妃でありながら夜伽をすることのない、 「烏妃」(うひ)と呼ばれる特別な妃が住んでいる。 漆黒の殿舎のなかでひっそりと暮らし、外に出てくることはめったにない。 彼女は不思議な術を使い、憎い相手の呪殺から招魂、祈祷、失せ物さがしまで、 なんでも引き受けてくれるともっぱらな噂だった。 後宮で生きながら、けして帝のお渡りのない妃。 そして、けして帝の前でひざまずくことのない妃。 ーーそれが烏妃だった。 しかし、それが意味するところを知る者は、ほとんどいない。 当代の烏妃として生きる寿雪は、先代の言いつけに背き、 侍女を傍に置いたことに深く戸惑っていた。 烏妃とは、なにも望まず、ひとを遠ざけ、ただひとりでいるものだからだ。 そんな彼女のもとに、今夜も「頼み事」のために訪ねてくる人がいる。 ある少年宦官は、自分と同じ年頃の宦官の幽鬼が現れるという。 入水して死んだ、かつて仕えていた妃の幽鬼を弔ってほしいと老宮女はいう。 古い布作面には男の幽鬼が取り憑いている、という気味の悪い話もある。 そしてある夜、後宮で起きた凄惨な事件は、 寿雪が知る由もなかった驚愕の真実をもたらすことになる、がーー。 烏妃をしばる烏漣娘娘(うれんにゃんにゃん)とは何か? 烏漣娘娘がおそれる「梟」(ふくろう)とは一体誰なのか? 烏妃の孤独と運命を知ることとなった皇帝・高峻はーー。
〈椿屋敷〉と呼ばれる古屋敷に住む香澄と柊一は、ワケありの“偽装夫婦"。が、偽装とは言い切れない感情が生まれつつある。そんな折、香澄の元・許婚の晶紀が、椿屋敷の裏のアパートに引っ越してきて……?
求愛の返事が聞けないまま婚約者を亡くしたと語る老人に出会った幸。「香水瓶を返して」と言う女性が訪れた日から、身辺に彼女の幻影を見るようになった春野。全6編収録。シリーズ最終巻。
後宮の奥深く、夜伽をしない「烏妃」と呼ばれる特別な妃が住んでいる。不思議な術を使うという烏妃のもとを、皇帝・高峻が訪れる。翡翠の耳飾りに取り憑いた女の幽霊の正体を知りたいというが……。
祖母から“いわくつき"の着物の管理を引き継いだ鹿乃。まだ出していない蔵の着物も残り一枚に。ついに付き合い始めた鹿乃と慧、喪失感を覚える良鷹、三人の未来は? 大ヒットシリーズ、クライマックス!
“椿屋敷"に住む19歳の香澄と、若隠居と呼ばれる柊一は仲のよい夫婦。だが実はワケあって結婚した「偽装夫婦」でもある。そんな椿屋敷で嫁姑問題勃発、か……!? ふんわりご近所事件簿、第2巻。
慧に告白後、関係がぎくしゃくしてしまっている鹿乃。そんな折、知人に若い男性を紹介される。佐伯稜一と名乗る彼は、実は蔵の着物の関係者で、大伯母の椿柄の振袖について訊きたいというが…?
〈椿屋敷〉で若くして隠居暮らしする柊一と妻の香澄。実はふたりは利害の一致から結婚した偽装夫婦。柊一のもとには、近所からさまざまな相談が持ち込まれるが…「家」が語る、わけありな人々の物語。
知人の女性を捜して、男性が野々宮家を訪ねてきた。彼女の祖母が、鹿乃の祖母に着物を預けていたらしい。蔵からその着物を取り出すと、鮮やかな赤い糸が描かれていたが、一瞬でその糸は切れてしまい……?
ある日、喫茶店店主の満寿から両親の話を聞かされた鹿乃。雷柄の帯を手掛かりに、亡くなった両親の馴れ初めをたどることに。また蔵から出した菊柄の着物は、慧の父親に関係が…? 過去が明かされる第4巻。
老舗ホテルの一人娘として生まれた「眠り姫」は、経営不振の実家を救うためにお見合いをすることに。「ヘンゼルとグレーテル」は廃屋から届くケーキの注文に戸惑っていた。自分こそが学年一の美少女だと思っている「白雪姫」は、同じくらい美しい無愛想な少女の存在が気になっていて…。誰もが知る“グリム童話”を大胆にアレンジ!人気作家の作品、全六編を収録。
高校生の鹿乃は、蔵にある“いわくつき"の着物や帯の管理を亡き祖母から引き継いだ。ある日、祖母が懇意にしていた骨董店の店主から、祖母が祖父に宛てて書いた「恋文」の存在を知らされて!? 第3弾。
京都、下鴨。高校生の鹿乃は、ぐうたらな兄と近くの大学で准教授をしている下宿人の慧と三人暮らし。亡き祖母からアンティーク着物を譲り受け、同時に蔵にある“いわくつき”の着物の管理も引き継ぐが…?
京都、下鴨。高校生の鹿乃は、両親を亡くし、今は兄と下宿人の慧と三人で、古びた洋館に住んでいる。ある日、鹿乃は「開けてはいけない」と言われていた蔵を開けてしまう。次々に不思議なことが起き…!?