著者 : 相場英雄
ハイブリッドカーは、本当にエコカーなのか?日本の家電メーカーは、なぜ凋落したのか?メモ魔の窓際刑事、再臨場!警察小説史上、最も最酷で哀しい殺人動機。ガラパゴス化した日本社会の矛盾を暴露する、危険極まりないミステリー。
古い団地の一室で、自殺に偽装して殺害された心優しき青年。彼は、遠く故郷を離れ、日本中を転々とする派遣労働者だった。『世界でいちばん企業が活躍しやすい国』とは、『世界でいちばん労働者がこき使われる国』である。平成版『蟹工船』!
会社の思惑で依願退職を余儀なくされた男は、オンラインゲームの電子マネーに目をつけ、一攫千金を狙う。キャスターを目指すフリーの女子アナは、企業ポイントを取材、特ダネを探す。“偽金フェイクマネー”を追いかけるふたりの陰で、現代ヤクザが暗躍。巨額マネーをめぐる、拉致・脅迫から国際紛争まで事件は広がり、怒涛の結末へー。渾身の極上エンタメ小説!
警視庁捜査二課から所轄に異動した西澤は、書店で万引きをした老婦人を取調べた。身なりもよく教養溢れる彼女は、なぜ万引きをしたのか。そこには、深い事情があった…。大震災と原発事故。そして、「福島にはカネが埋まっている」と嘯く詐欺師が仕掛ける被災地支援詐欺ー。最も卑劣だと言っていい犯罪を、心熱き警察官が暴く社会派長編警察小説。
警視庁捜査二課。殺人などの凶悪事件を担当する捜査一課とは違い、横領や詐欺といった狡猾な知能犯と対峙する。その二課に所轄署から配属された西澤警部補は、独特の捜査方法や同僚をライバル視する捜査員に戸惑いながらも眼前の犯罪に立ち向かっていく。人はどんな時に人を騙し、裏切り、真実を隠蔽するのか。細かく作り上げられた事件と、人間の奥深い心理を圧倒的なリアリティーで描くこれまでにない警察小説。待望の文庫化!
捜査実績で同期に水をあけられた警視庁捜査二課の西澤は、所属する第三知能犯捜査係に伝わる“伝統的捜査手法”で犯人に迫る。証拠を固め、逮捕状を上司に求めるが、上司は「まだだ」と冷静に告げる。立件に自信を持っている西澤は再度詰め寄るが、答えは変わらない。理由を尋ねる西澤に、やがて上司は一枚の紙を机に置く(「土管」)。誰よりも狡猾で悪事に長けた知能犯を追いつめる刑事たちを描き、時に恐れを、時に情を誘う濃厚な四編を収録。
元刑事が絞殺された。警視庁捜査一課の兎沢は、国家を揺るがす大事件の真相に元刑事が辿りついていたという糸口を掴むも邪魔が入る。立ちはだかったのは公安部の志水。兎沢に捜査のイロハを叩き込んだ所轄時代の先輩だった。事件の解決を泣ぐ刑事部と隠蔽を目論む公安部の争いが激化。組織の非情な論理が二人の絆を引き裂く…。胸打つ警察小説!
朝鮮戦争当時、十五歳だったイ・スーフンは北の故郷に父母と妹弟を残してひとり韓国へ逃れた。六十年後、スーフンは世界的な電子企業を率いる経済界の実力者となり、拉致問題で日本銀行を追われた大田原に接触する。一方、北の暗殺マシン、リ・ソンスが日本に潜入していた。スーフンは北の体制を内側から崩壊させるミッションの実行を命じた。
ビジネス界の一匹狼たちが情報を武器に、ある者は不審な死を遂げた友の復讐を果たし、ある者は巨大企業の策謀を暴く。リーマン・ショック後、日本経済の隠された実情を描く筆致は衝撃的でわかりやすい。本作は著者のデビュー作『デフォルト 債務不履行』の続篇であると同時に、ビジネス界を舞台にした、これまでにない武侠小説の短篇集である。
岩手県雫石高原を目指していた大手進学塾・首都圏ゼミナールの強化合宿バスがハイジャックされた。人質は、難関中学合格を目指す小学五年生三十名。犯人は身代金十億円を要求する。車内には停職中の警視庁捜査二課管理官、田名部昭治も同乗していた。大和新聞東北総局遊軍記者宮沢賢一郎は、犯人グループが金融取引の専門知識を悪用して身代金奪取を企てていることに気づく。警視庁捜査一課特殊犯捜査係(SIT)をも翻弄する身代金受け渡しスキームを宮沢と田名部は阻止することができるのか。バスは東北自動車道を北上、タイムリミットが刻一刻と迫る。
東京・新宿中央公園で地場スーパーの会長・草野重二が他殺死体となって発見された。手がかりは、現場に残された「8」と思われるサインのみ。一方、大和新聞東北総局遊軍記者の宮沢賢一郎は、青森への出向を命じられる。直後、五所川原市内のパネル工場で殺人事件が発生。宮沢は東京の草野重二殺害事件と五所川原の事件が、「津軽のスローハンド」と呼ばれた津軽三味線伝説の名手・佐藤流海により繋がっていることに気づく。警察の捜査力を上回るほどの取材力を持つ新聞記者の活躍を描く「みちのく麺食い記者・宮沢賢一郎」シリーズ第三弾。
福島県会津地方の田子倉ダム湖畔で、大手ゼネコン鹿田建設の副社長・薗田幸四郎が他殺死体となって発見された。大和新聞会津若松支局に出向中の宮沢賢一郎は、薗田が疲弊する地方ゼネコンの実態を見かね業界の構造改革に着手、守旧派と対立していたことを知る。薗田の事件が解決せぬまま、さらに鹿田建設の経営企画部長・保科護が姿を消した。保科の先祖はかつて会津を治めた名奉行だという。宮沢は、誇り高い会津人の気質と事件が関連していることに気づき調査に乗り出す。歌謡曲と麺を愛する地方記者の活躍を描く新・旅情ミステリー。