著者 : 石川智健
この世は地獄だ。だが、このマンションで未来を変えてやる。老朽化により修繕不能となったタワーマンション、通称・トウキョウマンション。かつての高級マンションも、資産価値が大暴落を続け、空室も目立ち始める。その果てに不法滞在の外国人や犯罪者など、いわくつきの人間が住みついて“治外法権”と化した。日本の暴力団や中国マフィア、警察をも巻き込んだ不可解な事件が連続する中、懸命に秩序を守ろうとする管理人たち。その真の目的とは?貧困、格差、暴力から身を守るために、この物語がミニマルな新しい秩序を創り出す。
覚醒剤密輸現場で逮捕された暴力団員・雨夜。“いい刑事”にしか話さないと黙秘していたが、警視庁捜査一課の見栄っ張りな刑事・滝田に会ったとたん、自供を始める。そして雨夜は、覚醒剤密輸で逃亡した人間に加え、品川で起こった暴力団幹部殺害の犯人を教えるという闇の“司法取引”で不起訴にしろと持ちかけてきた。彼が明かした殺人犯に戸惑う滝田。しかし、それは迷走する捜査の始まりに過ぎなかった…。
警視庁捜査一課の青山陽介は、不可解な殺人事件の捜査で関わるようになった検事の稲城に、ある刑事失踪の調査を命じられる。向かったのは、事故死や病死と判断された人物の関係者の失踪が連続する武蔵野東署。美しき検案医・夏目塔子が関係するのか。そして稲城も失踪し、謎は深まっていく。青山は、同級生の“不安椅子探偵”小鳥冬馬に助けを求め、それらの背後にある大きな力の存在を知るー。新進気鋭作家が放つ、新感覚“警察ミステリー”!
東京都、二子玉川。高校生の十屋龍之介は、父の遺した蔵書が高く売れたことがきっかけで、古書を見極め売買する「セドリ」になる。ある日、多摩川沿いの古書店を訪ねた彼は、洋服に羽織姿の店主・朝香裕也から万引きを疑われる。朝香の店は開店休業中だが、大切な本が盗まれたらしい。それは朝香が作製した「贋作本」。捜し出したら好きな本をやる、と言われ、龍之介は本捜しを手伝うことに…。新感覚ビブリオ・ミステリ!
警視庁を定年退職後、「誤判対策室」-刑事、検事、弁護士からなる冤罪調査組織ーに再雇用された有馬英治あてに一本の電話が入る。台東区三ノ輪で殺人を犯し、自首してきた紺野真司が証言を一変。容疑を否認し、有馬にしか真実を話さないと主張しているという。勾留中の紺野と対面した有馬は、ひとつのゲームを持ちかけられる。「私の犯罪を証明し、起訴できなければ、あなたの娘を殺害します」動揺を隠せない有馬だったが、悲劇へのカウントダウンはすでに始まっていたー。
警察組織を監視するはずの監察官がコンパニオンを揚げての不祥事を起こす。警察トップは対策に、アメリカ諜報企業・リスクヘッジ社を、組織全体を監視する第三者機関として採用。警察内部の不正を先に発見するのは!諜報企業vs.監察官のバトルー単行本『もみ消しはスピーティーに』改題のニューウェーブ警察小説!
老刑事・有馬は、刑事と弁護士、検察官の3名から成る「誤判対策室」に配属された。無罪を訴える死刑囚を再調査する新組織だ。半年後、有馬は小料理屋の客が殺人を仄めかしていたという情報を入手。該当する3人殺害事件の冤罪を疑い動き出す。自身が関わった冤罪事件への贖罪の気持ちから…。傑作法廷ミステリー!
「ため息に溺れてしまいました」。立川市の蔵元医院で養子である蔵元指月の遺体が発見された。遺書の存在から警察は自殺と判断。だが女刑事・羽木薫の捜査で見えてきたのは、蔵元家の持つ権力や莫大な財産をめぐる闇。そして指月が胸に秘めた悲しい過去の記憶だった。誰からも愛された医師の死に隠された、驚愕の真実とはー。文庫書き下ろし。
あるとき起こった夫婦間の殺人事件。妻の浪費癖や浮気が原因と思われた。事件は一応の終焉を迎えたかに見えたが、行方不明事件が発生し、さらには連続頭部遺棄事件という深い闇が…。幼児誘拐犯+頭部遺棄殺人犯VS.刑事×憂鬱な引きこもり青年。甘美な罠、許されざる復讐。そして迎える慟哭のラスト!新感覚ミステリー、ここに誕生!史上最弱、不安椅子探偵あらわる!
大手製薬会社の食堂で、自社の人体実験を告発する文書が見つかった。慌てるコンプライアンス課をよそに、研究員が自宅で怪死。事件性が疑われるも、研究員はアレルギー発作によるショック死と断定される。猫背のスイーツ男子、経済学捜査員・伏見が、殺人の「効用」を分析して犯罪動機と真相に迫る人気シリーズ!
奥西建設の会社員・飯田功の死体が、自宅マンション近くの崖下から発見された。現場に遺書が残されていたことから警察は自殺と判断、捜査を終える。働き盛りの男が、家族を残して突然自殺するはずがないー。経済学の理論で難事件を解決してきた異色の警視庁捜査員・伏見真守は疑問を覚え、人事交流で来日していた中国公安部のエリート捜査官・王花琳とともに再捜査に乗り出す。しかし、捜査二課の城山や東京地検特捜部の神津も不穏な動きを見せはじめ…。捜査の中で浮上する談合疑惑、建築偽装、裏金問題。建設業界の黒い裏側を目の当たりにしつつ、伏見が暴き出した驚愕の真実とは?ニューウェーブ警察ミステリー。
「犯罪だって一般の消費者選択理論と同じ」連続殺人事件の特捜本部に乗り込んだ行動経済学者の捜査に、誰もがあっけに取られた。被害女性たちの自宅から足跡や血痕が発見されたのに、解決の糸口すら見つからない難事件の容疑者を、経済学で独自に割り出したというのだ。まったく新しい知的警察小説の快作!
老刑事・有馬と、女性検事・春名、若手弁護士・世良の三名は、国の政策で創設された「誤判対策室」に配属された。無罪を訴える死刑囚を再調査し、冤罪の可能性を探る組織だ。配属から半年後、有馬は小料理屋の女将から、二人組の客が殺人の犯行を仄めかしていたことを聞く。冤罪事件を有馬は疑い、母親とその子供二人を殺害した罪で、古内博文という男の死刑が確定していることを突き止める。誤判対策室は調査を開始するが、古内の死刑執行が迫る!
「僕は、勝ち逃げは100%許しません」製薬会社研究員の死。警察は事故とみなしたが、経済学捜査員は不審に思ったー。ニューウェーブ警察ミステリー。
頻発する不祥事に対応するため警察トップが採用したのは、アメリカから来た第三者機関「リスクヘッジ社」だった。何が正義で何が悪なのかーリ社vs.監察のバトル・エンタテインメント!