著者 : 福澤徹三
選考委員が選りすぐった800字で綴られた実話/創作怪談作品の数々。ビーケーワン怪談大賞からてのひら怪談大賞へ。募集の場が移るなか、見事入賞を勝ち取った作品73篇を収録。短いからこそ才気あふれる、短いからこそ個性豊かな怪談競作集。巻末対談では綿矢りさと東雅夫が徹底解説!
広告代理店の冴えない営業マン・狛江が単身赴任したのは、リストラ対象の北九州支店。思わぬトラブルでヤクザに絡まれ、大借金のうえ身売りの大ピンチに。鉄拳の雨と禁断のレバ刺し、爆弾を抱えたダイ・ハードな日常。生き地獄に陥った男のI(=自分)ターンとは!?血圧急上昇、リーマン・ノワールの傑作。
初詣の夜に妻を見失った男。帰ってきた妻は、以前とはなにかがちがっていた。老人の語りが戦慄を呼ぶ「鬼がくる家」。女子大生の“あたし”は真夏の山中で、われにかえった。見知らぬ車に見おぼえのない服。失われた記憶を求めて恐るべき真相にたどり着く「迷える羊」。平凡なOLが引っ越したマンションには、得体のしれない誰かが住んでいた。女の情念と狂気を描く「九月の視線」。四季を舞台に織りなす12篇の恐怖。
皮を剥ぎ、肉を削り、骨を砕く。独自の倫理観で悪人たちに残虐な拷問を加える連続殺人鬼、玄田道生。そして霊能力を持った女子高生、神山美咲。ふたりの魂が交錯するとき、恐るべき惨劇の幕があがるー。怪しい新任教師の目的は?謎の霊能者、樹坂麿宮の正体は?絶対絶命の窮地に陥った同級生たちを、美咲は救出できるのか!すべての謎が解き明かされる、ジェットコースター・ホラー、最恐のシリーズ完結編。
ツケを払わん奴は盗人や。ばんばん追い込みかけんかい! 社長が吠えたその日から、バーの名ばかりチーフのおれの災難は始まった。北九州のネオン街に生きる男達の疾走する生き様を描く異色の青春物語!
ひょんなことからやくざ事務所に出入りすることになった亮。時代に取り残され、生きる道を失っていく昔ながらの組の運命を、人生からドロップアウトしかけた青年の目を通して描く、瑞々しい青春極道小説。
ひきこもりの息子とその父親、認知症の妻の介護に疲れた夫、日常の虚しさにとりつかれた主婦、痴漢容疑を受けたサラリーマン、際限なきいじめに悩む中学生…。図らずも人生の陥穽に落ちた人々は、「死」の深淵に臨むが…!?生き抜くための出口を見失った人々の選ぶ道は…?鬼才が放つ、異色のサスペンス。現代社会のひずみを映し出す、珠玉の短編集。