著者 : 童門冬二
自立する現代女性のルーツを、幕末、維新を果敢に生きた女性に見た!幕末、維新時代を動かした男を支え、ひたむきに生きた女たち。坂本龍馬を愛した寺田屋お登勢、お龍、桂小五郎を支えた磯松…、女たちの愛と勇気が、男たちを歴史に残した。
元禄の好景気に浮かれた経済から低成長経済へ、時代の転換を直視し、さまざまな政策や組織の活性化と改革の先例を打ち立て、つぎつぎに成功させていった幕府中興の名将軍吉宗の、目前の困難に果敢に立ち向い、「心の赤字」の克服と、「日本の心」を取り戻していった姿を描く。
石田三成は秀吉の政治・経済・外交政策の忠実な継承者であり、また豊臣政権の文治派官僚のトップとして、政策立案、遂行に存分の偉才を発揮した。秀吉が目ざした国際化、重農主義と合わせて重商主義、それを実現するために経営感覚・経済感覚のすぐれた武士の登用など…それらの条件を満たした近江出身の石田三成を著者独自の視点で描いた渾身の書き下ろし長編。
“愛”の一文字を兜の前立に掲げ、戦場を疾駆した男・直江兼続。知略の限りを尽くし、主君景勝を補佐して乱世を生きぬき、のちの上杉鷹山に引き継がれる領国経営のもとをつくった戦国随一の知謀と信念の男の生涯を描く。
東西呼応して家康を撃つ。関ケ原合戦における石田三成との密謀の裏には、直江山城守兼続の大いなる賭けがあった。処世にあけくれる上方政権を見限り、東北に独自の「王国」を築こうとした名将兼続の壮大な構想とロマン…。新しい視点で描き出された時代小説の傑作。
灰の国はいかにして甦ったか。九州高鍋の小藩から養子に入り、十七歳で名門上杉家の藩主の座についた治憲は、自滅か藩政返上かの瀬戸際にある米沢十五万石を再建すべく、冷メシ派を登用し改革に乗り出す。藩主や藩のために領民がいるのではない、との考えのもとに人びとの心に希望の火種をうえつけてゆく…。
重役の反乱を克服し、家臣や領民一人ひとりの共感をかちとりながら、地域と人を活性化してゆく鷹山の経営手腕とリーダーシップのすべて。“最も尊敬する日本人はウエスギ・ヨウザン”と、かつてケネディ大統領が語ったように、「愛と信頼の政治」を貫いた鷹山の不撓不屈、信念の生涯を描く。
文久三年十月、奇兵隊総管(隊長)に長州藩士・赤根武人が就任した。彼には密かな野望があった。百姓や町人すら兵にする奇兵隊の実力中心主義を押し進め、“だれもが同じ地位に横に並ぶ”組織を実現しようというのである。しかし、理想に向けて武人が邁進するにつれ、隊の創設者・高杉晋作との溝が深まり、連合艦隊砲撃の日、決定的な対立を迎えた…。