著者 : 竹内要江
1965年、幼いフラニーの洗礼式で彼女の母と警察官の男が恋に落ちたことから、二つの家族は一つになった。二人の母と二人の父、そして六人の子供たちは、それぞれの葛藤を抱えながらも関係を築いてゆく。時に揺らぎ、傷つけあいながらも深く結びつく家族の物語
母親と再婚相手がわかってくれないと嘆く夢見がちな男の子、新婚の妻の理解不能な一面を知ってしまった夫、悩みをまったく分かち合えない恋人たち。不器用な人々が抱くさみしさを、温かな眼差しと幻想的な表現で描く、イギリス文学界の新星による傑作短篇集!
夫が消えた。妻のハンナに残されたのは「彼女を守って」と書かれたメモと、夫の連れ子ベイリー。そしてベイリー宛ての大金が入った鞄。のちに夫が働くテック企業に巨額の詐欺の疑いがかかり、ハンナは失踪の謎に迫るーー全米200万部のベストセラーサスペンス。
アメリカ南部に来たばかりのジェーンのさえない日々は、裕福でハンサムなエディ・ロチェスターとの出会いで一変する。だが、エディと惹かれあうにつれ、彼の亡くなった妻ビーの影がちらつき始める。エディの屋敷には、ビーにまつわるある秘密が隠されていた。
オピオイド危機に揺れる街ケンジントンで起きた女性の連続殺人事件。パトロール警官ミカエラは、ここひと月ほど行方不明の妹ケイシーが次の被害者になるのではと心配し、捜査に乗り出す。かつて仲の良い姉妹だった二人は警官と娼婦として袂を分かっていた……
「心に神様がいる」少女が紡ぐ壮大な物語! 父親を交通事故で亡くした15歳の少女テイラー。その死はスキャンダラスに報じられ、母親は精神バランスを崩してしまう。心に壁を作ったテイラーは母と二人で孤独に暮らしていたが、ある日強盗に襲われ危篤状態に。病室に現れた精霊ジョイに導かれ、彼女は二つの人生を生きどちらかを選択することを迫られる。ひとつは意識を戻し後遺症を抱えて生きる人生。もうひとつは別人に転生し地球最後の日を見届ける人生。それぞれの人生で様々な出会いと学びを得たテイラーの選択とは?そして父の死の真実とは? 生命と宇宙、神と人間、愛と孤独……審査員に「心に神様のいる人」と言わしめた、「12歳の文学賞」大賞受賞者。恐るべき16歳が紡ぐ、「文学」の枠を遙かに超え、読む者の魂を激しく揺さぶる壮大な物語。 【編集担当からのおすすめ情報】 「きらめくほどに美しい文章」 「完成度の高さ、この年齢とは思えない博識と成熟」 「言葉の豊かさ、表現の鋭さ、ものごとを見る力…どれも12歳のレベルを超えている」 「心の中に神様のいる人」 これらは、著者が第8回「12歳の文学賞」大賞、翌年に優秀賞を受賞した際に、審査員が彼女の応募作に対して評した言葉の数々です。 本作『アップルと月の光とテイラーの選択』は、16歳になった中濱ひびきのデビュー作です。幼少期をイギリスで過ごし、英語を得意とする彼女は、原稿も英語で執筆。本作は、約2年をかけて書き下ろしました。受賞時よりも一層研ぎ澄まされた感性と表現力、そして何より16歳とは思えない壮大な世界観を、ぜひ感じて頂きたいと思います。