著者 : 竹本健治
土砂降りの雨のなかで、湯河原の温泉旅館街で、起きた交通事故。そして、新たに郊外で起きた事故では、車に轢かれた被害者が、煙のように消えてしまった!?楢津木刑事、IQ208の天才棋士牧場智久も登場!!名作『涙香迷宮』の流れを汲む、幻惑のサスペンス・ミステリ!
長編マンガの描き下ろしの依頼を受け、竹本は古びた洋館“玲瓏館”の一室を借りて作業を開始した。怪しげな使用人たち、アシスタント陣、館に集まった錚々たるミステリ作家・評論家・編集者たちの面前で、突然『モルグ街の殺人』見立ての殺人事件が発生する。一同は早速推理合戦を開始するがー傑作実名推理小説。
古色蒼然たる洋館で名作ミステリ見立て殺人発生!真相に辿り着けないままに第二の見立て殺人が起こってしまう。ミステリ作家たちは果たして犯人をつきとめ、新たな凶行を阻止できるのか!?重層する暗合、舞い踊るペダントリー、知的興奮の極。鬼才による作家実名シリーズファン待望の完結篇ついに文庫化!
師具町の巣羽根邸を訪れた天才棋士、牧場智久と姉の典子。2人が邸宅に到着すると同時に、拳銃自殺と思われる巣羽根の死体が発見される。その時屋敷には、2人の食客が居合わせ、密室状態の部屋のテーブルにはチェス盤と駒が残されていた…「チェス殺人事件」。4に纏わる数式ゲームに魅せられた少年達を描いた表題作、『パーミリオン』の「ネコ」や「佐伯千尋」、「トリック芸者」などのマスターピースが凝縮の短篇集。
京都大学ミステリ研究室から始まった、推理小説マニア垂涎の蒐集本上に大便が置かれるという“うんこ事件”の謎。実名で登場するのは綾辻行人、笠井潔、法月綸太郎、麻耶雄嵩etc.並行して語られる麻生家連続殺人事件というミステリ。混迷する眩暈と戦慄の物語。これは「新本格ミステリ」シーンの二次創作なのか!?
本の上に“排泄物”を残していく“うんこ事件”が、山口雅也、新保博久、笠井潔らの家で次々と発生する。法月、綾辻、麻耶、有名作家が物語中に突如原稿を混入し謎は深まる一方。竹本の周辺に頻繁に現れる杉田朋江は何者なのか?交錯する麻生邸ミステリその行方は?世界は擾乱され朦朧胡乱の淵に転落する。
竹本健治の連載ミステリに、ひそかに忍び込む残虐非道な殺人鬼の手記。連載が回を重ねるにつれ、虚構と現実は、妖しくも過激に昏迷の度を深める。竹本健治、綾辻行人、友成純一、新保博久、島田荘司…。ミステリ界を彩る豪華キャストが実名で登場、迷宮譚に花を添える。『匣の中の失楽』と並び賞される傑作。
竹本が創作したはずの登場人物は現実世界に存在していた!竹本のファンを名乗る少女の正体は?綾辻たちの身辺に現れる黒ずくめの男は?もはや小説は作者の手を離れ、カオスの世界へと落ち込んでいく。そらに現実の竹本のまわりでも次々と事件が起き始めていた。そして妻が消え、また新たな殺人が…。
彼女の自殺に妻は関与していたのか、それともー。濃密な親子関係から生じた歪みを描いた「氷雨降る林には」。死人のように青ざめた顔をしたその歴史のある街は、その日、死装束のような濃い霧に包まれていたー「閉じ箱」。死んだ母親と名付親の作家。献本に記された宛名に秘められた真実とは?「美樹、自らを捜したまえ」等。著者初の短篇から異色作まで独特のレトリックで集成された傑作ホラー・ミステリー短篇集。
囲碁界では有名な老舗旅館で発生した怪死事件。IQ208の天才囲碁棋士・牧場智久は謎を追いかけるうちに明治の傑物・黒岩涙香が愛し、朽ち果て廃墟になった茨城県の山荘に辿りつく。そこに残された最高難度の暗号=日本語の技巧と遊戯性をとことん極めた「いろは歌」48首は天才から天才への挑戦状だった。『このミステリーがすごい!2017年版』(宝島社刊)国内編第1位!!第17回「本格ミステリ大賞」小説部門受賞!第40回「週刊文春ミステリーベスト10」国内部門第3位。
昭和初期産婦人科病院だった古びた洋館アパート「樹影荘」。壁から無数に湧いてくる虫。部屋を覗く蝋面、投げ入れられたマネキンの首、埋められた屍体。やがてどこからともなく床を踏むかすかな軋みが!相次ぐ怪事件、住人六組に迫りくる恐怖。建物全体に蠢く妖気と充満する狂気。史上最も怖いミステリの傑作。
最初は正体不明の不気味な黒い影だった。惑星アンシャンティ。恋人デュークのあとを追いかけて、航宙士試験に合格し希望あふれる、17歳のティナの周囲に異変が起き始める。巨大なホールでさっきまでざわめいていた人びとが忽然と消えてしまったり、白いしみが広がるように街のあちこちが文字通りなくなっていたり…。それは家族、友人、恋人の記憶さえも。繰り返し見る悪夢に謎を解く鍵があるのか?鬼才が描く傑作SF。