著者 : 竹本健治
異常気象で連日霧の立ちこめる東京・世田谷区では、少女誘拐未遂事件が多発していた。武藤類子がパソコン売場を通りかかった時、少女たちが「何よこれ!」と騒いでいる。ディスプレイを見ると「悪魔の警告!」という文字が浮かびあがり、続いて殺人を予告する奇怪な文面が出現。次の日、天才囲碁棋士で類子のB・F牧場知久の周りでも異変が生じた。対局相手の桃井4段が失踪したのだ。さらに世田谷区では12歳の少女が次々と殺されて。桃井の失踪と殺人事件の関連は。智久と類子が挑む連続少女殺人事件の驚愕の真相は?本格推理の鬼才が放つ戦慄のサスペンス&推理書下ろし傑作。
智久・典子姉弟と大脳生理学者・須堂の素人探偵トリオが、囲碁、将棋、コントラクト・ブリッジ、チェスの幾何学的迷宮世界の中で、ぎりぎりと脳髄をしぼるような複雑怪奇な謎に挑む。ミステリーとゲームの頭脳的融合傑作集。
百万に一つの失敗もないという“百万分の一のネコ”。畏敬と嫌悪のいり混じった通り名が、D種特務捜査官である彼女の勲章だ。存在自体が極秘扱いにされるD種犯罪者を狩り出す任務のため、ネコはグラビアという見棄てられた鉱業惑星に。獲物は二年前の惑星プレノリアで起きたテロ事件の首謀者“大鎌”。ネコと相棒ノイズに突如襲いかかる姿なき死の竜巻…。大鎌のサイ能力が炸裂する。サイキック長篇。
四条家は福島県会津地方一の名家で、堂々たる屋敷には、修復されたばかりの白壁の蔵があった。史上最年少の17歳で本因坊の栄冠に輝いた牧場智久と、同行取材の槙村たち4人は、四条家へ招待された。その翌朝、蔵壁のまだ柔らかな部分に、何者かにバラバラにされ埋め込まれた首なし死体が発見された。首は川原で発見され、被害者は18年間行方不明だった四条家の次男安樹と判明。さらに翌日、蔵の中で長女が狂女の面をかぶったまま惨殺されていた-。この村に伝わる陰惨な言い伝えどおりの連続殺人だった…。本格推理の醍醐味と戦慄のサスペンスとの絶妙な融合、鬼才が推理ファンに問う全力書下ろし力作。
武藤類子は剣道2段の高校2年生。剣道部の先輩・高杉に偶然出会い、ロックバンド「パルス・ギャップ」の関係者を紹介された。高杉は現在、専属マネージャーをしていたのだ。数日後、高杉とともに親しくなったメンバーのレイカ、アキラ、ジミー、タカ、そしてスタジオ・ミュージシャンの果月が、類子の引越を手伝いにやってきた。そこへ突然イタズラ電話が舞い込んだ。「まだ誰にも電話番号を教えていないのに」不安を覚えた類子の予感は適中した。その後、果月のライブ中に殺人事件が起こったのである…。
ベルギーの古城で次々に起こる異様な惨劇には恐るべき秘密が隠されていた。戦慄の心理描写とプロット全体に潜む驚天動地のトリックとは…?鬼才が2人称で綴る書下し・殺人幻想詩篇。
強烈な衝撃がバーダイン号を襲った。悪魔のウインクって奴だ。ネコとノイズは、そいつのバケの皮を剥ぐためにここ死の海域へやってきたのだ。パネラ、テオ、ドーゴンボー、ミネルヴァ4つの恒星に囲まれた死の海域は、別名魔の四面体とも呼ばれ、この70年間に150件の遭難をひきおこし多くの人命をのみこむ魔界と化していた。事故の際には、青い人型の光が目撃されるという。それは宇宙空間をさ迷う幽霊なのか?自滅の恐れと戦いながらもミニ・スーパーノヴァの使用を決めた二人。成算はあるのか?ネコとノイズ、殺戮のファイル一挙公開。
ダーク・グリーンの海をもつ惑星ヌーパスで300人乗り旅客ヘリが墜落した。3カ月でもう3つ目の大事故。いずれも確とした原因がつかめない。しかし、今回死んだ人間の中に、スーパス情報局本部、通称〈バグ〉の職員・ベクターがいた。ベクターは政治犯調査のスペシャリスト。同じ職場にいる恋人・リンメイは、人工的工作の可能性を執念で迫っていたが…。3つの事故は本当に偶発的なものなのか?ネコとノイズが調査にのりだした途端、リンメイが死んだ!一体この惑星では何が起こっているのか。恐怖と謎を秘めたヌーバスにネコとノイズが挑む-。
リゾート気分でタンブーラにきたノイズ。密かに思いを寄せるネコは、夜な夜な男を買い漁る日々。ヤケになってネコの封印された過去を検索するが謎は深まるばかり。そこへ現れたベスト・ヒップのお嬢さんジーナをネコへの恋のさやあてにできて有頂点に…。だが、ノーマーシイなネコはジーナさえ、強敵ドゥーガーを誘き出す手段に使う。ジーナは二重の囮-と気づいたときネコはすでにドゥーガーの手中におち、意のままに動く操り人形にされてしまった。絶体絶命のネコが最後に放った死の投げキッスとは?驚愕のラスト。殺戮のラブゲーム。