著者 : 細美遙子
MI5の捜査官イヴ・ポラストリは、ある殺人事件の目撃者の証言から容疑者が女性だと知り、さらにここ最近起こった未解決の殺人事件がいずれも同じ犯人によるものなのではと疑っている。一方、暗殺者ヴィラネルはトゥエルヴと呼ばれる組織から次の任務を命じられる。ターゲットはロシア人の極右論者、場所はロンドン。追う者と追われる者の対決の行方は?ヴィラネルが暗殺者になるまでの過去も描かれるシリーズ第1作目。
不手際を問われMI5を追われたイヴは非公式に暗殺者を探り続け、中国政府の高官から教えられた情報から、MI5の大物デニス・クレイドルが暗殺組織と関係があると突き止めるが、そこにまたヴィラネルの手が迫ってくる。徐々に近づく二人に組織が下した次の命令は?捜査官と暗殺者というだけではない二人のアンビバレントな関係が物語をよりスリリングにするシリーズ第2作品目。
組織の命に背いたヴィラネルと、彼女に命を救われたイヴは共にイギリスからロシアへと逃げる。しかしトゥエルヴの魔の手は迫り、生命を脅かされた二人はついに組織に手を貸すことになり、それは世界を驚かす大事件を招く。捜査官と暗殺者、二人の結末は?サスペンスからシスターフッド、さらにガールズラブへ、怒濤の展開を見せるシリーズ完結編。
周囲を雪と氷に覆われた山。両親の車に乗っていた五歳の少女は、外に出て…次の瞬間消えていた。吹雪の山で少女は死んでしまったものと思われ、三年の月日が過ぎた。だが両親はあきらめきれず、行方不明の子ども専門の探偵ナオミに最後の望みを託した。生きていようが死んでいようが、必ず見つけ出す。深い森に閉ざされた山のなかで、“子ども見つけ屋”ナオミの闘いがはじまる。
地球を失った人類は銀河共同体に加盟を許され、弱小種族ながら繁栄を享受していた。宇宙船“ウェイフェアラー”は超光速航行用の“トンネル”建造船。多種族混成クルーのこの中古船に突如、「銀河系中心部への新航路を拓く」という大仕事が舞い込んだ。かくして彼らは長く賑やかな航海に乗り出す…。個人出版から人気を博し、ヒューゴー賞候補作となった傑作スペースオペラ!
銀河共同体政府からの大仕事を受注したトンネル建造船“ウェイフェアラー”。一年近くに及ぶ長い航海で訪れる様々な天体と、そこで出会う異星種族たちー訳あって火星を逃げ出してきたばかりの新人乗組員ローズマリーにとっては、すべてが驚きの連続だ。彼女たちはいくつもの危機を乗り越えて、未知の種族トレミが支配する銀河系中心部をめざす。そこで待ち受けていたものは?
英雄スカンドゥラノンの息子にして、銀鷲獅子団のタドリスは歓声をあげた。故郷から遠く離れた前哨地で六カ月。初めての監視なしの任務だ。タドリスと人間の相棒“銀の刃”は、心配する両親を尻目に大喜びで出発した。ちょっとした冒険行のはずだった。“銀の刃”と荷物を入れた籠を装着して飛んでいたタドリスが、コントロールを失い墜落するまでは…。“魔法戦争”三部作完結。
銀鷲獅子団の司令部は大騒ぎだった。タドリスと“銀の刃”が任務地に着いていないのだ。遠話装置での連絡もない。すぐにスカンドゥラノン率いる捜索隊が現地に向かう。一方森に墜落したふたりは、大けがを負いながら見えない追跡者から逃げていた。誰が何の目的でつけ狙うのか。鷲獅子と人間、体力と知力の限りをつくし、姿なき敵と戦う。“ヴァルデマール年代記”古代史完結。
旧文明を滅ぼした“大惨事”から数百年。多くの人々は地上を厭い、壮麗な地下都市に暮らしていた。その一つ、ヴィクトリア朝風文化が栄えるリコレッタでは、過去の知識は重大なタブーとされている。そんな中、禁制の知識を扱う歴史学者が何者かに殺された。女性捜査官マローンと貴族社会の裏側に出入りする洗濯娘ジェーンはそれぞれの立場から、世界を覆す秘密に近づいてゆく…。
刑期を終え出所したばかりの運び屋“シェイク”がコケティッシュな嘘つき女“ジーナ”を救ったばかりに大金と聖遺物をめぐる奔走劇にまきこまれる。追って追われて、最後に笑うのは誰なのか?愛すべき悪人たちの騙し合い…精緻な伏線で構成された超弩級エンターテイメント小説。
奇人変人や怪事件を引きつけてしまう、あたしはステファニー・プラム。今度は超能力を持つ男ディーゼルが、あたしの前に現れた。ヤツが追う男と、あたしが探している保釈逃亡者が関係していると知って、あたしも仕方なくディーゼルに協力することに。何の因果か「縁結び業」をするうちに、とんでもない事件に巻き込まれた!?米国では本編をしのぐ勢いの、爆笑ミステリーシリーズ番外編。
風が吹くとき〈水子〉たちが泣く。〈水子〉の聖所は炭坑奥深くにあり、そこは侵す者には災厄が降りかかる。50年前の坑内事故もそのせいだ。この寂れた炭鉱町には、そんな言い伝えがあった。そしていま、炭鉱事業は再開されようとしていた。だがある日、炭鉱技師が坑内で墜落死を遂げ、あとに一人娘が残された。やがて風が吹きはじめ、町に死の影が…。サイコスリラー巨編。
ジゼルは墓の中で目覚めた。どうやら霊魂だけの存在になってしまったらしい。でも天国に行けないのは、運命的に夫につなぎとめられているせい?夫は神経を病んだビジネスマン。そして自分を殺した男…。一方、癌に倒れ一旦昇天したものの、娘のことを気に病んだ母親は、救いの手をさしのべようと下界に舞い戻るが…。鬼才が、ユーモラスに、かつ辛辣に描く驚異の現代小説。
スーザンは見知らぬ病院のベッドで目覚めた。医者が言うには、彼女は休暇中に交通事故に遇い、このオレゴン州の田舎の病院に運びこまれ、三週間も意識を失っていたのだというー。しかし、彼女にはそんな記憶はなかった。と同時にこれまで自分がたずさわっていた仕事の内容、同僚の名前が思い出せない。なぜか彼女には、そこだけ記憶がないのだ。そして、彼女は病院の中で信じられないものを見た。大学時代にボーイフレンドを殺した男たちが、当時の若い姿のまま患者として入院しているのだ。その上死んだはずの男たちまでがスーザンの目の前に現れた。これは狂気か?幻覚か?その後もぞくぞくと怪異現象は起こる。そしてスーザンが最後に発見したのは信じられないような事実だった。人気沸騰の鬼才クーンツが放つ、異色の大型ロマンス&サスペンス・ホラー。
少女メラニーは、雨に濡れる街角を全裸でさまよっていた。少し離れたとある家の実験室には、全身を叩きつぶされた父親の死体が横たわっている。報せを受けてローラは震えた。夫が娘を連れて姿を消してから6年の月日が流れていた。そして再会。だが娘の心は虚ろで口もきけず、ローラのこともわからない。夫は娘を実験台に何かしていたらしい…。その夜、独りぼっちの病室で少女は突然口を開いた。「扉が、12月への扉が…だめえ!」
誰かがメラニーを欲しがっていた。別の誰かは少女の死を望んでいた。そして街を覆う姿なき殺人鬼の影。一見無関係な男たちが、叩きつぶされて次々に惨殺されてゆく。すべての中心にこの9歳の少女メラニーがいた。沈黙を破って少女が叫ぶ。「あれが来る、あれが来てみんなを食べちゃう!」はたしてローラに、娘を守り抜くことができるか!?恐怖は、もうすぐそこまでやって来ている。…。究極のホラー・エンタテイメント超大作!