著者 : 芦花公園
「君の隣の部屋、昔から『くらい家』って呼ばれてるんだよ」 誰も入ったことがないのに 誰もがその名前を口にする。 “あの家”をめぐる、3人の作家による連作 なぜ、その部屋は「くらい家」と呼ばれるのかー。 「くらい家」の正体とは…? モキュメンタリー・ホラーの傑作がここに誕生!
あの「父殺し」を犯したのは、君なのか僕なのか? 完璧美少年ケイと努力優等生シンのトラウマ劇は奈落に墜ちてゆく。崖っぷちの絶望と嫉妬に縛られた、愛と幻想のブラザーフッド! 「ななな、なんなんだー、こ、こ、これは」 とんでもない妄想と現実がかくも複雑怪奇に絡み合った物語に、読み手は囚われ驚愕する。-東雅夫(文芸評論家) 「天国に行っても私とお母様を見守ってください」 今日も幻聴にうなされるーー耳元で囁くのは17才のケイの声だ。十代の頃の懐かしくて香しき、そして忌まわしき記憶が、うらぶれた高校教師・真一郎の意識を支配する。殺しの記憶から怪しい宗教、非合法治療まで、マージナルな想像力で繰り広げられる世にも不思議な脳内アドベンチャー。奇才・芦花公園が鋳造する幻想とリアリティのアマルガム(合金)に、読者は金縛りにされるであろう。
異国の地で出逢った美しい少女。だが、憧れの彼女は人ではなかった。 この恋は、人を殺す。 最注目の気鋭が放つ、異形の恋愛ホラー長編! 交換留学で台湾を訪れた女子高生・緑川芽衣。優等生の詠晴に学校を案内され、クラスメイトとも打ち解け始めた矢先、無人の教室で怪しい気配に遭遇する。その夜、自室に現れたのは、美しい容姿を持ちながら、強烈な不快感を与える不思議な少女、恵君だった。彼女との交流を始めた芽衣は、ある事件に巻き込まれて帰国を余儀なくされる。時が経ち、辛い結婚生活を送る芽衣の元に、台湾にいるはずの詠晴から「気を付けて」と書かれた手紙が届き……。 【目次】 第一章 虫がいい話 第二章 悪い虫がつく 第三章 虫を起こす 第四章 虫が起こる 第五章 飛んで火に入る夏の虫 第六章 虫を殺す エピローグ 装画/たけもとあかる 装幀/円と球
大学生の琴葉は、飲み会の後にお持ち帰りされそうになっていたところを助けてくれたシマくんにひとめぼれする。すげないシマくんに振り向いてもらうため、彼が傾倒している「本当に障る話」の調査を手伝う琴葉だが、どうやら琴葉は霊や怪異を寄せる体質らしく、いつも命の危険があるような危険な目に遭ってしまう。 その度に大いに反省し、もうやめようと思うのだが、シマくんの素晴らしく良い声で誘われるとどうしても誘いを断ることが出来ないのだったーー。ホラー小説界最注目の才能が放つ新感覚のエモーショナル・ホラー!
絶対に、それを■■■はいけないーー。ページをめくるごとに後悔が増す戦慄ホラー。最愛のひとり息子を失った桜子は、カウンセラーの久根からふしぎな壺を与えられる。三つの約束さえ守れば、息子が帰ってくるというが……。「もう本当に最悪でした、もちろん褒め言葉」「吐きそうなくらい嫌な話」連載時から話題沸騰! デビュー作でネット民を震撼させたホラー界の気鋭が描く、血と涙で彩られる美しき地獄。
男の首筋に浮き出す血管を数えたことも、くっきりとした白い喉仏に噛みつきたいと思ったこともなかった。“美しすぎる彼”に出会うまではーー。 それぞれの“欲望”と、それぞれの“絶望”が絡まり合い、衝撃の結末へ。「アレに魅入られると、死にますよ」--ここは楽園?それとも地獄?“絶対に口にしてはいけない禁忌”を抱えた村に、転校生・高遠瑠樺がやってくる。彼のあまりの美しさに、息を呑む相馬律。だが、他の誰も、彼に近づこうとしない。そして、律だけに訪れる、死にたいほどの快楽……。ある日、律の家の玄関が、狂い咲きした花で埋め尽くされる。”花の意味”を知る、神社の“忌子”の口から出た言葉とは!?止まらぬ愛と欲望は、はてしない絶望と恐怖の始まりだったーー!この村で、住民がひた隠しにする「伝承(ひみつ)」とは?俺の心と体を支配し、おかしくした、「存在(アレ)」の正体とは?切なさも怖さも底無しの、 BL系ホラー!
嫌なやつは、みんな「マレ様」が殺してくれる。 安息を求める人々が集う「とらすの会」。 皆の輪の中心で微笑む美しい「マレ様」に 殺したい人間の名を告げると、 必ず凄惨な死を遂げる。 ホラー界の新星が描く、美しい異常。 「とらすの会」の人は皆優しくて、居心地が良かったんです。中でもマレ様なんて嘘みたいに綺麗で、悩みを聞いてぎゅって抱きしめてくれました。でも“会議”では、誰かが「許せない人」への恨みをマレ様に訴えて、周りの人たちも口々に煽って……翌日、その「許せない人」は死体で見つかるんです。それが怖くて行かなくなったら、裏切者って責められて……。時間がないです、私、殺されます── 錯乱状態に陥った少女は、オカルト雑誌のライター・美羽の眼前で突然、爆発するように血肉を散らして死んだ。スクープを狙った美羽は「とらすの会」を訪ねるが、マレ様に出会ったことで、想像を絶する奈落へと突き落とされる── 『ほねがらみ』『異端の祝祭』がSNSで話題を攫ったホラー界の新星が描く、美しい異常。
安易な気持ちで、恐怖の実話を集めてはいけないーー! ネットでバズった恐怖(ドキュメントホラー小説)が、書籍化により、拡、散。 「今回ここに書き起こしたものには全て奇妙な符号が見られる。読者の皆さんとこの感覚を共有したい」から始まる、ドキュメント・ホラー小説。 大学病院勤めの「私」の趣味は、怪談の収集だ。 手元に集まって来る、知人のメール、民俗学者の手記、インタビューのテープ起こし。その数々の記録に登場する、呪われた村、手足のない体、白蛇の伝説。そしてーー。 一見、バラバラのように思われたそれらが、徐々に一つの線でつながっていき、気づけば恐怖の沼に引きずり込まれている! 「読んだら眠れなくなった」「最近読んだ中でも、指折りに最悪で最高」「いろんなジャンルのホラー小説が集まって、徐々にひとつの流れとなる様は圧巻」など、ネット連載中から評判を集めた、期待の才能・芦花公園のデビュー作。 ーー「次の生贄は誰がいいと思いますか」