著者 : 芦辺拓
妖異百物語(第1夜)妖異百物語(第1夜)
名アンソロジストとして数々の怪奇小説集を編纂してきた鮎川哲也と、本格ミステリ作家としての作風とは対照的に、熱狂的な怪奇幻想小説のマニアである芦辺拓の二人が、自信を持って選び抜いた幻の怪奇探偵小説傑作集!染色体を改良して食用蛙の巨大化を計る老科学者の、隠された恐るべき企みとは?マッド・サイエンティストテーマの怪作「人喰い蝦蟇」や、戦時中に海の藻屑と消えたはずの妻が、魚の姿になって夜ごと夢枕に現れる鷲尾三郎の名作「魚臭」の他、鮎川哲也自身の珍しい怪獣小説「怪虫」を特別収録。
歴史街道殺人事件歴史街道殺人事件
森江春策の法律事務所に中年の女性が訪れた。娘の川越理奈が消息を絶っているので探してほしい、という依頼だった。森江は弁護士の仕事よりも、なぜか探偵の能力を認められているのだ。「歴史街道」という手がかりを得て森江は行動を起こすが、その時には奇怪な事件が報告されていた。奈良元興寺近くの郵便ポストから右腕、宝塚劇場近くの廃墟旅館から胴体、イスパニア村のコインロッカーから左足が次々と発見されたのだ。これらの場所は「歴史街道」と関係があるのか。おぞましい殺人劇の幕は切っておとされた。