小説むすび | 著者 : 花村萬月

著者 : 花村萬月

ハイドロサルファイト・コンクハイドロサルファイト・コンク

出版社

集英社

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2022年3月25日 発売

「遠くない未来に、私は死ぬ」。病とは無縁だった著者・花村萬月が、このままでは2年後の生存率が20%の骨髄性異形成(こつずいせい・いけいせい)症候群に罹り、骨髄移植を受けることになった。それは現在まで続く地獄の始まりだった。これは、現世の報いなのか? 発症から骨髄移植、GVHD(移植片対宿主病)、間質性肺炎、脊椎四ヵ所骨折など、副作用のオンパレードへと到る治療の経過を観察しつづけた作者自身によるドキュメンタリー・ノベル! 「血液検査の結果、完全に血液がO型からAB型に変わった。爪のかたちや体毛、髭など、ずいぶん外見上の変化がある。食べ物の好みもまったく変わってしまった。加えて精神が大きく変貌したのかもしれない。自分の血液をすべて殺して、他人の血液を迎えいれる。凄いことだ。」(本文より) 【著者略歴】 花村萬月(はなむら・まんげつ)1955年、東京都生まれ。89年『ゴッド・ブレイス物語』で第2回小説すばる新人賞を受賞し、デビュー。98年『皆月』で第19回吉川英治文学新人賞、「ゲルマニウムの夜」で第119回芥川賞、2017年『日蝕えつきる』で第30回柴田錬三郎賞を受賞。その他の著書に「百万遍」シリーズ、「私の庭」シリーズ、『弾正星』『信長私記』『太閤私記』『ニードルス』『花折』『帝国』『対になる人』『夜半獣』など著書多数。

対になる人対になる人

出版社

集英社

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2021年4月26日 発売

はじめて彼女を殺したのはーー母親だった。 小学2年生の彼女を絶望的にまで殺し尽くしたのはーー 教諭である鈴木による性的虐待だった。 鈴木先生は6人の彼女を生みだすきっかけとなった。 17歳のときに彼女を犯し、完全に殺したのはーー 水原君と10人の仲間たちだった。 そのとき新たに2人、あるいはさらに多数の彼女が生まれた。 冬の札幌で、小説家・菱沼が出会ったのは、心に50の人格を宿す女だった。DV被害にあう女に手を差し伸べた男は、信じられないほど壮絶な彼女の過去を知ることに……。柴田錬三郎賞を受賞した作家が満身創痍で放つ、迫真の長編サイコスリラー。 【著者略歴】 花村萬月(はなむら・まんげつ)1955年、東京都生まれ。89年『ゴッド・ブレイス物語』で第2回小説すばる新人賞を受賞し、デビュー。98年『皆月』で第19回吉川英治文学新人賞、「ゲルマニウムの夜」で第119回芥川賞、2017年『日蝕えつきる』で第30回柴田錬三郎賞を受賞。その他の著書に『ブルース』『笑う山崎』『二進法の犬』「百万遍」シリーズ、「私の庭」シリーズ、『浄夜』『ワルツ』『裂』『弾正星』『信長私記』『太閤私記』『花折』など多数。

くちばみくちばみ

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小学館

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2020年10月15日 発売

血で骨を洗う斎藤道三「父子の相克」一代記 古く蝮を「くちばみ」と呼んだ。鋭い毒牙を持つその長虫は、親の腹を食い破って生まれてくるというーー。 時は戦国、下剋上の世。「美濃の蝮」と畏れられた乱世の巨魁・斎藤道三は、京の荒ら屋で生を受けるも、母に見捨てられ、油を舐めて命を繋いでいた。油売りを生業にどん底から這い上がった父子は、いつしか国盗りという途轍もない野望を抱くようになる。狙うは天下の要・美濃国。父に続き美濃入りした道三は、守護・土岐頼芸を籠絡し、側室・深芳野と密かに心を通わせる。一方で、父の歪んだ支配欲に苛立ち、血の呪縛から逃れようと毒殺を夢想するようになる。政敵を次々に抹殺し、遂に主君頼芸を追放し、名実ともに国主となった道三。ところがその頃、長男義龍の胸中には、父への嫉妬と憎悪が渦巻いていた・・・。 本作品は、下剋上を成し遂げながらも実子に殺される道三の生涯を、三代にわたる「父子の相克」をテーマに活写する新感覚時代小説。「暴力と情愛」の筆運びはますます磨かれ、「悪の爽快感」に溢れる物語世界は圧巻! まさに花村時代小説の到達点と言える作品です。

掌篇歳時記 春夏掌篇歳時記 春夏

麋角解(さわしかのつのおつる)、東風解凍(とうふうこおりをとく)、桃始笑(ももはじめてわらう)--あまりにも美しい、四季を彩る“季節の名前”。 古来伝わる「二十四節気(にじゅうしせっき)七十二候(しちじゅうにこう)」に導かれ、手練れの十二人がつむぐ匂やかな小説集。 二十四節気、七十二候 萌え出ずる春、青々と爽やかな夏、紅葉に染まる秋、しんと静まった冬ーー。四つの季節をそれぞれ六等分した“二十四節気”は、春の兆しが現れる立春、次第に夏めく立夏、夜が最も長い冬至などを示す。 それをさらに三等分した“七十二候”。暖かな雨が降り注ぎ大地が潤う「土脉潤起(どみゃくうるおいおこる)」、蛍が姿を現し始める「腐草蛍為(ふそうほたるとなる)」など、その時期に起こる出来事をそのまま名前にした。 移ろいゆく季節にここまで細やかに、そして美しい名前をつけた古(いにしえ)の人々。旧暦の魅力を、掌に収まるような十二篇の小さな物語を通して、感じてみませんか。 瀬戸内寂聴「麋角解」 絲山秋子「雉始鳴」 伊坂幸太郎「鶏始乳」 花村萬月「東風解凍」 村田沙耶香「土脉潤起」 津村節子「桃始笑」 村田喜代子「雷乃発声」 滝口悠生「虹始見」 橋本 治「牡丹華」 長嶋 有「蛙始鳴」 高樹のぶ子「蚕起食桑」 保坂和志「腐草為螢」 白井明大「いま季節の名前を呼ぶこと 二十四節気七十二候について」

花折花折

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集英社

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2018年11月26日 発売

“悪王女"鮎子が生きることの意味を探す、究極の純愛小説。 画家を父に持つ鮎子は、逆子だったため帝王切開で生まれた。一度お腹を開くと次から自然分娩はできない。出産が一番の快楽だという母は、それを奪われたとして鮎子を責めた。 両親の画才を受け継いだ鮎子は東京藝術大学に進学し、京都から上京する。ある日、藝大の裏山でイボテンと名乗る男と出会い、ひょんなことから関係を持つことに。それ以後、四六時中、セックスばかりの毎日を送るようになる。そんななか、夏休みに帰省することを告げた鮎子を、イボテンさんは殴って出ていった。 鮎子は、実家で小説家の我謝さんと会い、彼の故郷である沖縄で共に夏を過ごす。そして大学に戻ったとき、イボテンさんが自殺したことを知った。突然の“不在"に足元から崩れ落ちるような感覚に陥る鮎子。 こっそり忍び込んだ彼の家には、キャンパスに描かれた裸の鮎子が残されており、なぜだかその絵に釘づけになってしまう。そして鮎子は思いもよらずその絵を盗み出す。 イボテンさんの存在の大きさと絵を描くことの本質に行き当たり、ひたすら絵を描くようになった鮎子は、ついに自分だけのモチーフを見つけることに……。 若い女性芸術家の視点で描く、濃厚でみずみずしい長編小説。 【著者略歴】 1955年東京生まれ。89年『ゴッド・ブレイス物語』で小説すばる新人賞を受賞し、作家デビュー。98年『皆月』で吉川英治文学新人賞を、『ゲルマニウムの夜』で芥川賞をそれぞれ受賞。2017年『日蝕えつきる』で第30回柴田錬三郎賞受賞。『眠り猫』『なで肩の狐』『鬱』『二進法の犬』『百万遍 青の時代』『私の庭 浅草篇』『たびを』『愛情』『錏娥哢た』『少年曲馬団』『ワルツ』など著書多数。

弾正星弾正星

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小学館

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2018年3月6日 発売

心蕩かす悪の爽快感! 花村時代小説の至宝 時は戦国、下剋上の世。京都・相国寺近くある三好家の屋敷に、その男松永久秀はいた。得体の知れぬ出自でありながら、茶の湯に通じ、右筆として仕える野心家である。気に食わぬ者は容赦なく首を刎ね、殺害した女を姦通し、権謀術数を駆使して戦国大名へと成り上がっていく。さらには将軍足利義輝を斃し、東大寺大仏殿を焼き討ちにしてしまう。信長ですら畏れた稀代の怪人・松永弾正を突き動かすものは、野望かそれとも……!? 戦国時代を彗星のように駆け抜けた武将の生きざま・死にざまを、「弟」として仕えた丹野蘭十郎の眼を通して活写する。 芥川賞作家・花村萬月氏が戦国時代を舞台に「悪とは何か」を問う新感覚時代小説。皮膚感覚を狂わせる暴力に戦慄を覚え、匂い立つようなエロスに耽溺する物語世界はますます磨かれ、かつまた、悪業の限りを尽くす主人公を愛嬌たっぷりに描き、読了後に寂寥感すら抱かせる筆運びは圧巻です。「突き抜ける悪の爽快感」はまさに花村時代小説の至宝といえます。 単行本が発売された2014年には、「この時代小説がすごい! 2015年版」で4位に、また、週刊朝日の「決定! 歴史・時代小説ベスト10」で3位にランクインしました。 解説は気鋭の作家・吉村龍一氏、カバーイラストは人気イラストレーター・寺田克也氏です。

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