著者 : 荒俣宏
「怪と幽」17号は、特集二本立て! 第一特集 怪を語る イベントや配信などで語られる怪談を楽しむ流れが大きな盛り上がりを見せている。もちろん先駆者は数十年前から「語り」を主軸に活動し、その存在は広く知られてきた。だがいま、さらに新たな語り手がどんどん生まれている。感染症流行時期には配信活動の隆盛があり、その後、リアルな場を共有するイベントも、様々な規模で開催されるようになった。世間では《怪談師》という呼称もすっかり定着。伝統芸能の語り芸とはまた異なる、語り・しゃべりの怪談文化が一大ジャンルとして築かれた。そのように怪談を語る人たちは、そしてそれを楽しむ人たちは、いま何を見つめているのか。現場では何が起こっているのか。現代の怪談語りシーンに迫る。 【インタビュー】稲川淳二 【対談】川奈まり子×吉田悠軌 【対談】はやせやすひろ×夜馬裕 【ルポ】百物語怪談会 【実録】百物語 川奈まり子、チビル松村、はやせやすひろ、深津さくら、松永瑞香、村上ロック、夜馬裕 第二特集 『真・女神転生V Vengeance』 神話や伝承に語られる超常の存在ーー「悪魔」が現代に出現したら、世界はどのように変貌するのか。そんな想像を具体化させたかのようなロールプレイングゲームが「真・女神転生」シリーズだ。 1992年発売の第一作『真・女神転生』以降、30年以上の長きにわたり「メガテン」の通称で親しまれる本シリーズの最新作『真・女神転生V Vengeance』は、今年6月に発売されると、わずか3日間で全世界売上が50万本を超える大ヒット作品となった。太古の神話から現代の都市伝説に至るまで、さまざまな出典の悪魔が織り成す独自の世界観の中、善悪だけでは語りえない重層的なストーリーと、美しくも恐ろしい個性的なキャラクター造形で、世界中のプレイヤーを熱狂させる『Vengeance』。そんな大人気ゲームの悪魔的魅力の根源に迫る。 【グラビア】『真・女神転生V Vengeance』とは? 【インタビュー】小森成雄(ディレクター) & 土居政之(キャラクターデザイナー) 【インタビュー】土居政之 【ガイド】『真・女神転生V Vengeance』 (勝手に)悪魔全書 by怪と幽 【対談】黒 史郎×藤川 Q 特集のほか、連載など多数! 京極夏彦小説新連載も開始!
咸臨丸の渡米目的は、外交使節団の護衛ではなかった。福澤諭吉の生涯を、現代の知の巨人・荒俣宏が膨大な資料を渉猟して著した、評伝小説の決定版。近代日本の父、福澤諭吉最後の「自伝」。
『修身要領』普及のため、慶應義塾の廃塾さえ決心した。近代日本の父・福澤諭吉の生涯を、荒俣宏が膨大な資料を渉猟して著した、畢生の大作一四〇〇枚。現代の知の巨人、荒俣宏最後の小説。
「新天地」である北米にはヨーロッパやアジアにはない怪異と恐怖が渦巻いていた。荒俣宏が「アメリカ文化の底を流れる怪異」の本質をあきらかにすべく精選したホーソーン、ポオ、ラヴクラフト、ビアス、ブラッドベリなどの十三の物語による究極のアンソロジー。開拓時代の名残をとどめる奇譚、都市における精神の崩壊譚など多彩な作品群がアメリカの暗部をあきらかにする。
海外の怪奇幻想小説から、傑作を選りすぐり、 一流の翻訳で、ホラー愛好者に贈るナイトランド叢書。 第4回配本は、荒俣宏・訳のホジスンの傑作! ラヴクラフトの先駆をなす宇宙的恐怖! 廃墟に遺された手記が物語るのは、 異次元から侵入する怪物たちとの闘争と、 太陽さえもが死を迎える世界の終末……。 〈ボーダーランド三部作〉の一つとして名高い SFホラーの傑作! 書き下ろし訳者あとがき付。
幕末の会津。ある寺に、イザナミ・イザナギ両神が日本を生み出した時に使ったとされる伝説の秘宝・瑠璃尺が隠されていた。瑠璃尺を奪い取った魔人・加藤は、日本を滅ぼし、自らの新しい国を作り出すため動き始める!
怨霊の国を作り出すため、蝦夷地に向かった加藤。新撰組の土方や平田篤胤の門下生たちは、加藤の野望を阻止すべく、もうひとつの伝説の神器「七支刀」を携えて加藤を追う!壮絶な戦いの結末はーー。
天地の理をしなやかにあやつったひとりの男ーー安倍晴明。芦屋道満との確執、伴侶・息長姫との竜宮での出会い、そして宿命的な橋姫との契り。知られざる姿が、今、明かされる!
南仏の古代遺跡に眠る遺物の発掘。謎の宗教団体からの依頼を受けたレイハンター青山譲は、聖地レンヌ=ル=シャトーへと向かう。彼がかつて発掘に成功し、封印したその石棺をふたたび暴くために。遺物の正体とは、はたして何なのか。世界の王、レックス・ムンディの復活を預言するのは…。膨大な資料と想像力のもと、ヨーロッパ文明最大の謎とタブーに挑む、アドベンチャー・ホラー長編。
「ゑびすだァ、ゑびすじゃねぇか」やつがれは、同町内の古株刑事・広田勘蔵を誘って、ケイヅ釣に行った。釣り上げたのが、正真正銘のゑびすの土佐衛門だった。水死体は白い狩衣をまとい、大きな黒鯛を抱えこんで、七福神のゑびすそのものだった。水死体の身元が割れた。兄が見つかったのだ。兄は色黒で大黒天とそっくりの恰好の闇米屋だ…(「ゑびす殺し」)。他、著者の博引旁証の奇想世界作品集。
大正十年冬、宮崎県日向〈新しき村〉の武者小路実篤の許に美しい女岡田晶が現れた。白樺派文学者たちが見守るなか、実篤、妻房子と晶子、三人の不思議な愛情生活が始まる-。奇才荒俣宏が、白樺派に託して愛と結婚のかたちを問う待望の長編幻想小説。
この風光明媚な湖には何かがある。夜ごと水面を這う七色の怪異な色彩、生長過剰な動植物たち。あまつさえ、この湖で泳くと生気が吸いとられていく。この異変に逸早く気づいたのが二人の老学者。彼らは湖の監視員はもとより、付近のキャンプ場の人々にも事の重大さを説いてまわるが、耳を貸す者は誰一人いない。そうこうするうちに、ついに湖の犠牲者が出始めた。老学者たちは事の真相を究明すべく、ラヴクラウトと交流のあった画家を訪れるが…。ラヴクラフトの名篇「異次元の色彩」を現代に甦らせたコズミック・ホラー・ファンタジィ。