著者 : 菊地有子
ローズメリーローズローズメリーローズ
ローズは、滝の洞穴に捨てられていた女の子を、育てた。メリーは、12歳で初潮をむかえた。ローズが死んで、川を下って町におりていった。恋人ができて、結婚して、妊娠した。出産が近づくと、滝にむかった。ひとりで女の子を出産し、その子にローズという名前をつけ、滝の洞穴に捨てた。また、だれかが拾ってくれるだろう…雪の結晶のような物語。くり返しくり返し読んでも、あきることがない不思義な本。新しいフランス小説の奇跡。
すばらしい旅人すばらしい旅人
パリに住む写真家アドリアンは『世界のはじまり』に強くひかれ、『はじまりの地への旅』を企画していた。出発をひかえたある日、パリの映画館で、ひとりの娘、ミレナと出会った。ふたりはいっしょに暮らしはじめた。ミレナはチェーホフの舞台に立ち、アドリアンは旅立ちの用意を整える。アドリアンが『はじまりの地』として選んだのはチュルカナ湖、ケープケネディ、そしてヒロシマ。彼が旅立つ日、ミレナは「あなたの子供がほしい」とささやく。ふたりの歯車がすこしずつ違う方向にまわりはじれる。フランス書店賞受賞作品。
PREV1NEXT