著者 : 菊池光
背中から銃撃され、ホークが瀕死の重傷を負った。彼が護衛していた賭け屋一家も殺され、ホークは静かに復讐を誓う。しかし事件の背後には、襲撃の実行犯であるウクライナ・ギャングだけでなく、旧知のギャング、トニイ・マーカスをはじめ、様々な人物の思惑が絡み合っていた…スペンサーの協力のもと、ホークは真相を追い、復讐計画を練り上げていく。砕かれた誇りを取り戻す、ホークがホークであるための闘いが始まる。
夫の不貞の決定的証拠を掴んでほしい。依頼人の女性マーリーンはスペンサーにこう懇願した。彼女の夫トレントンは世界的大企業の最高財務責任者だという。調べを進めるうちに明らかとなる、奇妙な男女関係。やがてトレントンが会社で死体となって発見され、さらに同社の警備部長まで不審な死を遂げてしまう。事件を追うスペンサーは、巨大企業の暗部に足を踏み入れることに…。スペンサーが専門外の事件に挑む異色作。
ホークが撃たれた。大口径ライフルの銃弾三発を背中に受け、瀕死の重傷を負ったのだ。集中治療室で厳重看護という状態に陥りながらも、人並みはずれた頑健さと、常人では及びもつかぬリハビリをこなしてホークは快復した。だが、ホークに護衛を依頼した賭け屋とその家族は、託児所にいた幼子一人をのぞいて全員が殺されてしまっていた。彼は、職業上の誇りと個人的なプライドを取り戻さなくてはならなかった。ホークを襲撃したのは、ウクライナ・ギャング。彼らが何のために?スペンサーはホークとともにその謎を追う。やがて、ボストンの黒人裏社会を牛耳るトニイ・マーカスの存在が浮かび上がり、麻薬密売がからんでいることが明らかになってゆく。ホークは、ボストンに近接するウクライナ移民が作った市の市長でもあるウクライナ・ギャングのボスとの対決を決意する。瀕死の重傷を負いながらも、「ほかの男たちと同じであってはならない」と絶大な自信をもって語るホーク。誇りを取りもどすために闘う彼の強烈な個性が炸裂する。
第二次大戦で身も心も深い傷を負い、ジョゼフ・バークはアメリカに帰還した。妻に去られ、彼はボクサーへの道を歩むが挫折し、やがてニューヨーク市の実力者の娘ローレンのボディガードとなる。だが二人が心を通わせはじめたことを妬んだローレンの恋人ルイスとの争いが原因で、バークはボディガードの職を解かれてしまう。しかし彼は新たに、ある男のボディガードになった。その男とはブルックリン・ドジャースの新人選手で、黒人初の大リーガー、ジャッキー・ロビンソンだった。1947年4月、ロビンソンはデビューするが、予想通りプレー中に悪質ないやがらせを受けた。球場の外でも差別をされたり、脅迫の手紙が届いたりしたが、バークの助けもあって屈することはなかった。だが、やがて事件は起きた。黒人が集まるレストランで、イタリア系ギャングのパグリアと暴力沙汰を起こしてしまったのだ。その場はなんとか治まった。が、この事件が引き金になり、やがてロビンソンとバークは命を狙われることに…。伝説の大リーガーとそのボディガードの友情と闘い。スペンサー・シリーズの著者が新境地を切り拓く話題のサスペンス。
依頼人の女マーリーンはもったいぶった態度で、夫の浮気調査を依頼した。彼女の夫トレントンは、電力を中心としたエネルギイを扱い莫大な収益を挙げている巨大企業キナージイ社の財務責任者だという。調査をはじめたスペンサーは奇妙なことに気づいた。依頼人や調査対象の夫の浮気相手にも何者かが張りついているのだ。いったいこれはどういうことか?まもなく、トレントンが会社の中で殺されているのが発見され、会社の警備部長が依頼人たちを見張らせていたことが明らかになる。だが、その警備部長も自殺に見せかけて殺されてしまう。やがてスペンサーは、ダリン・オゥマーラという一対一の関係にとらわれない自由な結婚生活を標榜するトーク・ショウの司会者が、今回の事件に関与しているらしいことを掴んだ。巨大エネルギイ企業とオゥマーラとのつながりとは?大企業の莫大な財務に関わる事件という得意ではない分野で、スペンサーは会計士の力を得て解明をはかるが…シリーズ第31巻。
パラダイスの住民を戦慄させる連続射殺事件が発生した。犠牲者には何のつながりも認められず、犯人は無作為にターゲットを選んでは犯行におよんでいるらしい。犯行に使用されたのは二挺の22口径。いったい誰が、何のために?町はパニック寸前となり、警察署長のジェッシイは窮地に立たされた。やがて捜査線上に一組の夫婦が浮かび上がる。だが、確たる証拠はない。ただ、ジェッシイの長年にわたる警察官としての勘が、その夫婦が犯人だと告げていた。だが、彼を嘲るかのように、深い仲にあったアビイがさらなる犠牲者となってしまう。そして、ジェッシイの周囲にも犯人たちの影が…。クールな正義漢、警察署長ジェッシイ・ストーンがパラダイスの町を恐怖に陥れた事件を追う!巨匠パーカーが贈るシリーズ最新作。
母を殺した犯人たちを見つけてもらいたいの-迷宮入りになった28年前の銀行強盗事件で犯行グループに射殺された被害者の娘が、真剣な面持ちでスペンサーに訴えかけた。警察の捜査報告書によれば反体制の革命グループが犯行声明を出していたが、その正体は不明のままだった。やがて政府の秘密機関員だと名乗る男が、スペンサーのもとに忠告に現われた。事件の調査から手を退いたほうが身のためだというのだ。それは、彼がさらなる情報を求めてFBIの支局を訪れた直後のことだった。その後、ガンマンが銃をちらつかせながら、事件に関わらないようにとスペンサーに脅しをかけてくる。28年前の強盗事件の裏に、どんな秘密が隠されているというのか?関係者の多くが口を閉ざすなか、スペンサーが突き止めた苦い真相とは…。パラダイスの警察署長ジェッシイ・ストーンの協力を得たスペンサーが、28年の時を越えて事件の真相に迫る。シリーズ第30作と、パーカーの作家デビュー30周年を記念して、巻末に作家、評論家など著名人による特別アンケートを収録。
一見単純な事件だった。裕福な銀行家が自宅のベッドで射殺され、階下の居間で一人でTVを観ていたと主張する28歳年下の妻メアリが逮捕された。夫婦はその前の晩に衆人環視の中、大喧嘩をしている。周囲の人々は、もともと年齢も家柄も不釣り合いな夫婦だったと証言する。さらには、メアリに夫殺しをもちかけられたが断わったと告白する男までが現われた。誰がどう見ても、容疑者メアリの有罪は間違いなさそうだ。だが、メアリの弁護士の依頼で調査に乗り出したスペンサーは、素朴な疑問を抱く。いくらなんでも、もうすこしましなアリバイくらい用意しそうなものだが…調査にかかったスペンサーには尾行がつき、夫の一族が経営する銀行では不穏な噂があった。事件の背後には、想像以上に複雑な背景があるようだ。やがてスペンサーが真相に迫ったとき、殺し屋の銃口が火を吹いた!無邪気に見える若き未亡人は、有罪か、無罪か?事件の背後に潜むのは、何者なのか?久々にホームグラウンドに戻ったスペンサーが、勝手知ったるボストンの街を疾駆する。
少女の死体は、夕暮れの湖畔に流れついた。パラダイス署の者たちは死体を見るのをいやがった。水に長く漬かっていた死体は不愉快なものだ。やむなく死体を検分したジェッシイ・ストーン署長は、少女の耳の後ろの弾痕に気づく。何者かが少女を射殺し、死体を湖に投げ込んだのだ。少女の身元はなかなか判明しなかった。湖畔で発見された指輪を手がかりに、ようやくジェッシイたちは少女がこの夏、ハイ・スクールを中退したビリイであることを突き止めた。だが、ビリイの家をたずねたジェッシイに母親は告げる。「うちにはビリイという娘はいません」家族に見放され、家出同然に大都会ボストンへ出た少女に、いったい何があったのか?警察署長ジェッシイ・ストーンの推理と調査が、大都会の暗部に迫る。巨匠パーカーが贈る、男気満載のシリーズ最新作。
1881年10月26日。歴史に残るガンファイトがアリゾナ州トゥムストーンの町で行なわれた。クラントン兄弟を中心としたカウボーイたちと、町の治安を預かるアープ兄弟が、正面から激突したのだ。決闘の場となったOKコラルは銃声と硝煙、そして血に覆われた…歴史に名高い「OKコラルの決闘」。その中心となった伝説の男、ワイアット・アープの真実の姿を、スペンサー・シリーズの巨匠が、史実と自由な発想を交えて描く、入魂の本格ウエスタン。
西部の小さな町ポットショットから来た美女は、夫を殺した犯人を捕らえてほしいとスペンサーに依頼した。町の近くの鉱山跡に巣くう無法者集団“ザ・デル”が、彼女の夫を殺したと言うのだ。町の警察も保安官も、強大な“ザ・デル”には手を出せない。町へ乗り込んだスペンサーは、はやくも“ザ・デル”と対峙するが、その様子を見ていた町の有力者たちは、驚くような提案をスペンサーにした。「金は出す、方法は問わない、“ザ・デル”を追い払ってくれ」さっそく準備にかかったスペンサーは、各地から腕利きのガンマンたちを集める。敵の勢力は四十人以上だが、ホークをはじめとするスペンサー陣営も凄腕ぞろいだ。西部の荒野に、対決の舞台は整った…だが、スペンサーの嗅覚は、事件の裏にまったく別の構図を嗅ぎ当てていた。対決を前に明らかになる、意外な事実とは?雄大な西部の荒野を舞台に、オールスター・キャストで送る、アクション巨篇。
はるか南部のジョージア州からやってきた依頼人は、馬の警備をスペンサーに依頼した。彼の経営する牧場で管理している馬が、何者かの手で次々と銃撃されているのだ。すでに三頭の馬が凶弾に倒れたが、今のところ金銭的な損害は軽微だ。だが、牧場には優秀な血統をもつ将来有望な名馬ハガーマガーがいる。高価な馬を守るため、銃撃犯を阻止してほしいというのだ。ホームタウンのボストンを離れ、愛しのスーザンともしばし別れて、スペンサーは単身南部ジョージアの牧場へ赴く。牧場には厳重な警戒態勢が敷かれていたが、スペンサーの嗅覚はそこにどこか不穏な空気も感じ取っていた。しかし、どうして価値もないような馬までが銃撃されたのか?はたして姿を見せぬ犯人の狙いは、何なのか?やがて凶弾は、思いもかけぬ標的に襲いかかった…。ボストンを離れ、単身事件に挑むスペンサーの活躍。人気シリーズ最新作。
自殺した学生とのゲイ関係などまったくない-ロビンソン教授は断言した。教授はゲイ関係の噂を立てられ、終身在職権を否決されたので調査を依頼してきたのだ。恩人の息子だからよろしく、というホークの紹介とあれば断わるわけにはいかない。スペンサーは黙って自殺事件の調査をはじめる。自殺した学生は、他人のゲイ関係を暴露するミニコミ紙を発行していたいかがわしい男だった。さらに、彼の銀行口座には法外な金が残されていた。犯罪の臭いを嗅ぎつけたスペンサーは、自殺現場を見て不審の念をいっそう強めるが…。ホークのみか、前後してスーザンも事件を持ち込んできた。女友達のKC・ロスが正体不明のストーカーに悩まされているという。こちらも気軽に引き受けたスペンサーは、ロスの元夫や元恋人を中心に聞き込みを開始する。ところが、孤独な境遇のロスはスペンサーに急接近し、ついには彼女自身がスペンサーに対しストーカー行為を働いてきた!息もつかせぬ展開で魅了する、人気シリーズ最新作。
初の短篇作品である「強襲」、長篇も含めてグランド・ナショナルをあつかった唯一の作品である「敗者ばかりの日」、めずらしくも婦人誌むけに書かれた「春の憂鬱」などの傑作に、本書のために書き下ろされた五篇の作品を加えた全十三篇の輝きが、ディック・フランシスの魅力のすべてを照らし出す。
フィリピン新人民軍の指導者を五百万ドルで買収し、香港へ亡命させろーテロリズムの専門家ストーリングズのもとに大仕事がまいこんできた。彼は工作を手伝ってもらうため、中国人ウーとそのパートナー、デュラントら、海千山千のプロを極東に集結させる。それぞれの思惑が交錯するなか、五百万ドルをめぐる虚々実々のゲームが開始された!巨匠の代表作。
刑務所を出たプロの犯罪者マクリンは、塀の中で面白い話を聞き込んでいた。パラダイス港に浮かぶ小島、スタイルズ島のことだ。島には金持ちの高級住宅と銀行があり、一本の橋で本土とつながっている。警備は民間の警備会社のみ。この島を襲い、すべての金品を丸ごと強奪してやろうというのだ。自信満々のマクリンは恋人のフェイに、こう言い放った。「世紀の強盗になるぞ」着々と準備を進めるマクリンは、資金を調達し、凄腕の仲間を揃える。殺し屋のクロウ、爆破屋のフラン、エレクトロニクスの専門家JD、水路に詳しい船主のコスタ。町へ下見に来たマクリンはパラダイス警察の署長ジェッシイ・ストーンを訪れる。たかが田舎町の警察と侮っていたマクリンだが、応対に出た相手にただならぬものを感じた。いっぽう百戦錬磨のストーンも、多忙な日常業務をこなしながら、密かにマクリンに探りをいれはじめる。平和な町に忍び寄る影-二人の対決の日は、目前に迫っていた。ニュー・ヒーロー、警察署長ジェッシイ・ストーンに、強敵が迫る。巨匠パーカーが贈る、男気満載のアクション巨篇。
ロス市警を辞職したジェッシイ・ストーンがはるばるとやってきたのは、アメリカ大陸の反対側、大西洋に臨む小さな町、パラダイスだった。町の警察署長が空席となり、彼がその職に採用されたのだ。パラダイスの町を牛耳る行政委員長ヘイスティは、そんなジェッシイに警戒心を抱いた。裏で不正資金の洗浄を手がけ、犯罪組織とも繋がりがあり、国民軍の名目で私兵までも率いる彼が求めていたのは、なんでも言うなりになる無能な警察署長だった。採用試験で酔っ払っていたジェッシィは、そんな狙いにぴったりの人材だった。そう、そのはずだったのだ。だが、就任早々、町の厄介者を殴り倒して見せたジェッシイは、警察署長として町に馴染んでゆき、その手腕を発揮し始める。徐々にヘイスティの真の姿に迫るジェッシイ。やがで、ヘイスティの愛人が死体で発見されるに及んで、両者の対決は避けられないものになってゆく…。スペンサーに比肩する期待の新キャラクター、警察署長ストーン堂々の初登場。
イギリス海兵隊特殊舟艇部隊を退役したハワードに舞いこんだ、極秘の依頼ーそれはイラクの独裁者フセインの暗殺だった。実行チームの編制に着手したハワードのもとに、英米をはじめとする元特殊部隊員、中東の専門家、射撃の名手など、プロフェッショナルたちがぞくぞくと集まってきた。周到な準備工作をへて、チームはいよいよ中東への潜入を開始する!筋金入りの戦闘員たちがくりひろげる、機略縦横の暗殺作戦とは。