著者 : 蓮見圭一
水曜の朝、午前三時水曜の朝、午前三時
「もしかしたら有り得たかもしれないもう一つの人生、そのことを考えなかった日は一日もありませんでしたー」一九七〇年、大阪万博を舞台に叶わなかった恋とその後の二〇数年。恋の痛みと人生の重みを描く、究極のラブストーリー。涙を誘った大ベストセラー。
別れの時まで別れの時まで
ベストセラー『水曜の朝、午前三時』著者が十年ぶりに放った長編恋愛小説、待望の文庫化。「私」は編集者。あるとき手記募集で応募してきた女性に関心を持ち面接をする。その女性、毛利伊都子は女優であり、彼女の波乱の人生に興味を持ち、ほどなく交際を始める。伊都子には息子がいたが夫の影はなく、同じく娘を持つ私は共感を覚え、密かな情事を深める。だが伊都子の家に出入りするうち私は監視されていることに気づいてしまう。彼女の息子の父親であるかつての恋人が指名手配されていたのであった。苦くて甘い大人の恋愛を描かせたら他の追随を許さない著者の、真骨頂ともいえる長編。
八月十五日の夜会八月十五日の夜会
祖父が死んだ。あの戦争を「生き延びたせいで見なくていいものをたくさん見た」と語っていた元二等兵の遺灰を故郷の海へ還すため、孫の秀二は沖縄を訪れる。そこで手にしたのは、古びた四本のカセットテープ。長い時を超え、その声は語り始める。かつて南の島に葬られた、壮絶な個人的体験をー。敗残兵の影、島民のスパイ疑惑、無惨な死。生への渇望と戦争の暗部を描く、力作長編。
水曜の朝、午前三時水曜の朝、午前三時
四十五歳の若さで逝った女性翻訳家が、娘のために遺した四巻のテープ。そこに語られる無惨な恋、許されぬ過去、そして「ひとつの死」。誰もが何かを探していたあの時代が、鮮やかによみがえる。追憶の光と影、切なさと歓びに涙がとまらない、感動の告白小説。
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