小説むすび | 著者 : 藤岡陽子

著者 : 藤岡陽子

春の星を一緒に春の星を一緒に

出版社

小学館

発売日

2025年8月27日 発売

救いと慈愛に満ちあふれた、感涙医療小説 奈緒(40歳)はシングルマザーの看護師として涼介と寄り添い生きてきた。その涼介も高校生、進路を考える年齢に。そんな折、大きな転機が訪れる。敬愛する医師三上の誘いもあり、思い切って東京の緩和ケア病棟で働くこととなる。死を間近に見つめる毎日の中、その瞬間まで幸せに生ききり希望を持てる最期を模索し続ける奈緒。一方、涼介は強く大きい夢を抱く。それは奈緒の夢でもある。母子の夢の行方、そして三上と奈緒のこれからは・・・・・・。 緩和ケア病棟を舞台に、綿密な取材と著者自身の看護師経験に基づく圧倒的リアリティ、温かな視線で人々の生き様、死に様を丁寧に紡ぐ。懸命に生きるすべての人々に送られる慈愛のエールに癒やしの涙は必至です。 【編集担当からのおすすめ情報】 6年前他界した母は晩年情緒不安定でした。そんな母が本作の前身となる医療小説『満天のゴール』を読み終えて、穏やかな声で私に言いました。「この本を読んで、死ぬのが怖くなくなったわ。ありがとう」--「小説は人を救えるんだ」と心から実感した瞬間でした。 現役看護師として長年多くの看取りを経てきた藤岡さんが描く死は、温かく、そして尊い。本作品に貫かれている「死は決して敗北ではない。懸命に生き抜いた先のゴールとして幸せな死がある」という考え、想い。それは、この作品を読んだ誰の心にも微かな灯となると思うのです。そして、生きている「今」を希望に変えてくれる。この作品に出合えて、本当に私は幸せでした。 目次 1 朝凪 5 2 暗影 13 3 永訣 42 4 蛍火 96 5 星原 131 6 明星 159 7 秋空 180 8 涙雪 237 9 邂逅 270 10 決戦 302 11 積雪 321 12 満天 351

きのうのオレンジきのうのオレンジ

出版社

集英社

発売日

2020年10月26日 発売

「弱音を吐かない人は、いつだってひとりで闘っている」 がん宣告を受けた<彼>と、彼を支える<家族>の物語。 心揺さぶられる感動長編。 三十三歳の遼賀が受けた胃癌宣告。どうして自分が……涙が溢れてきて、恐怖で震えが止まらない。その時、郷里の岡山にいる弟の恭平から荷物が届く。入っていたのは、十五歳の頃、恭平と山で遭難した時に履いていたオレンジ色の登山靴。それを見た遼賀は思い出す。あの日のおれは、生きるために吹雪の中を進んでいったのだ。逃げ出したいなんて、一度たりとも思わなかったーー。 【著者略歴】 藤岡陽子(ふじおか・ようこ) 1971年京都府生まれ。同志社大学文学部卒業。報知新聞社を経て、タンザニア・ダルエスサラーム大学留学。慈恵看護専門学校卒業。2006年「結い言」が、宮本輝氏選考の北日本文学賞の選奨を受ける。09年『いつまでも白い羽根』でデビュー。著書に『手のひらの音符』『晴れたらいいね』『おしょりん』『満天のゴール』『跳べ、暁!』などがある。現在は、京都の脳外科クリニックに勤めている。

満天のゴール満天のゴール

出版社

小学館

発売日

2017年10月26日 発売

人の生と死に希望をもたらす感涙医療小説 奈緒(33歳)は、10歳になる涼介を連れて、二度と戻ることはないと思っていた故郷に逃げるように帰ってきた。長年連れ添ってきた夫の裏切りに遭い、行くあてもなく戻った故郷・京都の丹後地方は、過疎化が進みゴーストタウンとなっていた。 結婚式以来顔も見ていなかった父親耕平とは、母親を亡くして以来の確執があり、世話になる一方で素直になれない。そんな折、耕平が交通事故に遭い、地元の海生病院に入院。そこに勤務する医師・三上と出会う。また、偶然倒れていたところを助けることになった同じ集落の早川(72)という老婆とも知り合いとなる。 夫に棄てられワーキングマザーとなった奈緒は、昔免許をとったものの一度も就職したことのなかった看護師として海生病院で働き始め、三上の同僚となる。医療過疎地域で日々地域医療に奮闘する三上。なぜか彼には暗い孤独の影があった。 一方、同じ集落の隣人である早川は、人生をあきらめ、半ば死んだように生きていた。なんとか彼女を元気づけたい、と願う奈緒と涼介。その気持ちから、二人は早川の重大な秘密を知ることとなる。 隠されていた真相とは。そして、その結末は・・・・・・・。 【編集担当からのおすすめ情報】 著者の藤岡陽子さんは、長年看護師として働き、人の生と死を常に見つめ続けてきた方です。今回、この本の執筆にあたり、実際に京都の丹後地方で僻地医療に奮闘されている医師の方を取材し、物語に厚みとリアリティと熱が注入されました。 33歳、夫に棄てられ故郷に戻り、看護師として働き始める女性。その母親を一番近くで支える10歳の涼介。父親の入院をきっかけに出会った、孤独と寂しさを抱える35歳の医師。そして、人生をあきらめ、死を待っている72歳の女性。この4人が出会い、物語を動かしていきます。 誰もが心に傷を抱え、辛いことや悲しい思いを乗り越えて、生きていく。この物語は、それぞれの成長譚であると同時に、もっともっと根本的な、生きること、死にゆくことに思いを巡らせるきっかけを与えてくれます。人のすべて。人生のすべてを温かく、小さな小さな希望ととらえることができるようになる、そんな一冊です。 満天のゴール 目次 1│ 帰郷 5 2│ 不穏 29 3│ 暗転 46 4│ 覚悟 67 5│ 決意 93 6│ 後悔 119 7│ 葛藤 138 8│ 宿命 156 9│ 過去 177 10│ 告白 190 11│ 別離 206 12│ 傷跡 224 13│ 思慕 241 14│ 真情 267 15│ 永遠 278 16│ 星空 289

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