著者 : 西條奈加
天涯孤独の身の上で、波乱の人生を歩んできたお藤。縁あって任された口入屋を立て直すために商いを一新。常識はずれの勝負は、やがて江戸を揺るがす事態に…。人が持つ力を信じ、自らの道を信じ、人生を切り拓く姿が胸を打つ感動の長編時代小説。
長屋の平和を守るため、悪党たちしぶしぶ大奮闘!スリに詐欺師に美人局、実は凄腕ばかりの善人長屋に迷い込んだ本物の善人・加助。人助けに燃え、減らず口の不良娘やケガをした当たり屋、不審な傷だらけの男児など、面倒の種をせっせと連れ帰り、そのたび騒動に巻き込まれる住人たちは戦々恐々。しかも拾った行き倒れが西国の盗賊一味と判明。とばっちりで差配の母娘が囚われてー!?
周囲から「善人長屋」と呼ばれる千七長屋。差配も店子も表向きは堅気のお人好し揃いだが、実は裏稼業を営む悪党だらけ。ある日、「閻魔組」と名乗る三人組によって裏社会の頭衆が次々に襲われ、惨殺される事件が発生する。天誅を気取る「閻魔組」の暗躍は、他人事として見過ごせない。長屋を探る同心の目を潜り、裏稼業の技を尽くした探索は奴らの正体を暴けるか。人情溢れる時代小説。
森で暮らす小鬼は、弟を探して迷い込んだ少女・民と出会う。 過去見の術を使って弟がいた過去世を見せるが、その為に民は錯乱し、身内に『鬼の芽』を生じさせた。 鬼の芽は、破裂し、非道を働けば、地獄に落とされ、現世へ二度と戻れない。 だから小鬼は、生まれ変わる度に生じる鬼の芽を、千年にわたって、摘みとる業を自ら望んで背負うことに……。 人の心の機微を、気鋭の著者が描く、ファンタジー小説。
長唄の師匠であるお蝶は三味線の腕前と美声で気性も粋な弁天との評判。お蝶の兄嫁の沙十はたおやかな色白美人で観音のたたずまい。人呼んで“弁天観音”美人姉妹は、頼まれ事を抜群の機知で解決していく。にぎやかな日々の裏で、お蝶を狙う影が大きく動き始める。凛とした痛快時代小説。
当代一の誉れ高い絵師・円山応挙の弟子・吉村胡雪こと彦太郎。その応挙の絵を絵図とこき下ろし、我こそ京随一の絵師と豪語する深山箏白こと豊蔵。彦太郎が豊蔵を殴りつけるという最悪の出会いから、会えば喧嘩の二人だが、絵師としては認め合い、それぞれ名声を高めながら数奇な人生を歩んでいくー。京画壇華やかなりし頃を舞台に、天才絵師の矜持と苦悩、数奇な生き様を描いた、読みごたえたっぷりの傑作時代小説!
ある東北の村から日本橋の酒問屋に招かれた一人の少女・イオ。彼女は「人の罪を映す」という不思議な目を持っていた。荒れた生活を送っていた酒問屋の跡取り息子・央介は、彼女の目をみたことで激しい良心の呵責に襲われ、かつて自分が犯した罪を購おうとする。やがて更生した央介とイオは、彼女の目を使って、江戸で起こる数々の事件を解決していくことに。しかし、イオの出生の秘密を知る侍が現れたことで、二人の運命は大きく動き始める…。感動のファンタジー時代小説。
冬の日、雪の結晶の形を調べていた下総古河藩の下士・小松尚七は藩の重臣・鷹見忠常(のちの泉石)に出会う。その探究心のせいで「何故なに尚七」と揶揄され、屈託を抱える尚七だったが、蘭学に造詣の深い忠常はこれを是とし、藩の世継ぎ・土井利位の御学問相手に抜擢した。やがて江戸に出た主従は、蘭医・大槻玄沢や大黒屋光太夫、オランダ人医師・シーボルトらと交流するうちに、大きな時代の流れに呑み込まれていく…。
紺屋の女将・紫屋環は、三ケ月前に亭主が殺された事件の真相を知るべく、大店の東雲屋を探っていた。環は、同じく東雲屋ゆかりの者に恨みを持つ女たちと出会い、四人で協力して東雲屋に挑むことに。しかし、それぞれの愛憎や思惑、環に惚れる同心、藍の産地である阿波藩のお家騒動なども絡み、事件は意外な様相を呈していく…。二転三転する展開と謎。気鋭が描く、痛快さと人情味に溢れた長編時代小説。
お君ちゃん、今日の菓子はなんだい?江戸は麹町の菓子舗「南星屋」。繁盛の理由は、ここでしか買えない日本全国、名菓の数々。若い時分に全国修業に出、主の治兵衛が自ら歩いて覚えた賜物である。娘のお永、孫のお君と親子三代、千客万来。でもこの一家、実はある秘密を抱えていて……。思わず頬がおちる、読み味絶品の時代小説! お君ちゃん、今日の菓子はなんだい? 江戸は麹町の菓子舗「南星屋」。 繁盛の理由は、ここでしか買えない日本全国、名菓の数々。 若い時分に全国修業に出、主の治兵衛が自ら歩いて覚えた賜物である。 娘のお永、孫のお君と親子三代、千客万来。 でもこの一家、実はある秘密を抱えていて……。 思わず頬がおちる、読み味絶品の時代小説! 「たかが菓子だ。そんな大げさなものじゃねえさ」 武士から転身した変わり種 諸国の菓子に通ずる店の主・治兵衛 「お団子みたく、気持ちのまあるい女の子になりなさい」 菓子のことなら何でもござれ 驚異の記憶力を持つ出戻り娘・お永 「お菓子って、面白いわね、おじいちゃん」 ただいま花嫁修行中! ご存じ、南星屋の”看板娘”・お君 カスドース 若みどり まるまるの毬 大鶉 梅枝 松の風 南天月
もと芸者でいまでも粋なお蔦さんはご近所の人気者だ。滝本望はそんな祖母と神楽坂でふたり暮らしをしている。三学期がはじまって間もないある日、同じ中学に通うサッカー部の彰彦とその後輩・有斗、幼なじみの洋平が滝本家を訪れていた。望手製の夕飯をお腹いっぱい食べ、サッカー談義に花を咲かせた、にぎやかな夜。しかし望と彰彦が有斗を自宅に送り届けた直後、有斗が血相を変えて飛び出してきた「部屋が血だらけで!家ん中に、誰もいないんだ!」消えた有斗の家族の行方、そして家族が抱える秘密とはー。
お蔦さんは僕のおばあちゃんだ。もと芸者でいまでも粋なお蔦さんは、面倒くさがりなのに何かと人に頼られる人気者だ。そんな祖母と僕は神楽坂で暮らしているけれど、幼なじみが蹴とばし魔として捕まったり、ご近所衆が振り込め詐欺に遭ったり、ふたり暮らしの日々はいつも騒がしい。神楽坂界隈で起こる事件をお蔦さんが痛快に解決する!あたたかな人情と情緒あふれる作品集。
表は堅気のお人好し、裏は差配も店子も凄腕の悪党が揃う「善人長屋」。天誅を気取り、裏街道の頭衆を血祭りに上げる「閻魔組」の暗躍は、他人事として見過ごせない。長屋を探る同心の目を潜り、裏稼業の技を尽くした探索は、奴らの正体を暴けるか。
善い人ばかりが住むと評判の長屋に、ひょんなことから錠前職人の加助が住み始めた。実は長屋の住人は、裏稼業を持つ“悪党”たち。差配の儀右衛門は盗品を捌く窩主(けいず)買い。髪結い床の半造は情報屋(ねたもと)。文吉、唐吉兄弟は美人局(つつもたせ)。根っからの善人で人助けが生き甲斐の加助が面倒を持ち込むたびに、悪党たちは裏稼業の凄腕を活かし、しぶしぶ事の解決に手を貸すが……。人情時代小説の傑作!
ときは近未来、ところは日本領土内、鎖国状態の「江戸国」。上質の阿片が海外に出回り、江戸国は麻薬製造の嫌疑をかけられる。極悪非道で知られる長崎奉行ゴメスは、異人たちが住む麻衣椰村に目をつける。辰次郎が想いを寄せる女剣士朱緒の過去が絡み合い、事態は思わぬ展開を見せるがー。「日本ファンタジーノベル大賞」大賞受賞作の続編。
近未来の日本に、鎖国状態の「江戸国」が出現。競争率三百倍の難関を潜り抜け、入国を許可された大学二年生の辰次郎。身請け先は、身の丈六尺六寸、目方四十六貫、極悪非道、無慈悲で鳴らした「金春屋ゴメス」こと長崎奉行馬込播磨守だった!ゴメスに致死率100%の流行病「鬼赤病」の正体を突き止めることを命じられた辰次郎はー。「日本ファンタジーノベル大賞」大賞受賞作。
上質の阿片が海外に出回り、その産地として、日本をはじめ諸外国から槍玉に挙げられた江戸国。老中から探索を命じられたのはご存知「金春屋ゴメス」こと長崎奉行馬込播磨守。ゴメスは、異人たちの住む麻衣椰村に目をつけるが…。辰次郎、NY出身の時代劇オタク・松吉、海外旅行マニア・奈美といった面々はもちろん、女剣士朱緒をはじめ新メンバーも登場し、ますますパワーアップした異色時代小説。