小説むすび | 著者 : 谷崎由依

著者 : 谷崎由依

百日と無限の夜百日と無限の夜

出版社

集英社

発売日

2025年9月26日 発売

初めて知るのだが、母体の内部は、らせんだ。 拗れて考えて、愛して爆発して、無限へ手をのばす。 らせんだ。凄い。 ーー古川日出男 女の体の全てがここにある。 自身の胎内めぐりの旅に出た女と共に 私たちにも闇の先の光が降ってくる。 これは生まれ直しの物語だ。 ーー中村佑子 第一子の妊娠中、切迫早産で急遽入院を余儀なくされた「わたし」。 医師からは「3ヵ月は出られない」という衝撃の事実を聞かされる。妊娠7ヵ月で子宮口がひらくとは、それほどの重症なのだった。 生業とする書き仕事や日常の営みを奪われ、ただすべての時間を横になって過ごす日々の中、 ある晩ひとりの女が「わたし」のもとを訪れる。彼女こそ、能『隅田川』に登場する女物狂い。 人攫いに遭い子を失った彼女を案内人に、中世・京の都から駆け込み寺、若狭のお水送り、海辺の産小屋へと、「わたし」と“班女”の時空を超えた道行きは続き……。 切迫早産での入院中の日々の詳細と、 子産みと生命にまつわる夢幻の地獄めぐりを編み上げた、 かつてない出産幻想文学。 【著者略歴】 谷崎由依 (たにざき・ゆい) 1978年、福井県生まれ。京都大学大学院文学研究科修士課程修了。2007年「舞い落ちる村」で第104回文學界新人賞受賞。19年『鏡のなかのアジア』で第69回芸術選奨文部科学大臣新人賞を受賞。近畿大学文芸学部准教授。小説執筆のほか、英語圏小説の翻訳を手がける。その他の著書に『舞い落ちる村』『囚われの島』『藁の王』『遠の眠りの』、訳書にジェニファー・イーガン『ならずものがやってくる』『キャンディハウス』、ノヴァイオレット・ブラワヨ『あたらしい名前』、コルソン・ホワイトヘッド『地下鉄道』など。

遠の眠りの遠の眠りの

出版社

集英社

発売日

2019年12月5日 発売

大正末期、貧しい農家に生まれた少女・絵子は、農作業の合間に本を読むのが生きがいだったが、女学校に進むことは到底叶わず、家を追い出されて女工として働いていた。 ある日、市内に初めて開業した百貨店「えびす屋」に足を踏み入れ、ひょんなことから支配人と出会う。えびす屋では付属の劇場のため「少女歌劇団」の団員を募集していて、絵子は「お話係」として雇ってもらうことになった。ひときわ輝くキヨという娘役と仲良くなるが、実は、彼女は男の子であることを隠していてーー。 福井市にかつて実在した百貨店の「少女歌劇部」に着想を得て、一途に生きる少女の成長と、戦争に傾く時代を描く長編小説。 【著者略歴】 谷崎由依 1978年福井県生まれ。作家、近畿大学文芸学部准教授。2007年「舞い落ちる村」で第104回文學界新人賞受賞。19年『鏡のなかのアジア』(集英社)で芸術選奨文部科学大臣新人賞を受賞。小説のほか、英米小説の翻訳を手がける。著書に『舞い落ちる村』、『囚われの島』、『藁の王』、訳書に、ジェニファー・イーガン『ならずものがやってくる』、コルソン・ホワイトヘッド『地下鉄道』など。

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