著者 : 谷瑞恵
【『思い出のとき修理します』の著者が贈る、珠玉の伝承ミステリー】 古くからの言い伝えを調べる伝説収集家との出会いが、 大切な人を失った百絵の未来を変えていくーー。 ****************************************** 人にしかできない癒しと再生の物語が優しく胸に響きます。 マルサン書店サントムーン店 原田里子さん ****************************************** 【著者より】 「こだま」は「木霊」と書きます。森の中に反響する音に、昔の人は木々の魂を感じたのでしょうか。 現代でも、御神木や謂れのある木など、大切に守られています。 日常のそばに、伝説は意外とあふれているのではないでしょうか。 伝説収集家の賀見社と、現実的な感覚の百絵、二人のやりとりも読みどころです。 どうして賀見社が伝説を集めるのか、身近な伝説に触れ百絵が何を得るのか、ぜひお楽しみください。 【あらすじ】 路地裏にひっそりとたたずむ「喫茶こだま」で働き始めた百絵。 雇い主の賀見社は、古くからの言い伝えを調べる「伝説収集家」なのだという。 姉の魂を連れていった井戸の神さま、 切ってはいけない呪われた木の秘密ーー。 賀見社のもとに舞い込むのはこの世の理では解くことのできない謎ばかり。 思いがけず彼を手伝うことになった百絵だが、 すべては、自らの切ない過去につながっていきーー。 奇跡に満ちた救いの物語が、あなたの心にこだまする。 【目次】 1 幸せの香 2 水を染める色は 3 木々の声音 4 柳の下に眠る 5 神隠しの山
子供のころ、誰もが読んだ優しい物語が今の私の心に大切なことを思い出させてくれるー。契約社員の野花つぐみは、実家の本棚でお菓子レシピが挟まった、見慣れない『小公女』の古書を見つける。それは不思議な老女・メアリさんの遺品だった。どうやらその本はつぐみだけでなく、この街の様々な人に届けられているらしい。『小公女』の「ぶどうパン」、『不思議の国のアリス』の「女王様のタルト」、『ドリトル先生』の「アブラミのお菓子」…つぐみの本探しと物語の菓子作りはやがて、簡単にはやり直せない過去を抱えた人々との優しい縁を結び始める。じんわり涙がこぼれる6つの連作集。
仲の良い姉妹・笹子と蕗子が営む小さなサンドイッチ専門店『ピクニック・バスケット』。 ここには悩みを抱えた人々が、心を癒す絶品サンドイッチを求めてやってくる。 ある日、蕗子はパンダのアップリケが付いた手作りのパスケースが店内に落ちているのを発見した。 密かに想いを寄せるパン職人・川端さんが持っていたものと似ている。 持ち主は誰だろうとやきもきして……。 「思い出のとき修理します」の著者が贈る優しい感動の物語。
火事で家族を失った大学生の水城朔実は、自らを育ててくれた恩人に頼まれ、「幻堂設計事務所」、通称「まぼろし堂」を訪れる。主の幻堂風彦が案内してくれたのは、館内に迷路のように広がる部屋の数々。この「まぼろし堂」には、「あかずの間」を貸し出すというもう一つの顔があり、さらには訳ありげな下宿人たちを受け入れてもいて…。個々の人生の物語に「居場所」をあたえる「まぼろし堂」と風彦との出会いが、身寄りなき朔実にもたらすものとは?
大阪の小さなサンドイッチ店『ピクニック・バスケット』を営む仲の良い姉妹・笹子と蕗子。 彼女たちの店には、今日も悩みを抱えた人々が、心を癒す絶品サンドイッチを求めてやってくる。 人気シリーズ第2弾!
大ヒット『異人館画廊』シリーズ、待望の第6弾!! 千景の元に 「僕が誰だかわかるかい? 僕たちは運命の糸で結ばれている。--もうすぐ僕は、絵を完成させる。見た人を不幸にする絵だ……」 と脅迫めいた手紙が届いた。 早速、調査に乗り出すキューブのメンバーたち。 プラチナミューズの矢神が関わる可能性も浮上し、謎は更に深まって……。 消えた図像術の研究者、有名な心霊スポット「切山荘」、四つの絵……点と点が線となり、やがて千景の過去へと繋がっていく。 誘われるように、自らの失った記憶に向き合おうとする千景を透磨は案じ、守ろうと二人の距離は近付いてーー!? 1 心霊スポット 2 消える絵 3 ストリートパフォーマンス 4 過去からの断片 5 四神と怪物 6 魔が集う夜に
忘れていた幸せの味、思い出してみて。 子供のころの記憶に苦しむOLや、父の再婚に悩む少女── 迷える人々の心を、絶品サンドイッチが癒やします。 大阪の靱公園にある『ピクニック・バスケット』は、開店して三年を迎える手作りサンドイッチの専門店。蕗子が、姉の笹子──笹ちゃんのこの店を手伝いはじめて、半年になる。 笹ちゃんは店を訪れた人たちの、具材への思いや記憶、そして物語をやさしくパンにはさんで、誰が食べてもなつかしいような新しいような、そんなサンドイッチをつくっているのだ……。 おっとりした姉としっかり者の妹、店を訪れる個性的な人々──常連客の小野寺さんやパン職人の川端さん──が織りなす、優しくも愛おしい物語。 1 タマゴサンドが大きらい 2 ハムキャベツの隠し味 3 待ち人来たりて 4 はんぶんこ 5 おそろいの黄色いリボン
ファッション業界で働く紬の前に、長らく行方不明だった母親の文子が姿を現した。紬の部屋で暮らし始めた母は自身を「山姥になった」と言い、面影にもどこか違和感がある。困惑する紬は、同じく故郷を離れ東京で暮らす二人の姉に相談するがー。20代、30代、40代。それぞれの年代の三姉妹は、母との再会をきっかけに、自分自身を見つめ直すことになる。母と娘の絆を描く、心に染みるミステリー。
今年33歳になる竹宮ひかるは、結婚を前提に交際していた相手の母親から、手切れ金と共に息子と別れるよう言い渡される。幼い頃から母に束縛され、上京してきてからも人生が思い通りにいかない。そんな時、亡くなった父から、一通の封筒が届く。そこには携帯の番号と「開けるヒント」という言葉が書かれていた。その番号の相手は、ひかると高校時代に孤独を分け合い、いまも孤独の只中にいる達郎だった。再会した二人は、修学旅行で乗った特別列車「あおぞら号」にいた、幸運をもたらすと伝えられている「ソラさん」を思い出す。彼を見つけることが、いまの人生を変えるきっかけになるのではないかと思い、二人の「ソラさん」を探す旅が始まる。
手紙雑貨の店「おたより庵」の店主・詩穂は、 「自分が死んだらこの手紙を投函してほしい」と中学時代の親友・響子に託された。 やがて季節は巡り、彼女の死を知った詩穂は手紙を開封し、 過去にまつわる事件に巻き込まれてゆくーー。 町家の並ぶ、どこか懐かしい町で「あの日の約束」が再び動き出す。 店を訪れる者と、想いを伝えたい大切な誰かを繫ぐ、 あたたか優しい手紙ミステリー! 疎遠になった親友へ、今は亡き母へ、離れても大切な家族へ…… 『おたより庵』の店主は今日も、 さまざまな想いをこめた手紙にそっと寄り添う……。
事故で婚約者を喪った額装師・奥野夏樹。彼女の元には一見額装不可能で、いわくありげな依頼ばかりやってくる。ヤドリギの枝、小鳥の声、毛糸玉にカレーポットー。表具額縁店の次男坊・久遠純は夏樹の作品の持つ独特な雰囲気に惹かれ、やがて彼女自身にも興味を持つのだが…。『思い出のとき修理します』著者が紡ぐ、心温まる手仕事小説。
自殺未遂した少女、消えた絵……。鈴蘭学園美術部で起こった複数の事件には、図像術の影響が感じられる。千景は生徒の一人を装い、学園の潜入調査を決行することに……。話題の美術ミステリー第5弾!
職を失った男のもとへやってきた猫、かつて飼っていた猫に会えるというホテル、猫飼い放題の町で出会った二人、猫が集まる縁結びの神社、死後に猫となり妻に飼われる男──猫にまつわる五つの物語。
ファッション業界で働く小峰紬の前に、行方不明だった母親の文子が姿を現した。面影にどこか違和感がある母に困惑する紬は、年の離れた姉の麻弥と絹代に相談する。二十代の紬、三十代の麻弥、四十代の絹代。仕事や恋、家族について、それぞれに悩みをいだく三姉妹は、母との再会で変化がー。三姉妹と母との絆をめぐる、切なく温かいミステリー。
「禁断の絵」を守る成瀬家から問題の絵が盗まれ、何者かによって異人館画廊に持ち込まれた。同時期、次期当主の雪江が遺体で発見されるが、容疑者の男が千景の誘拐事件の関係者とわかり……!?
秀司から手作りの時計を贈られ、プロポーズされた明里。しかし、彼が自分との生活のために夢を諦めることに納得がいかず……。少し不思議で心温まる大ヒットシリーズ、いよいよ完結!(解説/神田法子)
グリム童話をベースに、舞台を現代におきかえ、ストーリーを大胆にアレンジ! ヒロインがふたりの白雪姫、老舗ホテルの一人娘として生まれた眠り姫、廃屋から届く依頼に悩むヘンゼルとグレーテル…など全6編。
図像術の絵を求めてブリューゲルのコレクターが住む離島を訪ねた千景。コレクターは邸の庭園でブリューゲルの絵を再現し、図像術を込めようとしていた。庭園を完成させれば絵を見せると言われた千景だが……。