著者 : 豊島ミホ
思春期まっさかりの中学2年×20人、男女それぞれの“ままならぬ想い”を描く連作短篇全20話。一口に片思いと言っても、その想い方はさまざま。10代ならではの不器用なアプローチに胸が熱くなること必至。カップルであってもお互いの気持ちにすれ違いが生じていたり…。巻末に、20人の想いの方向が見える“恋の相関図”付き。
ダメダメなあたしたちにも明日は来る。否応なくーコタツでとぐろを巻く童貞達にも、自己マン臭ぷんぷんの映研に反旗を翻す女子たちにも、クレバーに生きたい男子にも、つまんない周りとつまんない自分にうんざりの優等生にも、何かになりたくて何にもなれない彼女にもーそれでもあたしたちは生きてゆく。凹み、泣き、ときに笑い、うっかり恋したりしながら。ひたすらかっこ悪く、無類に輝かしい青春小説。
うららかな5月の光景が一変したー東京で震度6強の大地震が発生。家は崩れ、あちこちから火の手があがり、多くの命が失われた。子どもと公園で遊んでいて生き埋めになった主婦。免震マンションに篭城するアイドル。いじめの「復讐」を果たすため、被災地に乗り込む中学生…。極限状態で直面する本当の気持ちとは?身体に心に痛手を負った14人の、悲しみと明日への希望を描く小説集。
いまどきのフレッシュな名作だけを厳選した超豪華ラインアップ。あさのあつこ、恩田陸、加納朋子、北村薫、豊島ミホ、はやみねかおる、村上春樹の傑作短編を収録。
保健室登校の女友達とのぎこちない友情。同級生と馴染めない、音楽ライター志望の偏屈な女子に突然訪れた恋。大好きな彼とさよならすることになっても、どうしても行きたかった、東京ー。山と田んぼに囲まれた田舎の高校を舞台に、「あの頃」のかっこ悪くて、情けなくて、でもかけがえのない瞬間を切ないまでに瑞々しく綴る、傑作青春小説。
なんにもない田舎で暮らす小学生センリ。でも気になることは山ほどある。クラスメイトとの微妙な距離感、となり町での発見、垣間みるオトナの事情…。“明るい子ども”でいるため、言葉にできなかった7つの思い。人生で一番長い6年。小学生センリが初めて知る、不安、痛み、憧れ、恋。『檸檬のころ』で注目を集めた24歳の新鋭が、新しい発見に満ちた日々とほろ苦い成長の過程を、細やかに掬い上げる。
「怪しすぎるよ。こんなところに『弟』がいるなんて嘘じゃないの?」父と二人、少女は教会の地下、苔むした石畳を歩んでいく。研究者の父と、社交に忙しい母、二人のメイドとともに館で何不自由なく暮らしていた彼女の前に、野生児の「弟」が出現した…。R-18文学賞読者賞受賞作家の魅惑的なゴチック・ロマンス。
今でも鮮やかに蘇る、あの竹やぶの家。幼い私は、縁側で待っているお兄さんと遊ぶときが一番幸福だった。今、そのお兄さんが目の前に立っている。犯罪者として…。からっとしてるけどせつない、明るくて可愛いけど哀しい。女の子の圧倒的支持を受けた『青空チェリー』に続く、豊島ミホの第二短編集。
入学して一ヶ月、うちの予備校の隣にラブホが建った。以来あたしは屋上からのぞきちゃんな日々。ゆるしてちょうだい、だってあたし18さい。発情期なんでございます…。明るい顔して泣きそな気持ちがせつない、三つのストーリー。第1回女による女のためのR-18文学賞読者賞受賞作。