著者 : 辻真先
東京創元社創立70周年記念書き下ろし 館×大正ロマン×特殊設定×江戸川乱歩 「むの字屋敷」で巻き起こる、 死体消失に衆人環視下の殺人! レジェンドが贈る、本格ミステリの集大成 大正8年、帝国新報の記者・可能勝郎は、玉電で東京郊外の世田谷村にやってきた。富豪である守泉家が、中村座を招き「番町皿屋敷」を上演するのを取材するためだ。守泉邸は上空から見ると「む」のような形をした、通称「むの字屋敷」と呼ばれている。中村座の俳優・静禰や、伊藤晴雨のモデル・カネなどにも話を訊きながら上演日を待つ勝郎は、屋敷内で女性の死体を発見。しかし、いつの間にか消失していて……。〈昭和ミステリ三部作〉、そして〈ポテトとスーパー〉にも繋がる、長編ミステリ。
テレビドラマの生放送中なんと主演女優が殺害される!? 年末ミステリランキング3冠『たかが殺人じゃないか』待望の続編 “ミステリ界のレジェンド"が放つ、鮮烈な本格ミステリ 『仮題・中学殺人事件』(1972)から50周年&卒寿記念出版 生放送中のテレビスタジオで主演女優が殺害された! 自らが手掛けたミュージカル仕立てのドラマ撮影現場での殺人に、駆け出しミステリ作家・風早勝利と、名バイプレイヤー・那珂一平が挑む! 戦前の名古屋を活写した『深夜の博覧会 昭和12年の探偵小説』、年末ミステリランキングを席巻した『たかが殺人じゃないか 昭和24年の推理小説』に続く、〈昭和ミステリ〉シリーズ第三弾。ミステリ作家デビュー50周年&卒寿記念出版。
明智小五郎と小林少年の偽者、あらわる!明智先生の偽者は二十面相だろうけれど、小林くんの偽者は誰だ?「女の子かもしれない」だって!?昭和21年春。疎開していた少年探偵団の団員も、少しずつ戻ってきているなか、二十面相の暗躍はやむことがなかった。団員の羽柴くんの家には、明智探偵と小林少年の偽者まであらわれたという。銀座の美術店、名古屋の映画館、私立学園の建築予定地と、神出鬼没の二十面相を、明智は追い詰めることができるのか?そして、「小林少年の偽者」の正体は!?
昭和24年、去年までの旧制中学5年生の生活から一転、男女共学の新制高校3年生になった勝利少年。戸惑いの連続の高校生活を送る中、夏休みに不可解な二つの殺人事件に巻き込まれるーー。勝利は、那珂一兵の助けを借りながら、その謎に挑む! 著者自らが経験した戦後日本の混乱期と、青春の日々をみずみずしく活写する、『深夜の博覧会 昭和12年の探偵小説』に続くシリーズ第2弾。
怪人二十面相、焼け焦げた帝都を暗躍す!1945年8月15日、日本敗戦。明智小五郎は応召して不在。「二十面相ふたたび現る」の報に、小林少年がひとり、立ちあがる!昭和を代表するダーク・ヒーロー、巨匠の筆に乗り、平成の終わりを駆け抜ける。痛快無類の冒険探偵小説!
昭和12年(1937年)、銀座で似顔絵描きをしながら漫画家への夢へ邁進している那珂一兵のもとを、帝国新報(のちの夕刊サン)の女性記者が訪ねてくる。5月末まで開催中の名古屋汎太平洋平和博覧会の取材に同行して挿絵を描いて欲しいというのだ。華やかな博覧会の最中、一行が巻き込まれた殺人事件。名古屋にいたはずの女性の足が、遠く離れた銀座で発見されたーー! 名古屋、東京間に仕掛けられた一大トリックに、那珂少年はどんな推理を巡らせるのか? 空襲で失われてしまった戦前の名古屋の町並みを、総天然色風味で描く著者最新長編。
明治天皇が北海道に行幸し、義経号に乗車する。だが、北海道大開拓使・黒田清隆に恨みをもつ屯田兵が列車妨害を企てていた。探索に放った諜者は謎の死を遂げた。警視総監は元新撰組三番隊長斎藤一こと藤田五郎に探索方を依頼。藤田に従うのは清水次郎長の子分、法印大五郎。札幌入りした二人は、不平屯田兵の妻が黒田に乱暴され首吊り死体となった事件を探る。書下し長篇歴史冒険推理。
北関東の山間にたつグループホーム「若葉荘」。そこには元天才少女小説家の世話人と、自在に歳を重ねた高齢者たち、車椅子暮しの元刑事らが暮らす。だが穏やかな日々は、その冬いちばんの雪の日、密室で発見された射殺死体の出現によって破られる。十七歳の住み込みスタッフ・綾乃は、一癖も二癖もある住人のなかで隠された因縁を解き明かし、真相に迫ることができるのか!?
未来S高校航時部ー端正な顔立ちと鮮やかな身のこなしで女子の人気を集める少女・黎、彼女に想いを寄せる歴史オタク・真琴、ESPを操る小坊主・越人、武術の達人・凛音、探偵団きっての秀才・学。卒業間近の五人に命じられた最後のタイムトラベル、目的地は、新撰組が華々しく活躍する京都だった。しかし、顧問・蓮橘と学を残して先にタイムリーパーに搭乗した部員が、同行者の少女・アザミと共に消失してしまう!彼らが飛ばされたのは、目指していた時代の数年先、旧幕府軍と新政府軍の巨艦が争う宮古湾海戦の最中だった!人気タイムトラベル・ミステリーシリーズ、ここに完結!
アニメ、マスコミ関係者の集う、新宿ゴールデン街のバー『蟻巣』。ミステリ好きの客たちがあれやこれやと推理を語り明かした日々も今や昔、ついに閉店の日を迎える。鍵の返却までのわずかな時間、常連客たちは、チェシャ猫をなでながらパイプを燻らせていた、在りし日のマンガ家・那珂一兵の姿を思い出す。その一兵が遭遇した二つの事件を、別れの酒の肴に語り始め彼らがたどり着いた、衝撃の真相とは? 近江由布子、新谷知久、可能克郎と辻ミステリのオールスターキャストで贈る推理作家協会賞受賞シリーズ最終作。
タイムマシンを使って時代を行き来し、自分たちの世界の危機を救った未来S高校航時部の五人。ボーイッシュな美少女・黎、おしゃれ歴女(実は♂)・真琴、ドジな小坊主・越人、戦闘少女・凛音、探偵団の頭脳・学。TPから、大阪城内で失踪したアンドロイド捜索の要請を受けて、彼らはまたもや時空を超えるはめに。行き先は、悲劇の武将、真田幸村が活躍する大坂夏の陣。調査を開始するやいなや、本来なら夏の陣が終わってから自害するはずの淀君が暗殺されてしまった!このままでは歴史が変わり、未来の平和まで崩れてしまう。学が思いついた起死回生の秘策とは!?殺人事件の犯人は?
北関東の山間にたつグループホーム「若葉荘」。世話人は元天才少女小説家。居住者は自在に歳を重ねた高齢者たちと、車椅子暮しながら筋骨隆々の元刑事と、身寄りのない彼の姪。賑やかで穏やかな日々は、その冬いちばんの雪の日、とつぜん破られる。密室に転がった射殺死体の出現によってーホーム最年少の少女スタッフは、隠された因縁を解き明かし、真相に迫ることができるのか!?半世紀を超える筆歴を持つ日本一やんちゃな巨匠が、稚気と叙情と茶目っ気を縦横に駆使して描く、本格ミステリ長編!
二十二世紀から江戸時代を訪れた五人の高校生ー未来S高校航時部。圧倒的美少年・黎、ミステリ&歴史おたく・真琴、超能力小坊主・越人、クールな戦闘家・凛音、頭脳明晰なリアリスト・学。顧問の蓮橘と共に江戸での生活になじみはじめた矢先、長屋で密室殺人事件が発生。現場の状況から、黎が知り合った少女、お美濃に嫌疑がかけられてしまう。手がかりは、事件発生時に目撃された天翔ける巨大な怪猫。不可能犯罪の真相は、五人の生い立ちの秘密と時間旅行の謎に迫る!
青山から北関東のとある町へ移住した牧薩次(ポテト)とキリコ(スーパー)夫婦。亡き義父の願いから高齢出産を決意したキリコは、地元の女子中学生・美祢に住み込みで手伝いをしてもらうことにする。やがて臨月間近の秋祭のさなか、キリコに謎の原稿が手渡される。助産師の息子の書いたミステリ作品らしい。それが、キリコたちに新たな事件をもたらすことになろうとはー。大きなお腹をかかえて難事件に挑むキリコと薩次、そしておなじみのキャストで贈る、シリーズ最終巻。「犯人は読者だ!」の衝撃作『仮題・中学殺人事件』から40年を経て、ついに迎えるフィナーレ!
4人の小説家による鉄人28号トリビュート SF作家で日本SF作家クラブ会長でもある瀬名秀明による『プロメテウスの悪夢』はものを考えるロボット・ロビーと、敷島博士の夫人・美也子との不思議な心の交流を描く美しいSF。『特急あさかぜ鉄人事件』は、鮎川哲也賞受賞のミステリ作家・芦辺拓が鉄道ミステリのおもしろさをPX団、ニコポンスキーが登場するバギューム事件に盛り込んだ本格ミステリ。アニメ、ミステリ、SF界の重鎮・辻真先の『殺人28号研究オヨヒ開発完成ニ至ル経過報告書』は太平洋戦争中の鉄人開発計画をめぐる軍事科学小説。さらに、日本推理作家協会賞短編部門も受賞したSF作家・田中啓文による神戸を舞台にした書下ろし『夢の巨人』を加えて単行本化します。
太平洋戦争末期、沖縄は米軍の激しい空襲に曝されていた。本土疎開ももはや手遅れ。庶民の逃げる先はいまやヤンバル(本島北部)を覆う密林地帯しかなかった。沖縄刑務所もついに解散となり、収監されていた北城尚純もヤンバルに向かう。途中、老人の遺体にすがる少女に遭遇した。被弾した老人は酒蔵の主で、二百五十年の歴史をもつ古酒の甕を抱えていた。少女は父親が命と引き替えに守った古酒とともに逃げる決意を固める。囚人と少女の凄絶な脱出行が始まった。
目の不自由な主人公を実体験しようと自らマスクで目をふさぎ、離れ小島・とむらい島へでかけた推理作家・高篠英麗奈。ところが、翌日、英麗奈とともに島へ渡った編集者・浅田が殺害されてしまう。島に残る海賊伝説同様、崖から突き落とされ竹に串刺しにされるという残忍な殺され方で、しかも、現場周辺にはハイヒールのあとが。だが、島には女性は英麗奈以外にいないはず…。犯人と疑われ思わず逃げ出した英麗奈だが、マスクの鍵は浅田がもったまま!絶体絶命の危機が迫る。
「審判は終わった…にもかかわらず、凶手の姿は闇に包まれたままである!」。冥界の法廷で、全ての嘘を見通すはずの閻魔大王が出した苦渋のギブアップ宣言。不可能犯罪の容疑者とされた19歳のみすずは、冤罪を晴らすべく真相究明に挑む。真犯人は誰?閻魔大王に死角は?これを読まずば死なれまい。