著者 : 辻真先
光岡珠子18歳。小劇団の女優だったが、北海道旭川で解散の憂き目に会った。そのとき中江茅野という女性に「1カ月150万円で、富良野の大地主登川家の行方不明になっているお嬢さん知美になりすましてほしい」と頼まれた。気楽にこの話にのった珠子だったが…。登川家では、4年前、孫娘の知美が誘拐され、それを心配した父親友武氏が交通事故で死んでいた。さらに無事発見された孫娘も、1年後に母親とともに“このままでは私たちも殺される”と言い遺し、失跡していた。アッと驚くトリックの数々!意表をつくドンデン返し!観光地富良野を舞台に九官鳥を連れた妙な探偵不二永介が大活躍する新シリーズ書下ろし第1弾。
児童書の編集者・綿畑克二は、童話の『不思議の国のアリス』の世界をこよなく愛す青年だった。ある日、スナック「蟻巣」で眠ってしまった綿畑は、夢の中で美少女アリスと出会った。しかも彼はアリスの婚約者であり、殺猫犯人の容疑者として追われていた。やがて目が醒めた彼は編集長・明野重治郎が殺害されたと知らされるが、再び睡魔に襲われ、アリスの待つワンダーランドに引き戻される。長篇ミステリー。
またまた失恋したユノキプロのイベントキャスター・葉月麻子、自棄っぱちで受けた仕事は、アイドルタレント・由岐千春の石垣島公演。渡りに船と飛びついた。だが、その初日公演の大成功を祝うパーティ会場に、なんと麻子を振ったばかりの男・江本滋が現われた。千春のパトロンが殺され、千春に容疑がかかっている、助けてほしい、と…。元恋人の恋人を救うため麻子の推理は冴える。
晴れて新婚生活に入った智佐子・克郎の愛の巣は、六畳一間の木賃アパート、仕事机どころか満足なベッドも入りません。でも家賃格安、交通至便、名前も〈真珠荘〉とロマンチックです。しかしうまい話にゃ裏がある、やはり出ました!幽霊がー。そして何と福島のおばあちゃんまで転がりこんできて、何やら前途多難先行き不安な気配です。好評の死体つきシリーズ/スイート・ホーム編。
警視庁捜査一課の超マジメ刑事朝日正義と迷犬ルパンのコンビ、今回は科学万博へやってきた。その日、会場に隣接する宿泊施設で、焼死者の出る不審な火事があり、朝日とルパンは捜査を始めた。しかし翌日、ルパンに吠えられた老人がショック死する事件があり、ルパンに殺人の犬疑ーいや嫌疑が…!怪事件の行方は?
晩秋の昼下がり、東京湾岸の倉庫内の密室で、新進書家下条勝峰が何者かに撃たれ、重傷を負った。容疑は勝峰の母の愛人で、書道界を牛耳る評論家の稲村にかけられたが、まもなく彼は雪の山梨県内で他殺死体となって発見された。捜査陣が混乱するなか、今度は稲村を調査していた探偵渋川剛吉が交通事故に…。遺されたのは、渋川が手に入れた嬰児の毛で作った一本の〈胎毛筆〉。事件に巻き込まれたOL麻生遥子は恋人剣持澄人の力を借りて大胆な推理を試みたが、ふたたび第四の犯行が…。人気快調の著者が、伝統芸術“書”の世界に材を採り、軽妙洒脱な筆致で贈る本格推理の書下ろし傑作。
推理作家・牧薩次は、ファンから贈られた“新幹線2階建て寝台”の切符で旅へ。が、車中で奇妙な事件が続発。その謎のカギは、ファンから預っていた“小説”に暗示されていた!?そこで牧の婚約者でスーパー・ウーマンの可能キリコも登場して…。著者お得意の“創案列車”と多層構造の異色推理長編。