著者 : 近藤史恵
“龍神の神子”として異世界「京」へ召喚された少女、元宮あかねは、怨霊や鬼と戦う日々を送っていた。しかし、神子には外出を控え、力を回復しなければならない「物忌み」という日がある。外出できないあかねは、神子を守る八人の男たち「八葉」に、「京」の話をしてほしいとせがむ。彼らは、あかねの知らない自分たちの日常や過去のことを語り始めるー。女性に大人気!ネオロマンスゲーム「遥かなる時空の中で」初のノベルをミステリ作家・近藤史恵が描いた傑作、ついに文庫化。
十五年前、大物歌舞伎役者の跡取り息子として将来を期待されていた少年・音也が幼くして死亡した。それ以降、音也の妹・笙子は、自らの手で兄を絞め殺す悪夢を見るようになる。自分が兄を殺したのではないだろうか?誰にも言えない疑惑を抱えて成長した笙子の前に、音也の親友だったという若手歌舞伎役者・中村銀京が現れた。二人は音也の死の真相を探ろうと決意するがー。封印された過去の記憶をめぐる、痛切な恋愛ミステリー。
深く刺さった、小さな棘のような悪意が、平和なオフィスに8つの事件をひきおこす。社会人一年生の大介にはさっぱり犯人の見当がつかないのだがー「歩いたあとには、1ミクロンの塵も落ちていない」という掃除の天才、そして、とても掃除スタッフには見えないほどお洒落な女の子・キリコが鋭い洞察力で真相をぴたりと当てる。
「ねえ、知ってる?瞳子が死んだんだって」瞳子は孤高の存在で、ガラス細工の天使のようだった。繊細で儚げで、他人を魅了する少女に見えた。彼女のことが、可愛らしくて、愛おしくて、腹立たしくて、憎らしくてたまらなかった。死後に届いたハガキには「私のことを殺さないで」とあった-。彼女の不在と、ぼくたちの季節の終焉。ほろ苦い青春ミステリー。
歌舞伎座での公演中、芝居とは無関係の部分で必ず桜の花びらが散る。誰が、何のために、どうやってこの花びらを降らせているのか? 一枚の花びらから、梨園の中で隠されてきた哀しい事実が明らかになるーー。
なんだろう。壊してしまうとなんとなく安心するの-要するにわたしはまだ、子供なのかしら。ことばや約束事を重ねることで築き上げてきた関係。気鋭が挑む、邪悪な恋愛小説。