著者 : 邦枝完二
おせん 東京朝日新聞夕刊連載版おせん 東京朝日新聞夕刊連載版
一流の証とされた新聞連載の仕事を再現。昭和8年(1933)の息吹きが、88年の時を経て、新漢字・新仮名遣いでよみがえるー。邦枝の「江戸」を絵で昇華させた“雪岱調”の完成形、記念碑的作品。挿絵59点+カット7点完全復刻。
お伝地獄(下)お伝地獄(下)
最愛の夫の癩治療のため、高橋お伝は名医ヘボン博士を頼って文明開化間もない横浜に移り住む。異国情緒と活気あふれる港街で、治療費捻出のために夜ごと男を求めるお伝。そして出合った運命の男。彼女は底知れぬ無間地獄の闇に、否応なく引きずりこまれていった…。お伝は悪女か、はたまた貞女か。美貌ゆえに人生を狂わされた一人の女の凄絶な宿命と真実の姿を追った、大衆文学史を飾る傑作長編。
お伝地獄(上)お伝地獄(上)
女だてらに丁半勝負に興じるお伝の美貌の陰には、夫・浪之助への新妻の如き愛が息づいていた。時は明治初年、薬も加持祈祷も効のない夫の業病治療のため、彼女は利根川の村から東京の名医へと人力車を走らせる。前途に凄惨な運命が待ちうけているとも知らずに…。希代の毒婦として処刑されることになる高橋お伝の生涯と女心の振幅を、戯作的雰囲気と濃密なエロティシズムの中に描いた情緒派の代表作。
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