著者 : 都筑道夫
いまふたたび熱い注目を集める作家・都筑道夫が手がけた、翻訳にして創作“創訳”ミステリ小説3作品を一挙復刻!底本の書影・口絵・挿絵を収録!エッセイ・解説・註によって「ツヅキ流翻案術」を解剖!
紙幣印刷用紙が輸送中のトラックから強奪された。犯人は紙幣贋造を狙ったのだろう。そんな計画を察知した近藤庸三は贋造に必要な“製版の名人”の身柄を押さえ、紙強奪犯へ引き渡す取引を思い立つ。しかし、同じ企みを持つ土方と沖田、さらに強奪犯の一味も動き出していた…。二転三転する物語の“結末”は完全に予測不能。奇想天外アクション小説が遂に復活。シリーズ続編「NG作戦」併録。
国内外の観光客で賑わう浅草に聳える高層ホテル。その警備室に、不審な男から“殺人予告”の電話があった。悪戯とは思えないが、被害者も犯行動機も判らない。数時間おきにかかってくる予告電話だけが唯一の手がかりだった。応対する田辺は元警視庁刑事で、住み込み警備員として勤務していた。見えざる犯人との息詰まる三十時間の攻防を描く傑作ハードボイルド!
七つの銀河系に悪名高い盗賊を、先々で待つ奇妙な依頼。大企業経営者には愛娘に贈ったアンドロイドの恋人の奪還を、全員が仮面を着用する都市の女子大生には市長の仮面の強奪を。驚愕の結末に至る『銀河盗賊ビリイ・アレグロ』。五人の国王に復讐を誓う元王女・真晝と名うての刺客・鹿毛里の旅路。行く手を阻むのは特殊能力を持つ刺客たち。傑作活劇『暗殺心』。この二作を合冊化。
名探偵が実は犯人であった、という意外さ。被害者と思われていた人物が、本当は加害者であったという面白さ。一人称小説の記述者、つまり私が、真犯人である、という驚きーミステリの難題一人三役に敢然と挑んだ野心作『猫の舌に釘をうて』。007の痛快さと山田風太郎忍法帖の面白さを併せもつ冒険アクションとしても楽しめる『三重露出』。凝りに凝った工芸品のような本格推理趣向の傑作二編。
名探偵復活を提唱し、多彩なシリーズ・キャラクターを創造した都筑道夫。本格ミステリのファンを魅了し続けるその名探偵たちが一堂に大集合!なまけ者の詩人探偵が大活躍する「キリオン・スレイの生活と推理」、究極のアームチェア・ディテクティブ「退職刑事」シリーズから、謎解きを前面に押し出した捕物帳の傑作「なめくじ長屋捕物さわぎ」まで、11人の名探偵が競演して繰り広げる、華麗な謎と論理のエンターテインメント!巻末には、ファン待望の都筑道夫全著作リストを収録。
一匹狼・片岡直次郎が活躍するコミカルなオフビート・アクションから、都会に生きる人々の生活を、冷めた目で優しく見つめる正統派ハードボイルド・西蓮寺剛シリーズまで、名手・都筑道夫が描き出す11の物語!他に、エド・マクベインの名作「酔いどれ探偵」シリーズのパスティッシュ、オカルティックな事件に挑むルポライター・雪崩連太郎、SFミステリの傑作「未来警察殺人課」、都筑ミステリの到達点ともいうべき下町人情ハードボイルド「ホテル・ディック」シリーズ等々、アクション・ハードボイルドの探偵が総登場。
刑事上がりのおれは、現在、浅草の高層ホテル『ハイライズ下町』の夜間警備責任者。アメリカ流に呼べば、ホテル探偵ということになる。ある夕方、警備室に奇妙な電話がかかってきた。今夜、ホテルの泊まり客を殺すから、それを制(と)めてくれ、というのだ。どうやらいたずらではないらしい。これが事件のプロローグだった…。近代的高層ビルの30時間を描くサスペンス。文庫書下ろし。
産業スパイが射たれ、狙撃犯はその場で逮捕された。五十嵐丈吉、59歳。中国戦線を転戦。のち自衛隊で射撃の腕を磨く。渡米後、暗黒街のヒットマンとなる。かつて依頼主を明かしたことのない男が、なぜ今回の依頼主を匂わせた。ヒントは「風呂敷」と「キング・コング」だという。警視庁捜査一課に勤める私は、退職刑事の父に連想ゲームをもちかけた…(「連想試験」)。好評シリーズ八篇を収録。
首のない男と女が激しくからみ合ったり、マンションのエレベーターが化けものだったり、死んだはずの女につきまとわれたり…。また見知らぬ婦人から預かった、奇妙な人形がまきおこす、多感な少年が体験した異常な世界。いずれも夢が幻か、はたまた妄想の産物か。凝った趣向と絶妙な話術で、あなたを虜にする恐怖小説集。
28階のホテル『ハイライズ下町』が国際通りに華ばなしくオープンした。ロビーは往来と同じで、人間模様の縮図となった。掏模も忍び込み、コールガールも現われる。果たせるかな開業早々、奇妙な事件が発生!ホテル専属探偵(ディック)こと田辺素直元刑事の名推理が冴え、事件ごとに読者の期待を高めていく。浅草の風俗も活写した名作。
「生贄を連れて来なさい」一夜、知り合った奇妙な男ケイに、なぜか小野寺慶吉は逆らえない。ケイは、相手の意思を封殺する計り知れない力を持っていた。命じられるままに生贄を送り込む慶吉。さらにケイは、恋人麻耶子まで狙っているらしい。慶吉は、すべてを麻耶子に打ち明けた。だが、摩耶子は驚くべきセリフを口にした…。長篇恐怖推理。
夢か幻か、はたまた妄想の産物か…。首のない男と女が激しくからみ合ったり、マンションのエレヴェーターが化けものだったり、週末のビジネス街に血の匂いがたちこめたり…。数多くの怪談・恐怖小説を、いとも楽しげに作り続ける著者が、趣向を凝らして読者を恐怖の淵に!