著者 : 酒井駒子
「物語の達人」が遺した大人のための童話!? 絵本作家・酒井駒子の描きおろし作品を添えて、初邦訳! 〈ディネセン生誕140周年〉 1930年頃の英国、築二百年の荘厳な屋敷を舞台に子どもの世界と心奥を描く。 病床に臥した少女ノニーのもとに、画家のセドリック叔父さんがお見舞いにやってきた。頑なに口をきかなかったノニーだが、次第にセドリックにこころを開いていく。病の原因が、かつて厩舎で仲良く遊んだ少年ビリーの死にあると知ったセドリックは、ノニーを馬具部屋に連れ出す。そこは、不思議な色と匂いがこもる静謐な世界が存在していた……。 彼は思った。自分は子どもの世界の真ん中へと到達したのだ、と。いま彼は大きな無人の床に立ち、大人になったことの悲しみを痛感していた。ずっと昔に死んだ馬の装飾品のどれが、ビリーの魔法の杖で称揚鼓舞されて、王室の戴冠式の行列に参入できたのだろうか? (本文より)
正月明け、学生寮に戻った宗田真響はルームメイトの鈴原泉水子の変化に気がつく。「相楽と休み中に何かあったのだ」祝福すべきなのに、なぜか喜べない真響。泉水子の相手が深行と確定されれば、泉水子を中心とする「チーム姫神」の中で、忍者の家系宗田家と陰陽師の家系高柳家とのバランスが変わってくる。そんなある日、横浜のスケートリンクで合宿が行われることになるが、これは宗田家がスポンサードとなりチーム姫神、及び真響が隠れ蓑に婿候補と報告した深行を見定めるために仕組まれたものだった。大殿である祖父が本気で彼女の婿取りに乗り出したと聞いて、うんざりする真響。そして始まった教室に現れたインストラクターは、アメリカ留学中の真響の従兄弟、克巳だった。彼は真響に結婚を申し込むが、彼女に対する執着が悪霊を呼び寄せてしまう。ファン待望、RDG新刊ついに文庫で登場!他に「影絵芝居」「九月の転校生」「相楽君は忙しい」も同時収録 「影絵芝居 相楽深行・中三の初夏」 「九月の転校生 相楽深行・中三の秋」 「相楽君は忙しい 相楽深行・高一の秋」 「氷の靴・ガラスの靴 宗田真響・高一の冬」 単行本版あとがき 文庫版あとがき 気になる恋模様、こんな続きが見たかった! (阿部智里)
冬休みが明けて寮に戻った宗田真響は、鈴原泉水子の変化に気がつく。彼女の告白を聞き相楽深行との仲が進んだことを知った真響は「チーム姫神」内のバランスを危惧する。陰陽師、戸隠、山伏…様々な出自の生徒で混成される「チーム姫神」は、今や人間の世界遺産を審査する視察団から注目される存在だ。真響はチーム内の上位に着くことで、戸隠宗田の一族から認められ発言力を得るつもりでいた。三つ子の弟、真夏の将来を確保する、ただそのためだけに。タイミングを合わせたかのように、学園初の大掛かりなスケート教室が計画される。スポンサーは宗田家。一族の思惑がわからず戸惑う真響の前に現れたのは、アメリカに留学中の従兄弟の克巳だった。彼は自分こそ真響の望みを全て叶えられる結婚相手だと宣言し、自分を選ぶよう手を差し伸べるのだが……!? 他に「九月の転校生」「相楽君は忙しい」「影絵芝居」を収録したファン待望の新刊。 影絵芝居 相楽深行・中三の初夏 九月の転校生 相楽深行・中三の秋 相楽くんは忙しい 相楽深行・高一の秋 氷の靴 ガラスの靴 宗田真響・高一の冬
アンネは「日記」の他に童話とエッセイを隠れ家で書き遺していた。アンネは書いている時、空想の翼をうんと広げてどんなに自由だった事だろう。「子熊のブラーリーの冒険」「パウラの飛行機旅行」…どの話にも、胸の奥から噴出したキラリと光るものがある。新装版では中川李枝子の名訳に酒井駒子の挿絵を追加。
泉水子(いずみこ)は<戦国学園祭>で本当の能力を現した。 影の生徒会長は世界遺産候補となる学園トップを泉水子(いずみこ)と判定するが、陰陽師を代表する高柳は、異論をとなえる。 そして、IUCN(国際自然保護連合)は、人間を救済する人間の世界遺産を見つけだすため、泉水子に働きかけ始め……。 泉水子と深行(みゆき)は、誰も思いつかない道のりへ踏み出す。姫神による人類滅亡の未来を救うことはできるのかーー。 大人気シリーズ、ついに完結。 第一章 消 失 第二章 再 審 第三章 当 時 第四章 瑞 穂(みずほ) あとがき
いよいよ始まった戦国学園祭。八王子城攻めに見立てた合戦ゲーム中、高柳が仕掛けた罠にはまってしまったことを知った泉水子は、怒りを抑えられなくなる。ついに動きだした泉水子の運命は…。大人気シリーズ第5巻!
夏休みの終わりに学園に戻った泉水子は、〈戦国学園祭〉の準備に追われる。衣装の着付け講習会で急遽、モデルを務めることになった泉水子だったが……物語はいよいよ佳境へ! RDGシリーズ第4巻!!
学園祭のテーマに<戦国学園祭>が決まり、鈴原泉水子(すずはら・いずみこ)、相楽深行(さがら・みゆき)たち生徒会執行部は、夏休みに宗田真響(そうだ・まゆら)の地元、長野県戸隠で合宿をすることになる。 初めての経験に胸をはずませる泉水子だったが、真響の生徒会への思惑が様々な悶着を引き起こす。 そこへ、真響の弟、真夏(まなつ)の愛馬が危篤だという報せが届く。 三つ子の一人である真澄(ますみ)によって真夏は次元の向こうに取りこまれ、大きな災厄が……! 最高傑作、RDGシリーズ第3巻! 第一章 休暇前 第二章 訪 問 第三章 重 層 第四章 真 澄(ますみ)
生まれ育った紀伊山地を出て、東京の鳳城学園に入学した鈴原泉水子(すずはら・いずみこ)。 学園では、山伏修行中の相楽深行(さがら・みゆき)と再会するも、ふたりの間には縮まらない距離があった。 弱気になる泉水子だったが、寮で同室の宗田真響(そうだ・まゆら)と、その弟の真夏(まなつ)と親しくなり、なんとか新生活を送り始める。 しかし、泉水子がクラスメイトの正体を見抜いたことから、事態は急転する。生徒たちは特殊な理由から学園に集められていた……!! 大人気RDGシリーズ第2巻! 第一章 真 響(まゆら) 第二章 一 条(いちじょう) 第三章 真 夏(まなつ) 第四章 穂 高(ほだか)
世界遺産に認定された熊野古道。玉倉山にある玉倉神社。 そこに住む泉水子(いずみこ)は中学三年まで、麓の中学と家の往復だけの生活を送っていた。 しかし、高校進学は、幼なじみの深行(みゆき)とともに東京の鳳城学園へ入学するように周囲に決められてしまう。 互いに反発するふたりだったが、修学旅行先の東京で、姫神と呼ばれる謎の存在が現れ、さらに怖ろしい事件が襲いかかる。 一族には大きな秘密がーー。 現代ファンタジーの最高傑作、ついに文庫化! 第一章 泉水子(いずみこ) 第二章 深 行(みゆき) 第三章 雪 政(ゆきまさ) 第四章 和 宮(わみや)
サラリーマン・利根は、大学時代の同級生・野川からドイツ土産に“ベルリンの壁のかけら”を受けとった。壁が崩壊してから十年が経過している。なぜ、今頃ー。不審に思う利根の周りで、次々に不可思議な出来事が。目撃した射殺死体が消滅。親友・永井は「おれは、殺される!」と言い残し失踪。そして永井の妻は死体で見つかった。あの壁のかけらが、悲劇を巻き起こすのか?統一前のドイツと現代日本を結ぶ、壮大なサスペンス・ホラー。