著者 : 金城一紀
【金城一紀、13年ぶりの書き下ろし最新作!】 絶対に変えてやる。このクソみたいな現実を。 読めば勇気が湧いてくる、最高&最強の青春小説! オチコボレ男子高校生だった南方は、仲間たちとのある約束のために大学に進学した。「君たち、世界を変えてみたくはないか?」高校の生物教師のこの言葉をきっかけに、仲間たちと周囲の不条理に立ち向かった彼らは、「殺しても死にそうにないから」という理由で「ザ・ゾンビーズ」と呼ばれていた。だが高校卒業を機にメンバーはそれぞれの道に進み、チームは解散。南方は大学でどこか物足りない日々を送っていた。 そんな折、同級生の結城から「友人の北澤と、その家族が行方不明になったので捜してほしい」との依頼が。胸に秘めていた本能を揺さぶられた南方の前に、学内最大のサークルを仕切るカリスマ志田、志田を狙う謎の女子、そして北澤を追う男たちが現れる。渦巻く思惑と予想外の真相に、南方は果敢に迫っていく。
公安機動捜査隊特捜班ー通称“特捜班”。それは、凶悪事件の初動捜査を担当する、警視庁公安部に所属する特別チーム。特捜班の稲見は、横浜の39階建てホテルが武装集団に占拠されたとの報せを受ける。宿泊客550名が人質に取られるという非常事態。事件を秘密裏に解決せよという任務に挑むがー。金城一紀原案の設定をもとに気鋭の作家が紡ぐ完全オリジナルストーリー。一気読み必至の警察エンターテインメント!!
捜査中、頭に銃弾を受け生死の境を彷徨った警視庁捜査一課の刑事・石川安吾。奇跡的に覚醒した石川は「死者と対話ができる」という特殊能力を身に付けていた。都内の高架下トンネル内で起きた不審な惨殺事件。被害者の男は全身を刺されていた。現場に駆けつけた石川は横たわる遺体に語りかける。「あなたを殺したのは誰ですか」-。金城一紀原案の設定に気鋭の作家が完全オリジナルプロットで描く警察サスペンスミステリ!
オチコボレ男子高に入学した僕らを待ち受けていたシゴキ合宿。欺瞞に満ち溢れた世界に風穴を開けるため、大脱走計画を練るうち、世界に熱い血が通い始める。ザ・ゾンビーズ結成前夜を描くシリーズ完結篇!
頭で納得できても心が納得できなかったら、とりあえず闘ってみろよーー。風変わりなオチコボレ男子高校生たちに導かれ、佳奈子の平凡な日常は大きく転回を始めるーーザ・ゾンビーズ・シリーズ第三弾!
オチコボレ高校に通う「僕たち」は、三年生を迎えた今年、とある作戦に頭を悩ませていた。厳重な監視のうえ、強面のヤツらまでもががっちりガードする、お嬢様女子高の文化祭への突入が、その課題だ。
本当に愛する人ができたら、絶対にその人の手を離してはいけない。なぜなら、離したとたんに誰よりも遠くへと行ってしまうからー。最初で最後の運命の恋、片思いの残酷な結末、薄れてゆく愛しい人の記憶。愛する者を失い、孤独に沈む者たちが語る切なくも希望に満ちたストーリーたち。真摯な対話を通して見出されてゆく真実の言葉の数々を描いた傑作中編集。
僕は《在日韓国人》に国籍を変え、都内の男子高に入学した。広い世界へと飛び込む選択をしたのだが、それはなかなか厳しい選択でもあった。ある日僕は、友人の誕生パーティーで一人の女の子に出会ってーー。
私の夢ー。娘の幸せ。何よりも。私の命よりも。自分には殊更なことは望んではいない。定年退職後に釣りでもおぼえ、可愛い孫たちに囲まれながら安穏な余生を過ごせれば、それでいい。あとは、妻とのんびりイタリア旅行にでも行ければ。妻に、ローマを見せてやりたいのだ。私は妻と娘を愛している。可もなく不可もない人生の道程で、妻と娘の存在だけが私の誇りであり、守るべき宝なのだ。人事の家族調査欄に妻と娘のことを記す時の至福。その至福を乱し、汚す者は許さない。そう、私は家族を守るためなら生命の危険も厭わない四十七歳のサラリーマン、のはずだった。そう信じていた。あの日が訪れるまではー。いまから私が話そうと思っているのは、私のひと夏の冒険譚だ。