著者 : 金城一紀
公安機動捜査隊特捜班ー通称“特捜班”。それは、凶悪事件の初動捜査を担当する、警視庁公安部に所属する特別チーム。特捜班の稲見は、横浜の39階建てホテルが武装集団に占拠されたとの報せを受ける。宿泊客550名が人質に取られるという非常事態。事件を秘密裏に解決せよという任務に挑むがー。金城一紀原案の設定をもとに気鋭の作家が紡ぐ完全オリジナルストーリー。一気読み必至の警察エンターテインメント!!
捜査中、頭に銃弾を受け生死の境を彷徨った警視庁捜査一課の刑事・石川安吾。奇跡的に覚醒した石川は「死者と対話ができる」という特殊能力を身に付けていた。都内の高架下トンネル内で起きた不審な惨殺事件。被害者の男は全身を刺されていた。現場に駆けつけた石川は横たわる遺体に語りかける。「あなたを殺したのは誰ですか」-。金城一紀原案の設定に気鋭の作家が完全オリジナルプロットで描く警察サスペンスミステリ!
典型的オチコボレ男子高に入学した僕。“学校”という箱庭で先の見えない苛立ちや息苦しさを抱える僕らを「団体訓練」という名のシゴキ合宿が待ち受ける。どうしてこんなクソみたいな目に遭いながらここにいるのか?欺瞞に満ち溢れた世界に風穴を開けるため大脱走計画を練るうち、停滞していた世界に熱い血が通い始めるーすべてを捨て去りゼロに戻ることを恐れるな!ザ・ゾンビーズ結成前夜を描くシリーズ完結篇!
頭で納得できても心が納得できなかったら、とりあえず闘ってみろよー。平凡な女子高生・佳奈子の日常は家庭教師の謎の死をきっかけに、きしんだ音を立て始める。謎を探る佳奈子の前に立ちはだかる敵。そして、偶然出会った風変わりなオチコボレ男子高校生たちに導かれ、佳奈子は歪んだ世界に敢然と立ち向かうことを決心する!大人気のザ・ゾンビーズ・シリーズ第3弾。
鈴木一、47歳。いたって平凡なサラリーマン。ただし家族を守るためならスーパーマンになれるはずだった。そう信じていた。あの日が訪れるまではー。一人娘を不良高校生に傷つけられ、刃物を手に復讐に向かった先で鈴木さんが出会ったのはーザ・ゾンビーズの面々だった!脆くも崩れてしまった世界の中ではたして鈴木さんは大切なものを取り戻せるのか。ひと夏の冒険譚がいま始まりを告げる。
「君たち、世界を変えてみたくはないか?」オチコボレ男子高に通い、死んだような毎日を送っていた「僕たち」は生物教師ドクター・モローの言葉で突如生き返り、世界を変えるために行動を開始する。その方法はー難攻不落のお嬢様女子高の学園祭に潜入してナンパをすること!果たして「僕たち」の潜入作戦は成功するのだろうか!?革命的おバカストーリーが炸裂する、ザ・ゾンビーズ・シリーズ第1弾。
本当に愛する人ができたら、絶対にその人の手を離してはいけない。なぜなら、離したとたんに誰よりも遠くへと行ってしまうからー。最初で最後の運命の恋、片思いの残酷な結末、薄れてゆく愛しい人の記憶。愛する者を失い、孤独に沈む者たちが語る切なくも希望に満ちたストーリーたち。真摯な対話を通して見出されてゆく真実の言葉の数々を描いた傑作中編集。
広い世界を見るんだー。僕は“在日朝鮮人”から“在日韓国人”に国籍を変え、民族学校ではなく都内の男子高に入学した。小さな円から脱け出て、『広い世界』へと飛び込む選択をしたのだ。でも、それはなかなか厳しい選択でもあったのだが。ある日、友人の誕生パーティーで一人の女の子と出会った。彼女はとても可愛かったー。感動の青春恋愛小説、待望の新装完全版登場!第123回直木賞受賞作。
私の夢ー。娘の幸せ。何よりも。私の命よりも。自分には殊更なことは望んではいない。定年退職後に釣りでもおぼえ、可愛い孫たちに囲まれながら安穏な余生を過ごせれば、それでいい。あとは、妻とのんびりイタリア旅行にでも行ければ。妻に、ローマを見せてやりたいのだ。私は妻と娘を愛している。可もなく不可もない人生の道程で、妻と娘の存在だけが私の誇りであり、守るべき宝なのだ。人事の家族調査欄に妻と娘のことを記す時の至福。その至福を乱し、汚す者は許さない。そう、私は家族を守るためなら生命の危険も厭わない四十七歳のサラリーマン、のはずだった。そう信じていた。あの日が訪れるまではー。いまから私が話そうと思っているのは、私のひと夏の冒険譚だ。