著者 : 鎌田三平
英国の秘密情報部MRUに属するジャックに、奇妙な任務が下された。1970年代初頭、北アイルランドにパラシュート降下した工作員の死体を探し出し、その所持品を持ち帰れというのだ。ただし、目的はまったく明かされない。疑念を抱きながら、自前のトロール船でアイルランドへの航海に出たジャックを、何者かが銃撃してくる!冒険小説復権の鍵を握る、英国推理作家協会賞受賞作。
裕福な家で大事に育てられたピュアな女ーそれが探偵パトリックの抱いた、カレン・ニコルズの第一印象だった。だが6カ月後、彼女は全裸で投身自殺を図ってしまう。この短期間に、何が彼女をそこまで追いつめたのか。調査すると、カレンは死に至る6カ月の間に、フィアンセが事故死し、失業し、住む場所を失い、最後には精神に変調を来していた。彼女を破滅させようとした明確な意図の存在を確信するパトリック。だが一体誰が、何のために!?戦慄のシリーズ最新作。
もはやボストンのこの界隈に、幼く無垢で無防備なものたちの居場所は無い。ここは崩壊した家族、悪徳警官、詐欺師、そして、夜毎テレビで誘拐された自分の娘について報じるニュースを観るアル中の母親が住む場所だ。少女が消えて80時間が経過し、捜査依頼を拒み続けていた私立探偵パトリックとアンジーは遂に動き出す。しかしこの少女の捜索は、2人の愛、精神、そして生命までもを失う危険を孕んでいたー。現代最高のディテクティブ・ノヴェル、シリーズ最新刊。
このドーチェスターの街で、マフィアに狙われる人間の依頼を受けることは、最大の自殺行為だ。そして探偵パトリックとアンジーのもとを訪れた精神科医ディアンドラも、アイリッシュ・マフィアとのトラブルを抱え、息子の命を脅かされていた。躊躇しかけるパトリック。しかし彼の背中を、永遠に生きつづけるつもりなの、とアンジーが押した。だが二人が飛び込んだのは、この街と住人が二十年にわたって隠蔽してきた、想像を絶する深い闇への入り口だったー。よりハードに、よりスタイリッシュに進化した極上のディテクティブ・ノヴェル。
KKKが支配するテキサス東部の街グローブタウン。この街で黒人の獄中自殺事件の真相を探っていた美人黒人弁護士フロリダが失踪した。「彼女も殺されちまったのか?」最悪の事態を憂いつつ、ストレートの白人ハップとゲイの黒人レナードのコンビは、警察さえも手出ししない狂気の街に乗り込む。人種差別者の巣窟で二人が出会うのは、役立たずの警察署長、サディスティックな街の名士に、リンチ好きな街の住人たち。記録的な豪雨と雷鳴の中で二人が目にした事件の真相とは…ダーク・サスペンスの大家が放つ戦慄の怪作。
米国連邦政府証人保護機関の腕利き、イレイザーは、うら若き美女の生命保護を命じられた。大手軍需企業筆頭重役の彼女は、同社が政府の要請で開発中の新兵器の、他国への密売計画を追うFBIに協力したのだ。たちまた彼女に襲いかかる殺し屋の影。彼らは既にその新兵器、高性能電磁波銃を手にしていた。辛くも敵を倒したイレイザーと美女を、更に恐るべき第二、第三の罠が…。
1999年、ロサンジェルス。政府は究極の警官訓練設備を開発させた。人工知能テクノロジーによる最新鋭のバーチャル・リアリティ・シミュレーターで、犯人追跡技術をテストするのだ。その犯人とは、183人の犯罪者の最悪の要素を合成したシド6・7。だがある日、シドは現実空間へ逃亡する。捜査に選ばれた元警官パーカー・バーンズは、シドを形成する人格の一部が自分の妻子を殺した男であることに気がつくー。
ローマも場末のちっぽけな教会にイギリス人の青年が侵入、放浪罪で保護された。この青年、美術史を専攻する大学院生で、伴の冴えない教会には、聖画に擬装されたラファエロの知られざる傑作が、一世紀以上にもわたり飾られてきた筈だと供述。しかも彼が教会に侵入した時には、その絵は既になくなっていた、というのだが…。謎が事件を呼び事件が謎を生む、美術犯罪ミステリー。
“大英帝国”隆盛の礎を築きあげた海の勇者たち。彼らの壮絶な運命は、スコットランドの魔女から不死の命を宣告された船乗りマシュー・ローによって目撃されてきた。そして1805年、彼はネルソン提督のもと、世界の海軍史上に残るトラファルガー海戦に立ち向かう…。英国の海の英雄たち、奴隷貿易の暗黒を壮大なスケールで描いた傑作海洋小説。巨匠モンサラットの遺作となった三部作の完結篇。
スコットランドの魔女から「あらゆる海の水が干上がるまで生きる」と宣告された船乗りマシュー・ロー。彼はドレイク、ハドソン、モーガンといった海の勇者たちに仕え、いま1682年、海軍大臣サミュエル・ピープスのもとで名誉革命の波にのまれようとしていた…。英国の海の英雄たちの冒険と、その惨酷な運命を描いた傑作海洋ロマン。本書は「非情の海」で知られる巨匠モンサラットの遺作。3部作の第2弾。
苛酷な訓練をくぐり抜けた屈指の精鋭たちで構成される米海軍特殊部隊SEAL。その一員の冷静沈着なカラン大尉、血気盛んなホーキンズ中尉ら7名は、中東で囚われの身となったアメリカ人を救出した。が、その際に突き止めたのは、過激派テロ軍団がアメリカ製の高性能ミサイルを保有している事実。カランたちはミサイルを奪還もしくは破壊すべく決死の作戦を敢行するが…。硝煙渦巻く緊迫の中東に展開される話題の軍事アクション。
JFK国際空港。パリから到着したKGB工作員をマークしていたFBI捜査官スコッティは、相手が謎の男を尾行中であることを知る。車で追跡を開始するが、待ち伏せされ負傷する。-KGB工作員が尾行していた男は、アラブ過激派「聖戦」のメンバーだった。分散して米本土に潜入したテロリストたちは、持ち込んだ核爆弾を主要都市に仕掛ける。アラブ・テロリストたちの狙いは?KGBの企みは何か?
ー米大統領に宛てた一本のビデオ。「最後通告!米軍は中東から撤退せよ。イスラエル支援を停止せよ。さもなくば5個の核が…」東海岸からダラス、アリゾナへ…、テロリストを捕捉すべくFBI捜査官の必死の追跡が続く。だが、悪夢は現実に…。コロラド河の発電所で核が爆発。西部地区一帯は地獄と化す。同時に、米軍はテヘランに侵攻。第三次世界大戦突入か。-テロリストが核を手にしたら…。明日の恐怖を描く国際サスペンス。
凶悪犯罪が蔓延する近末来のデトロイト。その腐敗を助長させているのが、悪の権化ケインの率いる麻薬組織だった。彼らを殲滅し、市の治安を回復させるべく、サイボーグ警官ロボコップは戦いつづける。が、折りしも、ロボコップを生み出した巨大企業オムニ社がデトロイト市全体の支配を画策。やがて彼らの謀略とケインの野望が交錯したとき、ロボコップの行手にはかつてない強大な敵が現われた。痛快無比のSFハード・アクション。
ここに一人の女がいる。若く美しい娘。身なりも高価そうだ。この娘が気の狂った殺人犯で、目下追われているなどと信じられるだろうか。しかも大戦中、レジスタンスの同志をゲシュタポに売った裏切り者だと?男は、ふとしたことで彼女の車に同乗した。そして、強く彼女に惹かれていくのに気づいた。孤独な男と女の、終わりなき旅がいま始った。
15歳の少女テルジーは、天才レベルの知能を持つ、褐色に日焼けした活発な少女。ペットの猫型異星生物チクタクを連れて惑星ジョンタロウを訪れたテルジーは、ひょんなことから惑星規模のトラブルに巻きこまれるハメに。それがきっかけとなって眠っていた超能力を目覚めさせたテルジーを、今度は連邦心理学局が狙いはじめるー「惑星カレスの魔女」につづく、さわやか冒険SF長編。
大統領の演説草稿担当官から核エネルギーの最高機密“Qクリアランス”を扱うポイントに出世した平凡な政府職員ティモシー・バーナム。彼の当惑をよそに、KGBのスパイは新たな“重要人物”の登場に色めきたち、大統領の取り巻きたちは右往左往。バーナムを陥れようと…。-ベストセラー『ジョーズ』の原作者が、自らの体験(ジョンソン大統領のスピーチ・ライター)を生かして、ホワイトハウスの内幕を辛辣なタッチで描いた痛快傑作ノベル。
ニューヨークの地下鉄で女性に暴行しかけたチンピラを、乗合せた白人男性が射殺した。マスコミは彼を“善意の殺人者”と呼び、英雄に仕立てた。同じころ人気女性キャスターら3人の女性が殺され、また元ベトナム兵が続いて射殺される事件が起きた。NY市警の名コンビ、ニューマンとレッドフィールドは、これらの連続殺人はお互いに関連があると見たが…。新シリーズ第1弾!
ライフル銃をかまえたポール・ニキストは、照準器のなかに州知事の姿をとらえた。引き金にかけた指の力を加えていった。銃声がとどろき、州知事が倒れる。だが…事態はポールの予想もしない方向へ進んでいった!マット・ヘルム・シリーズでおなじみのハードボイルド作家ドナルド・ハミルトンが、筆の冴えを遺憾なく発揮した傑作サスペンス。