著者 : 長谷川潤二
ルナ人の魔術師メルドッグの追跡を逃れながら、東方にある両親の国へと向かうリュウの一行は、オラン人の国にたどり着く。貧しいながら心優しい彼らの中でしばしの平安を得たリュウは、自分の生き方について改めて考える。愛するミネルバと二人で静かに暮らすか、それとも虐げられている地球人たちのために戦う奉仕者、デミウルゴスになるか…。やがて一行のことはメルドッグの知るところとなり、激しい攻撃が仕掛けられる。リュウの中の闘士ティゲルが目を覚ます。彼のとるべき道は。
かつてないほどの大災害や世界大戦の後、文明が崩壊した地球。そこでは、月に住むルナ人が生き残りの地球人を支配していた。予言によると、315年に一度巡ってくる三聖節の年に16歳を迎える地球人の少年の中に、ルナの強敵がいるという。今年がまさにその年。恐ろしい企みがあるとも知らず、多くの少年が機械都市ヒルデバランに集められる。都市見物を楽しみにやって来たリュウもその一人。まさか自分が予言された人物で、この先ルナとの壮絶な戦いが待っていようと知る由もなかった。
女王ヒミコの病はますます重く、それに乗じて、強国クナの攻撃も更に激しさを増していく。皆が結束すべきこの時、ノボルとマサルは、倭を統一し、その王になるという、イヨに代わる大きな野望を胸に、東国へ、ヒムカの国へと去っていった。ただ1人、イヨの愛を得たタケルだけが留まり、彼女と邪馬台を救うために苦しい戦いを続ける。病の床で、後継者イヨの“目覚め”を必死に願うヒミコ。イヨもまた、自分の身にさし迫っているらしい大きな変化を予感し、恐れおののくのだった…。
アニヒコとノボルの率いる血鹿島討伐軍は、ハヤトの死霊と耳族を征伐し、凱旋した。アニヒコとイスケ姫の結婚というめでたい一時も、クナ軍の邪馬台国侵攻によりうち破られ、倭の国はしだいに大乱の兆しを強めていく。新しい国造りに燃えるタケル、マサル、ノボルの三人は、強力な騎馬軍をつくるため、三者三様の運搬方法を胸に、馬を求めて加羅の国へ渡るのだった。三人の無事を祈って見送るイヨ。そのイヨを見守るヒミコ。彼女の胸の内にあるものは…。好評古代ロマン第2弾。
不思議な女性が伊世を呼んだ。呼ばれた彼女は遥かなときを遡り、北九州は末盧の国の王女に生まれ変わる。そこは古代、ヤマト時代。人々がこれから文明と戦乱に遭遇しようとしている時代だった。伊世を呼んだのが邪馬台国の女王ヒミコであることを彼女は知らない。伊世をめぐり、若々しい国造りへの情熱に燃える伊都のタケル、邪馬の軍団のノボル、海賊ハヤト他がいり乱れ、時代は激動にさらされてゆく。ヒミコが伊世を呼んだわけは?悠久の愛と波瀾の大ロマン、いま始まる。