著者 : 阪田寛夫
わが小林一三わが小林一三
山梨県の韮崎から出てきた演劇好きで作家志望の文学青年は、ユニークな発想を活かして現在の日本の鉄道ビジネスモデルの原型を生み出した。阪急電鉄を創設すると沿線を次々に開発。さらには宝塚歌劇団をおこし、興行界に進出して東宝を設立するなど、エンタメ産業において多大なる功績を残す。その一方で、芸術を心から愛し、出会った人の名前と顔を忘れず、社員一人一人にも心を配る繊細さも併せ持つ。厖大な資料と調査に基づき、魅力あふれる不世出の実業家、小林一三の破天荒で濃密な人生に迫る。
ピ-タ-・パン探しピ-タ-・パン探し
昭和前期、戦争へと転回していく時代のなかで「赤い鳥」の連載童話『私のピーター・パン』と出逢って以来六十年、イギリスから東北の山中までピーター・パンを追いかける表題作ほか、忘れ得ぬ書物に人生の記憶を重ねた「大事の小型聖書」「トッテンコーローの話」「七十一歳のシェイクスピア」、献体というかたちで「神様に肉の体をお返しした」兄の生涯を描く「夏の月」「兄の帰還」「くじらの骨」の七篇を収録。
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