著者 : 雪乃紗衣
田舎町に住む小学六年生の拓人は、幼い頃に神隠しに遭い、その間の記憶を失っている。そんな拓人の前に、弓月小夜子と名乗る、年上の少女が現れた。以前、拓人の母とともに三人で暮らしていたことがあるというが、拓人はどうしても思いだせない。母の入院のため、小学生最後の夏休みを小夜子と過ごすことになった拓人。だが、サヤはなぜか自分のことを語ろうとしない。拓人の記憶に時折よぎるのは、降りしきる花びらと、深山で鳴りつづけるバイオリンの音、月が狂ったように輝く海ーなぜ俺はサヤを忘れてる?“彩雲国物語”の著者が描く、やるせないほど切ない夏の物語。
任地の茶州から王都へ帰ってきた彩雲国初の女性官吏・秀麗。彼女は自身の選んだある決断の責任をとるため、高位から一転、無位無官として再出発することになる。さらに登殿禁止を言い渡された秀麗は街で自分にできることを探し始めるが、突然ヘンテコな貴族のお坊ちゃまに求婚されてー?またもや嵐が巻き起こる!超人気シリーズ第9弾は、満を持しての新章開幕!アナザーエピソード「王都上陸!龍蓮台風」を特別収録。
州牧の紅秀麗は奇病の流行を抑え、また、姿を消したもう一人の州牧・影月を探すため、急遽茶州へ戻ることに。しかし茶州では、秀麗が奇病の原因だという「邪仙教」の教えが広まっていた。「もしも自分のせいなら、私はーー」密かに覚悟を決める秀麗。そんな彼女を、副官の燕青や静蘭も必死で守ろうとする。迫り来る病、そして邪仙教との対決は?「影月編」は衝撃の結末へ…!超人気・極彩色ファンタジー第8弾。アナザーエピソード「お見舞戦線異状あり?」「薔薇姫」を収録。
久々の王都で茶州のための案件を形にするため大忙しの紅秀麗。飛び交う縁談もそっちのけで働く秀麗を、彩雲国国王の紫劉輝も複雑な心中を抑えて援護する。しかしそんななか届いた手紙で、秀麗は茶州で奇病が発生したことを知る。しかもその原因と言われているのは予想だにしないことで…。恋をしているヒマもない!風雲急を告げる、超人気・極彩色ファンタジー第7弾。アナザーエピソード「会試直前大騒動!」を特別収録。
23世紀、人々はごく一般的になったゲノム編集技術によって老いや病から緩やかに遠ざかりつつあった。ただひとつ、“霧の病”と呼ばれる原因不明の突然死をのぞいて。世界最高峰の頭脳が集まる象牙の塔ー香港島。遺伝子工学博士のヒナコ・神崎は、海から現れたひとりの少年と出会った…。『彩雲国物語』の著者が贈るSFファンタジー。
州牧として茶州に赴任した紅秀麗は、早速、州の発展のための策を練り始める。そんななか、新年の朝賀という大役を引き受けることになった秀麗。王都・貴陽に向かった彼女は久しぶりに彩雲国国王・紫劉輝と再会するが、王としての仕事にしっかりと励む彼の姿に、かつてとは違った印象を受ける。一方、秀麗の知らないところで彼女自身の縁談が進んでいてー。恋も仕事も波瀾万丈!超人気の極彩色中華風ファンタジー第6弾。
王命を受けて茶州の執政者・州牧となった紅秀麗は、ひたすらに州都・琥〓(れん)入りを目指す。指定期間内に正式に着任できなければ、地位を剥奪されてしまうというのだ。新州牧の介入を面白く思わない地方豪族・茶家は妨害工作を仕掛けてくるが、秀麗はそれに負けることなく、いちかばちかの勝負に出ようとする。そんな彼女の前に、不思議な魅力を湛える茶朔洵という男が現れた。底が見えぬ男、朔洵の驚くべき真意とは?
彩雲国の王、紫劉輝の特別措置で、杜影月とともに茶州州牧に任ぜられた紅秀麗。新米官吏にはありえない破格の出世だが、赴任先の茶州は今もっとも荒れている地。末席ながら彩七家に名を連ねる豪族茶家と、州府の官吏たちが睨み合う、一触即発の状態が続いていた。万が一を考え、隠密の旅にて茶州を目指す秀麗一行。だが、そんなにうまく事が運ぶはずもなく、次々と想定外の事態に陥り!?急展開のシリーズ第4弾!
白の妃ネネの罠によって、行方不明となる皇子アリル。突然の悲報に傷つき、戸惑いながらも、彼を探すミレディア。皇帝候補のお披露目が迫り、異様な魔力に包まれた帝都ストラディカから弾きだされた二人は、帝国の過去を渡り歩く中で、帰るべき場所を探す…。他方、もう一人の皇子ラムザは、過酷な生活の中でも己を見失わず、未来へと踏み出す。大河ファンタジー、策謀の第3弾。
旅路を経て、皇子アリルが下した決断。たった一つの想いを貫き通すため、彼は歩みを止めなかった。恐怖帝ヴァルデミアスも、白の妃も、死神ギィも、彼を止めることはできなかった。すべては、この日、この時のために。明かされるロジェの秘密と、十三年前の真実。そして遂に、皇帝選の披露目の日が到来するー。オレンディアと十三翼将のグランゼリア戦を描く中篇「碧落」を収録。
数多の名宰相・名大官が名を連ね「最上治」の誉れをとる彩雲国国王・紫劉輝の治世。だがその陰には、いまだ知られぬ多くの過去と未来、邂逅と訣別、生と死の物語があった…。王の宰相・鄭悠舜が最後まで探し求めた“欠けた翼”とは?(「雪の骨」)玉座を狙い、そして破れた旺季。それでも歩き続ける彼の行く果ては(「霜の躯)」を収録。骸骨を乞うーそれは主君への最後の別れ、去るときの言葉。魂を揺さぶる「彩雲国物語」真の完結巻。
『劉輝…大丈夫。私はいなくなったりなんて、しないのよ』-のちに“軍に藍〓(し)あり、文に李紅あり”と謳われた伝説の女性官吏・紅秀麗。彼女が彩雲国国王・紫劉輝の妃となり、母となった一年間を描く「氷の心臓」ほか、稀代の暗躍者・凌晏樹の数十年にわたる愛憎を描く「北風の仮面」、さらには劉輝の最後の道行きを描ききった、文庫特別書き下ろし「秘話冬の華」も収録。著者渾身の傑作ファンタジー「彩雲国物語」真の完結巻。
休戦延長なしー。魔女家名代として宰相会議に臨んだミレディアは、破滅に突き進む帝国の選択に心を痛めつつも、「家族」となったアリルのために為すべきことを考えていた。一方、アリルはもう一人の皇帝候補ラムザとデュアメル学院に通い、帝位継承者として起つ決意を固める。…明かされる少女の罪、そして少年の仮面の下に隠された驚くべき真実。世界の深淵を見据える第2巻。
軍事を担う魔女家当主・オレンディアの元に育った少女・ミレディアは、幼い頃に森で拾われた身。彼女は森で出会った青年・アキのことをずっと想ってきた。が、その念願の再会は、やがて世界に悪夢をもたらした。今、17歳となったミレディアは魔女家名代として、仲間と帝都へ向かう。両国の休戦、次期帝国皇帝候補の後見、そして、愛する彼を殺すために。
劉輝王の尽力により、有史以来初めての女人参加が認められた国試。その狭き門を「探花(第三位)」という優秀な成績で通過した少女・秀麗は、長年の夢を叶え、ついに官吏の道を歩むこととなる。だが徹底した男性優位の職場で、たったひとりの新人女性官吏に降りかかる苦難は尋常でなく…。隠湿ないじめや不当な扱いにも屈せず、ついでに国王の度重なる求愛すら撥ねのけて、秀麗の戦いが始まるー。希望の花咲くシリーズ第3弾。
彩雲国に暑い夏がやってきた。例年にない酷暑と超過勤務の疲労で朝廷諸官が次々と倒れる中、官吏の人手不足を補うため、名門紅家(ただし貧乏)のお嬢様・秀麗に政務の助っ人依頼が入る。しかし仕事場である外朝は女人禁制。また春先に国王・紫劉輝の熱烈な求愛を蹴って後宮を辞した手前、城内で王に鉢合わせするのも避けたい。そこで仕方なく男装して仕事を始めた秀麗だったが…!?風雲急を告げる、シリーズ第2弾登場。
紅秀麗は彩雲国きっての名門・紅家のお嬢様。ところが世渡り下手な父のせいで家計は常に火の車。おかげで深窓の姫君とは思えないほどのしっかり者に成長した秀麗のもとへ、ある日とんでもなく高額な賃仕事の話が舞い込んだ。提示された報酬に目がくらみ、一も二もなく飛びついた秀麗だったが、その仕事内容はといえば、即位間もない昏君・紫劉輝の教育係として、からっぽの後宮に貴妃の身分で入内しろというものだった…。