著者 : 風野真知雄
天下の日本橋。ふらふらと橋を歩く坊主頭がいた。凶暴な顔つきのその男が、頭巾のようなものをかぶった途端、驚くべきことが起きた。なんと男は、いきなり爆発したのだ。阿鼻叫喚の騒ぎとなった橋から、男は逃げていったという。前代未聞の出来事が、実は長州忍者のしわざだと思った織江は、やがてその恐ろしい目的に気づくー。そして晩年、遠く離れた地で暮らす彦馬と織江は、再び妖しい影と対峙する。シリーズ第2弾。
将軍直属の隠密、お庭番の下忍である織江は、凄腕のくノ一。運命の夫・彦馬と平戸で出会う前、長州に潜入し忍者隊の腕前を調べていた折、不気味な相手に目をつけられてしまう。その後、彦馬は平戸に潜入してきた織江と結婚し、江戸ですれ違いの日々を送るのだが、織江が恐ろしい敵に狙われていたことなど、知るよしもなかったー。最凶最悪の敵から、織江は逃れることができるのか?人気沸騰シリーズ、待望の新章始動。
売れっ子絵師・清麿の美人画に描かれ大人気となった町娘のおみねとおその。だがそれ以来ふたりは、何者かに付け狙われるようになった。“謎解き屋”を始めた三十路の姫さま・静湖姫は、その不届き者捜しを依頼されるが、同日に発生した別の美人町娘の殺人にも首を突っ込み…。江戸で起こる不思議事件、奔走する姫、熱い視線を姫に送る男たち。恋に事件に大忙しの姫に、幸せは訪れるのか。
七福神めぐりが流行る神楽坂で、寿老人役の爺さんが石像に頭をつぶされて亡くなった。近所ではずいぶん嫌われ者の老人だったのだが…。一方、奉行所が十年来追い続ける大泥棒・品川左衛門が久々に姿を現す。贋の恵比寿天から弁財天の口吸いまで、不可思議な事件が相次ぐ。根岸肥前が活躍する書き下ろし余話「虫一匹」を収録。
人形屋の清兵衛が胸に杭を打ちこまれて死んでいた。そばに落ちていたのは、首に赤い紐が巻かれた五寸のひとがた。神社の境内で亡くなった若い娘からも奇妙な人形が発見されて…。殺人を暗示する人形と三つの死というシリーズ最大の難題に根岸肥前が挑む!しめ婆さんが活躍する書き下ろし余話「気に入らない幽霊」を新収録。
あの日の夜、豪商“薩摩屋”の蔵から聞こえた猫の声。不審に思った番頭が蔵の扉を開けると、闇の中には驚くべき化け物が!そしてふと気がつくと、千両箱3つが消えていたー。巷で噂の義賊「怪盗一寸小僧」が現れたのだった。同じ頃、風変わりな姫さまの駆け落ち騒動が持ち上がる。妙な書き置きを残して消えた姫さまは、一体どこに?“謎解き屋”を始めたモテ年到来の静湖姫が不思議事件の謎を追う、大好評シリーズ第3弾。
美人姉妹が住む谷中の“猫屋敷”に猫が増えすぎて、近隣から奉行所へ苦情が来た。やがて、姉妹が以前に鬼平が担当して未解決になった押し込み強盗の被害者と分かり…。根岸肥前が、江戸の怪異を解き明かす「耳袋秘帖」殺人事件シリーズ第五弾。根岸の妻・おたかとの日々を描いた短編「白雲斎のこと」を書き下ろしで収録。
「もの凄いモテ年になる」-。おかまの繁蔵の占いどおり、静湖姫の周りには次々と素敵な男性が現れていた。そんなある日、赤穂浪士を最後に預かった大名家で奇妙な文献が見つかったとの報せが。そこには討ち入りについての驚愕の新事実が記されていた!さらにその記述にまつわる殺人事件も発生。新事実と事件の調査に右往左往する静湖姫の前に、また素敵な男性が現れてー。人気沸騰の「姫は、三十一」シリーズ第2弾。
日本橋本石町にある旅篭「長崎屋」で、腹を竹槍で無残に抉られた酉右衛門の死体が見つかった。隣りには、江戸の市中に時刻を知らせる「時の鐘」があり、その鐘撞き堂で、鐘を撞いてきた撞き師の孫六が死んだ酉右衛門を恨んでいたと分かり…。南町奉行根岸肥前が、江戸の怪異を解き明かす「耳袋秘帖」殺人事件シリーズ第十三弾。書き下ろし時代小説。
平戸藩の江戸屋敷に住む静湖姫は、微妙なお年頃のお姫さま。大晦日の夜、おかまの店で飲んだくれていると「来年はもの凄いモテ年になる」と占われる。年が明け、三十一歳になるのを機に習い始める三十一文字の和歌の会に参加すると、なんと屋根の上に死体が。謎を解こうと奮闘する姫の前に、素敵な男性が次々と現れて…。恋に事件に、花のお江戸を駆け巡る!大人気著者が放つ「姫は、三十一」シリーズ第1弾。
年の瀬の佃島で、渡し船が突如突っ込んできた船に当て逃げされ転覆、乗っていた四人が死んだ。だが、死んだ船頭以外の三人の遺体には刺し傷が見つかる。やがて、出航直前に別の船に乗るよう声をかけられた娘がいたとの証言も出て、事故の謎はさらに広がる。南町奉行根岸肥前が活躍する「耳袋秘帖」殺人事件シリーズ第十二弾。
王子の扇屋で祝言をあげる直前の花嫁が失踪。しばらくして装束榎のそばで、狐面をつけて胸を血で染めた別の若い花嫁装束の女の死体が見つかる。ほどなく、江戸の各地でも同じような殺しがー。栗田と坂巻の名コンビが帰ってきた!南町奉行・根岸肥前守が江戸の怪異を解き明かす「耳袋秘帖」殺人事件シリーズ、いよいよ再開。
礼金のよい化け物退治をこなしても、息子・娘のための金策、妻の薬代などにより、四十郎の借金は膨らむ一方。やむなく彼はまた新たな依頼を引き受ける。医院の入院患者が、一夜にして骸骨になったというのだ。さらに北町奉行の遠山金四郎に頼まれ、偽金四郎探しも手伝うことに…。化け物騒動の裏に見え隠れするのは、あやうい人の心の闇。「心に闇、人が化け物ー」今日も四十郎は、そう呟くのだった。人気シリーズ、第3弾。
生計を立てるためにやむなく始めた化け物退治で、図らずも有名になってしまった浪人“からす四十郎”。小料理屋“こねこ”で安酒を呑んでいると、友人の井田清蔵が新たな依頼を持って現れた。閻魔が毎夜そば屋にやってきて、そばを食べ終わると、近くの閻魔堂へと消えてゆくというのだ。しかもその閻魔は美しい女性だという。調べを進める四十郎は、騒動の裏に隠された、意外な真実を知ることとなる…。大人気シリーズ第2弾。
元は江戸屋敷勤番の侍だった月村四十郎。この男、からすにつきまとわれているため“からす四十郎”と綽名されている。病気の妻を抱え、用心棒稼業で糊口をしのいでいたが、借金は増えるばかり。易者に「死相が出ている」と言われ自棄になった彼は、礼金は高いが用心棒仲間も嫌がる化け物退治を引き受ける。油問屋に巨大な人魂が出るというのだ。だがその人魂の正体は…。人気著者が放つ、新シリーズ第1弾。
小伝馬町で処刑される寸前、牢破りに成功した仏像専門の盗人、庄右衛門は、盗みの下見に来た寺で仏像をさかさにして拝む不思議な光景を目のあたりにする。その頃、深川では、力丸の妹分・小力が、姿を消す。椀田はまだ見ぬ小力に強い興味を持つがー。根岸肥前守が、江戸の怪異を解き明かす、新「耳袋秘帖」シリーズ第四巻。
度重なる刺客との戦いに、織江は疲れを感じていた。彦馬を好きでなくなれば、一人で逃げ切れるかもしれない。切ない想いに動かされ、織江は自らに心術をかける。「あれは一時の気の迷い。恋なんてすべていつわりなんだ。幻なのさ…」。そんなある日、織江は妻恋坂下で呼び止められる。相手はなんと、幼馴染みのくノ一、お蝶。彼女は果たして刺客なのか?一方彦馬は、静山の指示でついに江戸を離れることにー。激動の第9弾。
深川で、西国雄藩の藩士と石川島から戻ったばかりの無宿人が相次いで水死した。二人とも、死の直前に、三十間堀に架かる「四人橋」を四人で渡り、自分の影だけが消えたと言い残していたー。なぜ、影は消えたのか。そして、裏にうごめく悪の正体とは!根岸肥前守が、江戸の怪異を解き明かす、新「耳袋秘帖」シリーズ第三巻。
神田明神近く、大通りの外れにいつのまにかできたごく庶民的な飲み屋「浜路」。ほっこりとした女将を目当てに、鳥居耀蔵や同心の原田は常連となり、彦馬も連れられて度々足を運んでいた。追っ手の影を恐れ、彦馬の周囲に注意を払っていた織江は、彦馬が訪れるその店の正体を知る。そこには、思いもよらぬ苛酷な運命が待ち受けていたのだった。ついに静山の幽霊船貿易も始動し、江戸はにわかにざわめく。大人気シリーズ第8弾。