著者 : 風野真知雄
久留米藩の懐はまだまだ火の車。そこで藩主・虎之助は“馬鹿につける薬”という大儲け間違いなしの商いを思いつき、薬作りに自ら奔走する。そんな折、丑蔵一家を束ねる母・辰の行方が知れなくなった。江戸最大のやくざ・万五郎一家の仕業と睨んだ虎之助は、怒り心頭で殴り込んでゆき…。腕っ節と機転が武器の破天荒大名、痛快シリーズ第五弾!
江戸の猫鳴小路にて、骨董商“おそろし屋”を営む謎めいた女主人のお縁と、用心棒でお庭番の月岡。お縁には、大奥にいた過去があった。同じ骨董好きの将軍・徳川家茂の寵愛を受けてたのだが、その旺盛な好奇心と真贋を見極める才がゆえ江戸城の秘密を知ってしまい、逃げ出してきたのだー。ついに、江戸の存亡にすら関わる“おそろし屋”の曰くが、ある首壺とともに語られる。深遠なる骨董奇譚、感動の完結巻!
元目付の愛坂桃太郎は、不肖の息子が芸者・珠子につくらせた外孫・桃子と偶然出会い、その可愛さにめろめろになった。孫可愛さのあまり、いつも桃子を背中に背負って、子守りする日々を送るようになる。ところが、売れっ子芸者の珠子の周囲では、なぜか奇妙な事件が多発。可愛い孫を守るため、桃太郎の秘剣が唸る!待望の新シリーズ始動!
殺された兄、波之進の四十九日が来た。法要が賑やかでも魚之進の心は虚しい。夫の死を悲しむ兄嫁・お静は、大きな福より小さな幸せの到来を願う小福餅を買ってくる。しかし、甘い物の裏にこそ悪は潜むはずだと、菓子屋の隠密捜査に着手する魚之進。江戸の食を斬る捕物帖、謎は深まり面白さ最高潮!
田安徳川家の四谷の下屋敷で、奇っ怪な出来事が頻発しているという。思い悩む松平定信の頼みを受け、梅次と中婆さんのしめは屋敷に派遣される。そこに隠された重大な陰謀とは!?一方、四谷大木戸の水番所では得体の知れない生き物が目撃される。八本足の犬から腹切り大根まで、江戸を揺るがす難事件に根岸肥前守が挑む!
江戸の猫鳴小路にて、骨董商“おそろし屋”を営む謎めいた女主人のお縁と、用心棒でお庭番の月岡。お縁の“先輩”おしかが買い求めた縁の欠けた盃には、“酒呑童子”と化してしまったある人物の、藤原道長に対する憎しみと皮肉が込められていた。お縁の秘められた過去も、おしかや店を訪れる客の話から徐々に明らかになっていくその矢先、第二の刺客「カマキリ半五郎」が襲い来る!骨董から人の性を描くお江戸商売譚。
「美味の傍には悪がいる」という言葉をのこし、味見方同心・月浦波之進は、刺客に襲われ死んでしまった。弟の魚之進へ兄の供養の為に味見方同心を継げ、との命が下る。切れ者の兄と違い気弱な性格の魚之進に、隠密捜査が出来るのか?新江戸料理が次々登場するグルメ捕物帖、面白さ爆発の第二弾。
悪は美味の周囲にはびこる。南町奉行所きっての腕利き同心・月浦波之進に特命が下った。「味見方」として食い物屋を探り、悪事を暴けというのだ。十手を忍ばせ隠密捜査を始めた波之進は、飯屋、料理人がらみの難事件に挑む。食文化が花開く江戸の町で、かつてない「食」の捕物帖が開幕する!
江戸は新両替町、路地裏にひっそりと佇む骨董商“おそろし屋”。「やはり、あなたがお出でなさいましたか」-店主のお縁が客を選んで売る品々には、歴史の裏に潜む驚愕の事件譚や、ぞっとする話、因果な話がついてくる。武田信玄の軍旗は五両四分。奇妙な形の赤黒いしみは、信玄が苦悩したある秘密に関係しているという。そして“おそろし屋”自体にも、ある秘密があって…?
同じ町内で、季節外れの幽霊が出た。鎧武者の幽霊、美女の幽霊、金色の猫の幽霊…。ただ、出現した場所や時間は微妙に異なり、互いの関係もまるでわからない。竜之助に探索命令が下ったその晩、奇妙な殺しが起きた。はたして、幽霊騒ぎとの関係は?大好評「新・若さま同心」シリーズ、いよいよ最終巻!
「既に現われているんだよ、静湖の運命の人は」飲み友達・繁蔵のよく当たる占いを胸に留めつつ、平戸藩の元藩主・松浦静山の娘・静湖姫は、独り身のままもうすぐ三十二歳。そんな折、(謎解き屋)に“開闢以来の凶事”といえる事件が舞い込む。ある巨大な藩の江戸上屋敷で、藩士百人近くの死体が見付かったのだ。調査に乗り出した静湖が辿り着いた、意外な真相とは?そして、静湖の“運命の人”とは!?大人気シリーズ、衝撃の完結巻!書き下ろし。
時は戦国時代末期。越中を支配する佐々成政は、天下取り目前の羽柴秀吉の野望を挫くため、孤軍奮闘していた。そして小牧・長久手の戦いで秀吉軍を退けた徳川家康に、今後も秀吉に徹底抗戦するよう直談判することを決意する。そのためには、厳冬期の飛騨山脈を越える必要があったー。著者渾身の本格歴史小説。
「悩み解決します」の看板を掲げ、芝金杉橋を中心に座る易者鬼堂民斎。二枚目なのに女房には逃げられ、同じ長屋に住む艶な元深川芸者にも相手にされない三十四歳。だが、その正体は南町奉行所の隠密同心であった。二本差しを筮竹に持ち替え、市井を賑わす恋の悩みや悪巧みを大解決!を目指すのだがー情味豊かなユーモアと推理が冴える新シリーズ、誕生!
隠密同心にして易者の鬼堂民斎は愕然とした。寝しなの自分の顔に女難の相を観たのに続き、翌朝いちばんの客にもはっきりとそれを観たのだ。客は金物商の主で極めつけの女嫌いだという。裏庭のけやきの伐採についての相談をうけた民斎が店を訪れると、なんと巨木から紅血が!これは女の呪いなのか!-(女難の相あり)。奇問難問も鮮やかに解決、爽快新シリーズ!
お上を恐れぬ威勢の良さで知られる国芳も、老いの戸惑いから、死への興味と、そして最後の恋への憧れが泡のように、ぽつぽつと浮かぶ。そんななか、八匹の猫と、一癖も二癖もある弟子たちに囲まれた彼の周囲では、次々と「猫」にまつわる大事小事が起きてー。数々の人気時代小説で知られる著者が、持ち味の諧謔と哀感に溢れた筆致で、猫のいる日常と、淡い恋心を豊かに描きだします。
曲亭馬琴も書き残した江戸版UFO遭遇事件と目される「うつろ舟」伝説。海辺に流れ着いた異国風の女の裏には何があるのか。幽霊を食った男、深川の白蛇、牢から忽然と消えた男…さまざまな怪奇が入り乱れる中、闇の者たちとバテレンさんじゅあんの謎を根岸肥前守はついに解き明かすのか?大人気妖談シリーズ堂々完結篇!
江戸の町の不思議事件を解決する“謎解き屋”を始めた静湖姫に、奇妙な依頼が舞い込む。海産物問屋のあるじが、大鷲にさらわれたというのだ。市中を調べるうち、人が空から落ちてくる事件も発生しー。一方、“渡り鳥貿易”で異国との交流を図る元平戸藩主・松浦静山の屋敷には、足に手紙をくくりつけたカッコウが。そこには、謎の異国文字が記されていた。三十路を過ぎ、モテ期中の姫の周りはいつも大騒動!大人気シリーズ第5弾!
ガキの頃から金に目敏いろくでなし。そのくせどこか抜けていて、懐はいつもぴいぴいの本所界隈一のバカ侍ー幕末の雄、勝海舟の父小吉は積年の悪行のせいで実家の座縛牢へ幽閉された。ところが無頼の顔役は、反省どころか悪友の早川又四郎に市中を騒がす怪事件の数々を集めさせた!江戸の座敷牢探偵が私欲のために謎を解く、痛快時代小説の傑作!
訴訟でやってくる者たちが泊まる“公事宿”のひしめく日本橋馬喰町。お裁きがまさに始まろうとしたお白洲で、獣に食いつかれたような傷を残して公事師が突然死んだ。“マミ”が出たという騒ぎ、卵を産んだ女房、三日月井戸…馬喰町七不思議のなかに隠された巨大な悪事に根岸肥前守が挑む、大人気殺人事件シリーズ第16弾!