著者 : 風野真知雄
高田馬場の竹林に棲む評判の美人尼。その庵の近くで、女好きの若旦那が死体で発見された。衣服には一筋の剃刀の跡。若旦那は、評判の尼に人生相談に行くと言い残して家を出たという。やがて尼の周囲で殺人が相次ぐ。はたして尼の正体とはー。根岸肥前守が、江戸の怪異を解き明かす、新「耳袋秘帖」シリーズ第二巻。
「赤鬼」の綽名を持つ、南町奉行根岸肥前守のもとに、商いの評判が良かったもろこし屋の主人、幸右衛門が殺されたとの知らせが寄せられる。現場近くでは、「かのち」という書き付けを残して失踪した大店の若旦那が目撃されるが…。奇談集「耳袋」を記した根岸肥前守が、江戸の怪事件を解き明かす好評シリーズ、新展開の第一巻。
織江が実の娘であることを知った松浦静山。だが静山は、織江にそれを知らせぬまま、ひそかに守りつづけることを決意する。一方、織江は江戸の市中に潜み、母の死、そして一生追われ続けるという過酷な運命に打ちのめされ、酒に溺れる日々を送っていた。時には死すら、頭をよぎるー。そんな織江を捕らえるため、新たな刺客が放たれた。「夜に溶ける」と噂される不気味な忍の正体とは?大人気シリーズ、緊迫の第6弾。
ついに織江の正体を知った雙星彦馬。しかし彦馬は、それでも妻を信じて再び逢える日を待つ。一方、静山の屋敷から失踪した織江は、悩みながらもお庭番から離れることを決意した。母・雅江はその手助けに、最後の力を振り絞る。2人を抹殺するため、お庭番の頭領・川村真一郎率いる忍びたちが迫り来る。危機一髪のところで助けに入ったのは意外な人物だった。織江の驚くべき過去が明らかに!急展開の大人気シリーズ第5弾。
松浦静山の下屋敷に飯炊き女として潜入した織江は、ついに静山の密貿易と野心の証拠をつかんだ。だが、これを提出すれば静山ばかりか、夫の彦馬にも破滅が訪れてしまう。くノ一としての義理と、妻としての人情。その板ばさみに悩む織江を、お庭番の頭領・川村真一郎がじわじわと追いつめていく。窮地に陥った織江に、くノ一の先輩でもある母が忠告した言葉。それは驚くべきものだった。人気作家の絶好調シリーズ第4弾。
元平戸藩主、松浦静山に気に入られ、たびたび下屋敷に呼び出されるようになった雙星彦馬。妻の織江を探しに江戸へ出てきたのだが、天体観測を付き合わされたり、巷で起きる事件の調査を頼まれたり。そのため彦馬の織江探しは、静山が綴る「甲子夜話」のようには着々と進まない。だが彦馬は知るよしもなかった。お庭番の密命を帯びた織江が、飯炊き女になりすまし静山の下屋敷に潜入していたことを。大好評のシリーズ第3弾。
「わしがこの国を開いてやる」江戸藩邸で「甲子夜話」の執筆にいそしむ元平戸藩主、松浦静山はこともなく言い放った。友人の千右衛門に連れられ下屋敷に呼び出された雙星彦馬は仰天。こんな発言は露見すると即座に打ち首だった。天文航海に通じた彦馬に期するものでもあるのか。神田妻恋坂の裏長屋に居を定め、寺子屋の合間を縫って織江を探す彦馬。だが、花のお江戸は今日もまた驚きの連続なのだった…。人気シリーズ第2弾。
平戸藩の御船手方書物天文係の雙星彦馬は、三度の飯より星が好きという藩きっての変わり者。そんな彦馬のもとに上司の紹介で美しい嫁・織江がやってきた。彦馬は生涯大切にすることを心に誓うが、わずかひと月で新妻は失踪してしまう。じつは織江は、平戸藩の密貿易を怪しんだ幕府が送り込んだくノ一だった。そうとは知らず妻を捜しに江戸へ赴く彦馬だったが…。人気著者が放つ「妻は、くノ一」シリーズ第1弾。
剣術と柔術を組み合わせた刀法起倒流の遣い手、瀬戸七郎太。ある事件がきっかけで、南町奉行所与力から同心に格下げされた。元同僚からは蔑まれ、不慣れな仕事の辛さに悲哀を感じる日々。給金が減ったのに愚痴も言わぬ妻の顔を見るにつけ、心が重い。極悪人をぶちのめし、手柄を立てて与力に戻る!怒りの覚悟を胸に今日も本所深川を歩き回る。やがて持ち前の腕と推理で難事件を次々に解決していく七郎太だが、奉行所の反応は意外と…。話題の著者の新シリーズ。
隠居した旧友三人の前職は、町方同心、旗本、商人とさまざまだ。気力体力ともに自信がある彼らは手頃な隠れ家を手に入れて、江戸市中の厄介事に首を突っ込んでいった。まだまだどうして、世の中の役に立つかもしれない。そんな思いの彼らの前に、今日も奇妙な事件が舞い込んだ。なんでも、深川のはずれの森に裸の女が現われる、というのだ。
化け物退治稼業で糊口を凌ぐ月村四十郎に、そば屋に毎夜現れる閻魔さま退治の仕事が舞い込んだ。騒ぎは四十郎の活躍で一件落着するが、なんと閻魔の正体は人間、しかも、かの北町奉行遠山金四郎の密偵だった。何故?さらには金四郎から行方不明になった西洋の大砲を探し出せとの密命が下る。南町奉行鳥居耀蔵と遠山金四郎との確執に巻き込まれ、深川一帯を歩き回る四十郎。そこへ謎の女が接近。敵なのか味方なのか?江戸の町を奔走する四十郎に突如刺客が襲いかかる。
江戸屋敷勤番の侍だった月村四十郎。この男、“からす”につきまとわれているので鳥四十郎と綽名されている。病気の妻を抱え、用心棒家業で糊口を凌いでいたが、ある日昔の剣術道場の仲間に誘われ、用心棒仲間も嫌がる化け物退治を引き受けるようになった。江戸市中で起こる幽霊騒ぎ。見かけに似合わぬ繊細な小太刀を遣う四十郎は、化け物退治をつぎつぎとこなしていく。今日もまた江戸のどこかで“妖かし斬り”が…。恐怖のなかにも笑いが溢れる書下ろし長編時代小説。