著者 : 飯田冊子
お金や命令では私は動かされない。 でも恋心が、私を揺るがす……。 こんな身近に、私の異父妹がいたなんて! 母に捨てられ、里親の家を転々として育ったローナにとって、 父親違いでも血を分けた妹は大切な家族。彼女の心は浮き立った。 だが今や富豪の妻となった母が、ローナと妹が親しくしているのを知り、 ローナに過去を暴露されることを恐れて悪知恵を働かせるーー 姉妹の仲を裂くよう、富豪の息子で油田王のミッチをそそのかしたのだ。 ローナは突然現れたミッチから高額の小切手を叩きつけられたうえ、 仕事も辞めてどこか遠くへ去るよう恫喝され、ショックで気を失った。 驚いたことに、目覚めるとミッチの腕の中にいて、優しい声を聞いた。 「動くんじゃない。僕に任せて、ダーリン」 耐え忍ぶヒロインを描かせたら第一級のS・フォックスによる義兄妹ロマンス。自分には養子に出した娘などいないと、存在すら否定した母に深く傷つけられたローナ。そしてローナが嘘つきだと信じるミッチ。そんな二人がどのように恋に落ちるのか、ご注目ください!
愛する人との便宜結婚に、 舞い降りる聖夜の奇跡は……? 自分を不器量だと思い込んでいる内気なマティーは、 少女のころから父の共同経営者のジェームズに恋をしている。 彼は“実業界の若き帝王”ともてはやされる男性だが、 クリスマス目前、とつぜん美女との婚約破棄を発表し、 マティーにプロポーズしたのだ。いったいなぜ……? 拒めるはずもなく、マティーは愛する人の花嫁となった。 だが初めての一夜で身ごもったとき、幸せは無残に砕かれた。 夫の元婚約者に「彼は子どもなど望んでいない」と嘲笑され、 マティーは身重の体で家を飛び出してしまうーー。 HQロマンスの人気作家ダイアナ・ハミルトンによる、クリスマスが近づくと思い出す名作をお贈りします。マティーに求婚したジェームズの本当の意図とは……?
5歳で親を亡くし、牧場を営む祖父に引き取られて以来、 ハローナは祖父からの冷酷な仕打ちに耐えてきた。 その祖父が病で死の床につき、思わぬ話をハローナに持ちかける。 自分の存命中に結婚すれば、牧場を彼女に遺すというのだ。 女を捨てて働いてきた私と結婚してくれる人などいない…… 祖父はそれを承知で、私から愛する牧場を奪うつもりなのだろう。 だがそのとき、脳裏に隣の牧場経営者ウェスの姿が浮かんだ。 厳めしく威圧的だが誠実で、祖父の土地を欲しがっていると噂だ。 頼みの綱は彼だけーーハローナは意を決しウェスのもとへ向かった。
人けのない岬で、キラはらしからぬふるまいをした。 見知らぬ男マットと、出会って数時間でキスしてしまったのだ。 無理やりだったとはいえ、キラには婚約者がいるというのに、 ハンサムな彼に我を忘れかけた。だがあやういところで身を離し、 自分には婚約者がいることを告げ、その場を立ち去ったのだ。 2カ月後、キラは軽率なふるまいを後悔することになる。 父から紹介された大実業家が、あのマットだったから……。 しかも父の会社の借金の肩代わりをする見返りに、 欲望に濡れた目で結婚をーーキラの体で代償を求めてきたのだ。
上司の婚約者が自分の異父妹だと気づいたローナは、 驚くと同時に心が浮き立つのを抑えきれなかった。 実母に捨てられた後、里親の元を転々として育った彼女にとって、 父親違いとはいえ血を分けた妹は大切な“家族”だったから。 ところが二人が親しくしていると知った実母は、 ローナに過去を暴露されて富豪の妻の座を脅かされることを恐れ、 夫の息子であるミッチに二人の仲を裂くようそそのかした。 ローナは突然現れたミッチに小切手を叩きつけられ、恫喝されて、 驚きと悲しみのあまり気を失い……。
悪い予感とともに、オフィスに駆け込んだ秘書のアビゲイルに、 社長のロスは冷たい口調で遅刻の理由を問いつめた。 ほかの女性なら彼の前で、恥ずかしそうにうつむくかもしれない。 でもアビゲイルは、ハンサムで危険な男性はもうこりごりなのだ。 ロスだって私を、おとなしい鼠としか思っていないし、 心のなかに何かを抱えているだなんて夢にも思っていない。 婚約者と夜更かししたと言いよどむと、苦々しげな目で、 「君は彼を愛していない」と断言され、心を見透かされてしまう。 そして、その日を境にロスは私生活にまで干渉し始めた。
恋に破れ、傷心を癒やすため、ロビンはこの地に降り立っていた。 空港を出た彼女は、ある老婦人の命を危ういところで助ける。 すると、人に触れると未来が見えるという婦人が予言したのだ。 「大きな悲しみがやってくる……でもそれは運命の相手のため」 “相手”とは誰なのかをロビンが問うと、婦人はこう答えた。 「もちろん、あなたの後ろにいる人よ」はっと振り返ると、 そこに場違いなほど美しい男性を見出して、思わず見惚れた。 かけがえのない存在になるのに、彼の、不治の病の弟との結婚を 受け入れざるをえなくなるとも知らずに。
ベサニーは人類学者の父が異国で死亡したという知らせを受けた。 生存を信じる彼女は、研究先である砂漠の国ベイラルに向かう。 現地に降り立ち、猛禽をうやうやしく運ぶ行列に出合ったとき、 そばにつき添う黒マントの美しい男が鋭い視線で彼女を捕らえた。 獲物を追うはやぶさに似た彼こそが、この国の首長ーー ザッカー・サディクだった。女一人では危険だと諭されるが、 ベサニーは自分で父親を見つけだす意志を崩さなかった。 それがザッカーの支配欲を刺激したのか、ベサニーは、 彼のベッドの囚われびととなってしまう……。
アリシアは社長デックスの秘書として働いているが、 いつしか二人の関係は仕事のつき合いを超え、 昼は有能なパートナー、夜は情熱的な恋人となった。 だが、デックスの子を身ごもっていると知ったとき、 喜びと同じくらい大きな不安に、初めて襲われたのだった。 デックスは一度も愛を口にしたことがない。そればかりか…… アリシアにはひとつ、気がかりなことがあった。 会社の出資者の一人で、デックスの元恋人だという女性の存在。 もしかしたら私は都合のいい女で、彼はまだ彼女のことを……? 女の悪い勘は外れない。アリシアはある夜、その証拠を見てしまう。 一人の魅力的な男性をめぐる、三角関係を描いたロマンスです。彼の子を宿した秘書と、彼と事業で深く結びついている元恋人。彼の心を射止めるのは、はたしてどちらの女性なのでしょう?
17歳のアレクサンドラはダンスパーティーで一人の青年と恋に落ち、すぐに結婚の約束をした。だが、両親亡きあと世話になっている姉夫婦は猛反対だ。まだ若すぎるからなどという理由では、アレクサンドラはとうてい納得できなかった。なぜこれほどまでに反対するの?彼女の疑念はじきに晴れた。姉の夫の兄、ドミニクの強力な助言が後押ししていたのだ。愛人を絶やさないプレイボーイが、私の結婚を邪魔するなんて!激怒した彼女は家を飛び出し、ドミニクのもとへ車を走らせた。